こんにちは。
今回の大統領選挙、歴史的な結果になりましたね!昨日は朝からテレビの大統領選特集をずっと見ていました。以前住んでいたニューヨークの黒人居住区がテレビに写り、涙を流したり踊ったりと思い思いの喜び方をしている人々を見て、とても懐かしくなりました。
アメリカは多民族国家の割にみんな人種ごとに分かれて生活しているな、異人種の接点って意外と少ないな、というのがアメリカに暮らしての印象でした。そしてそれが私の中でアメリカの「がっかり」の一つだっただけに、今回あらゆる人種の人々がオバマさんに賛同し、心を一つにして応援している姿をテレビで見るのは感慨深いものがありました。独立から232年経って、ようやく「理想的な多民族国家」の輪郭が見えつつあるのかも知れません。
いい意味でも悪い意味でも特徴的で影響力の高いアメリカですが、これからはますます魅力的な国になっていくような気がします。あとは日本にもいい影響があるとよいですね。
同時通訳のできない私は(あれは本当に尊敬します)アメリカのサイトでオバマさんの演説を読んできました。
全文はこちら。
http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=96624326
中学英語レベル(多分)の言葉もいくつかありましたのでご紹介します。
If there is anyone out there who still doubts that America is a place where all things are possible; who still wonders if the dream of our founders is alive in our time; who still questions the power of our democracy, tonight is your answer.
演説の冒頭です。いきなり長いので分割してみましょう。
anyone out there(直訳:その辺にいる誰か。意訳:みなさん)の中に、
doubt(疑問)がいくつかある人がいるかも知れない(If)んですね。
そのdoubtの内容が3つあります。
1)
who still doubts that America is a place where all things are possible
whoはanyone out there、whereはa place(アメリカのこと)にかかっています。
2)
who still wonders if the dream of our founders is alive in our time
このwhoもanyone out thereにかかります。if以下はwonderの内容を説明しています。
3)
who still questions the power of our democracy
このwhoもanyone out thereにかかります。questionしている内容はthe power of our democracyです。
つまり、
1)アメリカが何でも可能な場所であること
2)建国者たちの夢が現代も生きているかどうか
3)民主主義の力
を疑っている人々がいるかもしれない、ということです。
tonight(今夜)がそういう人々への答えになる、と言っています。
英語の文章は関係代名詞や関係副詞、接続詞の連発でいくらでも長くなるので厄介ですが、そういう文を発見したときは「どこかで分割できるかな?」と考えて、分割したものごとに意味を考えていくと分かりやすくなると思います。私は今でも複雑な文章が出てくると紙に書き出して分析・分割してから訳しています。
その後It's the answerで始まる文章が3つ出てきて、その疑問に対する答えについて説明しています。
...change has come to America.これは現在完了ですね。「アメリカに変革(の時)がやって来た」
その後また現在完了の文が続きます。
I just received a very gracious call from Sen. McCain.
「私は先ほど、マケイン上院議員からとても心のこもった電話をいただきました」
あれ、I
've justじゃないの?と思われた方、正解です。
口語だとこうやってhaveが省略されることがよくあります。
Sen.はSenator(上院議員)の略称です。
ちなみに下院議員はCongressmanと言います。
このパラグラフではマケインさんのこれまでの功績を讃えています。
現在完了の「経験」を表す文章がいくつか出ているのでチェックしてみてください。
その後バイデン副大統領候補や家族、先日亡くなられたおばあさまをはじめ先祖を労い、これからのアメリカのゆく道は困難だろうけどみんなで頑張ろう的なことを述べています。(なんてはしょった訳…やっぱり私には通訳は無理だわ)
後半の文章です。
This election had many firsts and many stories that will be told for generations.
「この選挙はfirsts(初めてのこと)が沢山あり、storiesも沢山ありました」
ここのthatは関係代名詞です。that以下の内容は
will be told for generations(何世代にもわたって語り継がれる)ですね。
その中でオバマさんが取り上げているのが、アトランタに住む106歳のご夫人の話です。
その方は
She was born just a generation past slavery「奴隷制度(が終わった)のたった1世代あとに生まれ」ました。その時代は
1)
when there were no cars on the road or planes in the sky車も飛行機もなく
2)
when someone like her couldn't vote for two reasons
彼女のような女性が2つの理由によって投票できなかった時代でした。
その理由は
a)
because she was a woman 女性だったから
b)
because of the color of her skin 肌の色のせい
さっきの冒頭の文よりややこしくなりましたね…
その後、スローガンのYes, we can.で締めくくるパラグラフがいくつか続きます。
そのご夫人が今まで106年間の間になめた辛酸の数々や、その間に世界に起こった数々の奇跡(月に着陸したとか、ベルリンの壁が崩壊したとか)を振り返りつつ、そんな彼女が女性であり黒人であるという、昔なら二重のハンディとなっていた条件を乗り越えて、今回の投票に辿り着いたいきさつを、Yes, we can.つまり意訳すれば「不可能なことなんてない」というメッセージに絡めて語っています。
以上、超はしょり分析でした。
アメリカ人ではありませんが、この後半部分には感動しました。
そのご夫人も106年の間にあった色々な苦労が報われたのではないでしょうか。
そしてこういう具体例がちゃんと出てくるところに、草の根からちゃんと見てるよ、というアピールがあるんだろうなと思います。
それにしてもオバマさんに限らず、アメリカの政治家のみなさんは本当に演説がうまいです。マケインさんの演説分析は割愛しますが、こちらも感動的なものがありました。
小難しい言葉はほとんど使わず、市井の人々のエピソードを盛り込み、そして人を惹き付けるものの喋り方をする。勿論、魅力的な演説でけむに巻かれてしまうという恐れもありますが、すばらしいと思います。