こんにちは。
いよいよ夏本番、ということで先週末は各地で花火大会があったみたいですね。
私も土曜日に隅田川花火大会を観に行って来ました。ものすごい人ごみの中、頭の真上で花火がぱっと開き、火薬のはじっこがひらひら舞い落ちてくるのを見るのは格別!日本の夏だなあと思います。聞くところによると、アメリカの独立記念日(7月4日)にニューヨークで大々的に行われる花火大会にも、日本の花火が使われているらしいですよ。(ネットで調べましたが参考記事が見つからず…私が住んでいた頃にテレビのニュースで言っていたのでうろ覚えです。すみません)
その花火を見ながら年甲斐もなくきゃーきゃー歓声を上げていた私ですが、私の近くにいた若い男の子は、興奮しながらこのような歓声を上げていました。
「
やべーよやべーよーーーー」
「
うおーやべぇ!まじやべぇ!」
最近の若い人々が(と書くといかにも自分が年取ったような感じですが

)「やばい」をいい意味で使うというのは聞いたことがありましたが、そうかこうやって使うのか〜。と妙に納得しながらも、いささか違和感を感じながら、その声を背中で聴いていました。
この言葉、私が小中学生くらいの頃から使われ始めたものと記憶しています。
「
語源由来事典」によると、もともとは、それこそ「やばい世界」の人々が使う言葉だったようですね。だからか、当時はあまり上品な言葉ではないという位置づけだったような気がします。そういうこともあって、この男の子が美しい花火を愛でるときに「やべぇ」という形容詞を使うのは何だか変だな、語彙が貧相だなあと思ってしまっていたのです。
でもふと振り返ってみると、私が若かりし頃も、同じような言葉遣いで年上の人々の眉をひそめさせていたんですよね。
それは「
嘘」という言葉です。
「○○ちゃん東大に合格したって」
「
うっそ。すげー」
みたいな感じの使い方です。
つまり若者としては「うそみたいに(信じられないくらい)すごい」という表現なのですが、私がそんな言葉遣いをしたときに、祖母に怒られたのを思い出しました。
「○○ちゃん
東大に合格したって」と言っている人が嘘つき、あるいは
「○○ちゃんが
東大に合格する」ことが嘘のように聞こえるのでどっちにも失礼、というように思われてしまったようです。
その後「嘘」の「すごいこと、すばらしいことを強調するときの間投詞(?)」と言う位置づけが世間的にも定着してからは言われなくなりましたが、ネガティヴな単語をいいことの強調に使うというのは、やはり本来は好ましいことではないんでしょうね。
ちなみに私の世代(特に女性)は、上の世代から
「何もかも『
うそ、やだぁ、かわいい、しんじられなーい』で表現してしまう」と揶揄されていました。
かくして歴史は繰り返す、のでありました。
花火を見て「まじやべぇ」と言っていたあの男の子も、20年くらい経ったら次の世代の「否定語による強調」に眉をひそめるのかも知れませんね。
なお、英語でも「否定語による強調」は存在します。
スラングなので学校で習うことはないと思いますが、badという単語をgoodの代わりに使うことがあります。その場合、普通のbadの比較級・最上級と違って、いい意味でのbad(ややこしや…)はbad→badder→baddest、となります。あとはwicked(読みは「ウィケッド」。本来は「邪悪な」「いたずらな」などの意味)も「すばらしい」の意味で使われることがあるかな。
Unbelievable.(信じられない)は、もう少し一般的にもいい意味で使われていると思います。
余談ですが、「やばい」があまりいい意味で使われていなかった頃、とある雑誌の「OL失敗談」で読んだ話です。
敬語が苦手な帰国子女(ベタな設定だ…)が、勤め先の航空会社で電話を受けました。
電話の主は飛行機に乗り遅れそうなお客さんだったそうです。どう考えても今からじゃ間に合わないぞ、いくら何でもそりゃやばい、と思ったその帰国子女は、相手の話を聴いてこのように答えたそうです。
「お客様、それはやぼうございます」