こんにちは。
高校コース教材編集(化学)のつじのです。
今日は,東大・京大をはじめとした多くの国公立大学で前期入試の
合格発表が行われています。
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こちらでは,合格発表を終えたばかりのZ会会員のみなさんの
喜びのナマの声や,会員のみなさんの合格を心より祈ってきたZ会スタッフからの
熱いメッセージが
次々とつぶやかれています。
本当にたくさんの会員のみなさんの声が届いていて,純粋に「よかった!」とうれしい気持ちになっています!
また,
合格報告会のご案内はこちらから。
みなさんの喜びの声をぜひZ会までお寄せください!
そんな一種のお祭り的な1日ですが…
今日の話題は,
3月10日=砂糖の日にちなみ,
「人工甘味料」についての化学のお話です。
カロリーゼロをうたうジュースやお菓子には,砂糖の代わりに人工甘味料が入っています。
代表的なものに,
アスパルテーム,アセスルファムK,スクラロースがあります。
(たいていのものにどれかは入っていますので,一度食品ラベルを見てみてください)
これらの人工甘味料の安全性については現在でも激しい議論がなされていますが,
今年2010年度の神戸大学(前期)入試の化学の問題で,次のような文章が出題されました。
※一般の人にもわかりやすい文章となるように,問題文の原文から一部変更しています。
また,原文で空欄となっている箇所は適宜補っています。ご了承ください。
大問4(有機化学)
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酸性アミノ酸である
L−アスパラギン酸と,カルボキシル基がメチルエステル化された
L−フェニルアラニンがペプチド結合した
アスパルテーム(α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル)は,
スクロースよりはるかに甘い性質がある。
※アスパラギン酸
タンパク質をつくるアミノ酸の一種。豆類やアスパラガスなどに多く含まれ,体内の老廃物の処理・肝機能の促進・疲労回復などの効果があるとされる。
※フェニルアラニン
タンパク質をつくるアミノ酸で,必須アミノ酸の一種。肉類や魚介類などに広く含まれ,気分の落ち込みを緩和したり,血圧を上昇させる作用があるとされる。しかし,フェニルケトン尿症の人が多く摂取すると脳障害などが起こるとされている。
※スクロース
ショ糖。砂糖の主成分で,甘味が強い。
(問4)
「食の安全」においては,物質の化学的性質,体内での代謝,生理作用などに加えて摂取量を考慮したリスク評価が大切である。
アスパルテーム1分子のペプチド結合とエステル結合を完全に加水分解すると,L−アスパラギン酸,L−フェニルアラニン,メタノールがそれぞれ1分子ずつ生じる。
この反応は動物体内でも起こる。
メタノールには中毒性があり,ヒトが経口摂取した場合に中毒症状を起こす最小量は体重1kgあたり100mgとされている。これは体重48kgのヒトであれば4.8gということになる。
ヒトの体内でアスパルテームの加水分解が速やか,かつ完全に起こるならば,
体重48kgのヒトがアスパルテームの純品を一度に44g摂取すると,体内で生じたメタノールによる急性中毒を起こすリスクがある。
しかし,
アスパルテームはスクロース(ショ糖)に比べ170倍甘いため,スクロースの代わりに摂取する場合の使用量はかなり少なくなる。計算すると,メタノールによる中毒症状を起こす
44gのアスパルテームは,8700g(8.7kg)のスクロースに相当する。
こうした計算は,食品成分や添加物のリスク(アスパルテームの分解で生じうるメタノールのリスク,など)がどの程度なのかを日常の食生活に照らして判断するのに役立つ。
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長い文章ですが,要は…
砂糖より170倍甘いアスパルテームという人工甘味料を使えば,同じ甘味を出すための使用量は砂糖の200分の1(0.5%)でよい。
ただし,アスパルテームの分解により生じうるメタノールは中毒症状がある。
アスパルテームの安全性を考える上ではこのリスクと少なくて済む使用量の両方を考慮する必要がある。
ということではないでしょうか。
非常に安価で合成できる人工甘味料は,天然の砂糖よりもかなり少ない使用量で,砂糖と同じ甘味を出すことができるため,現在は多くの食品に使われています。
ただ,その安全性については神戸大の問題のようにリスクが伴います。
人工甘味料は砂糖に代わる万能の食品ではない
ことをしっかり認識しておく必要があります。
「ダイエット〜」「〜カロリーゼロ」などの食品ばかりを大量に食べるのは避けた方がよいかもしれません