■遠藤周作『沈黙』
これは私が読んだ中で最も「エキサイティング」で「スリリング」な小説です。
キリスト教が弾圧される中で、仲間を助けるために踏み絵を踏むのか、信仰を守り通すのかという、隠れキリシタンの葛藤を描いた作品です。
僕、本当は小説読めないんです。
読めないというのは、途中で登場人物が誰が誰だかわからなくなったり、話の筋を忘れてしまって、気づくといつの間にか文字だけを目で追っていたり……。
読み終わったそばからあらすじを忘れてしまいます。
でも、これは早く先が知りたいと、一気に読み切ってしまいました(大学の授業中に)。
■ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』
秋の夜長に……にしてもかなり長いですが(岩波文庫全6巻で2,500ページぐらいでしょうか)、世界の文学史上最高傑作とも言われる作品です(時間のある学生時代に読んでおいてよかった……)。
日本ではゲーテとかドストエフスキーとかを読んでいる人は(まれに)いても、セルバンテスを読んでいるという人はあまり聞いたことがないですね(スペイン人でも読んでいないらしいけど)。
哲学的議論は私の手には余りますが、17世紀初頭に発表された当時は単なる「滑稽本」としてベストセラーになったというだけあって、単純に楽しめ、笑えます。
人によっては全然面白くねェって言いますけどね……。
ドストエフスキーは「人類の最も偉大で最も悲しい書」と評したそうです。
あとは小説以外。
■sc恆存『私の國語ヘ室』
新字新假名遣の不當性を訴へてをられます。
著者は國語學者・言語學者ではありませんが、文字論として參考になります。
■鈴木孝夫『日本人はなぜ英語ができないか』
これを読んだら英語ができるようになる……というようなものではありません。外国語教育論です。
この先生は全員必修の「国際理解」のための英語教育などやめて、日本のこと、日本の主張を発信できる人物を育てるための、選抜的な外国語教育の必要性を何十年も前から唱えておられます。
■長谷川三千子『民主主義とは何なのか』
現代には民主主義の価値に疑いを持ってみたことのある人はどのくらいいるのでしょうか?
「非民主的」という言葉は無条件で批判となり、自ら「非民主的」であると名乗る人はいませんし、「反民主主義」を掲げるような政治家もいません。
大体において民主主義は絶対的価値を持つものとみなされているのでしょう。
逆に絶対的な悪とみなされているものの一つはナチズムですが、ヒトラーもまた民主主義が生んだものであるということについて、考えてみたことのある人はどのくらいいるのでしょうか?
■谷岡一郎『「社会調査」のウソ ―リサーチ・リテラシーのすすめ―』
マスコミとか、官庁とか、学術機関とかが出している統計の数字などが、いかに歪曲や嘘に満ちているかを衝いています。
大学2年当時の私にはなかなか衝撃的だったのですが、それから統計学とかを勉強したいと思いつつ、あれからもう8年も経ちますな……。
■関岡英之『拒否できない日本 ―アメリカの日本改造が進んでいる―』
日本の政策ってアメリカが決めてるんですか……?
■田中正明『パール判事の日本無罪論』
ああ、最後の最後でうっかり穏当でないものを挙げてしまいました……。
最近また論壇でにぎやかになっているパール判事に関する本は何冊か読んでいますが、これは特に訴えてくるものがありましたね。
評価については読んだ皆さんに任せるとして、私も「判決文」自体(膨大な……)を読んでから判断しないといかんなというところです。
本を読んでいると、100冊に1冊ぐらいの割合で、脊髄にビリビリ来るような感覚を味わう本があります。
これはそんな本です。
……以上、なんで秋の夜長にそんな疲れる本を読まないかんのじゃ!と言われそうですね。