Z会ブログトップへ

2011.10.06 23:50

先日、三島青年会議所主催で行われた、金美齢さんの講演会に伺いました。
講演のタイトルは『伝えたい 日本の心』。

日本人の心の素晴らしいところを見つめてみませんか?が趣旨。
台湾生まれの金美齢さんだからこそ、語れることも多いかと思っての参加。


震災復興のため、なぜ台湾から200億円以上もの義捐金が寄せられたか…
それは、台湾の人たちの中に、日本に感謝する気持ちがとても強いから、と彼女は語ります。
日本の支配下にあった、1895年から1945年までで、日本は多くのものを台湾にもたらしてくれた、と。

八田與一という、台湾に渡った水利技術者のエピソードを紹介し、いかに日本人が、台湾と言う地を育むのに献身的だったか、を語ってくれました。
そして、日本人が持ち合わせている心として…

向学心。
熱心。
まじめ。
公徳心。
勤勉。
仕事を大切にする。
嘘をつかない。

立て続けに、1つ1つ、ゆっくりと、言葉にしてくださいました。


これらの共通項は、何かと相対比較して「美しい」とされるものではなく、絶対的に美しい心、であるということです。


自分以外の何者かの、ほんとに些細な悪い点を指摘して、自分が相対的に“善人”になる、って、とっても簡単なんですよね。
ずっと、絶対的に“善人”であることの方がよっぽど難しいんです。


だから、子どもが

「え~っ、○○ちゃんだってやってるのにー」

とか言いながら、自分のやりたいことを正当化しようとしたり、

「○○ちゃん、こないだ、あんなことしてたんだよ…」

という口調で、告げ口のようなことをしたりしてくるような場合は、大人はその行為を理屈抜きに遮断しなければいけません。

相対比較して、自らのポジションを優位に立たせようとする言動に他なりませんから。
これを繰り返すと、絶対優位に立つために苦労することをしない大人になってしまいますから。




しかしながら、金さんの講演の後に行われたパネルディスカッションでは、気になる発言もありました。
ある年配のパネラーが、こんな調子で語ったのです。

「最近、自分さえよければいいとか、物欲が強い人が増えてきているのは残念なことです。。。だから今、教育が最も大事だと思います。」

パチパチパチ!と拍手。

でも僕は、拍手する気になれませんでした。
ご本人に全く悪気はないと思いますので責めるつもりは毛頭ないのですが、これこそ、“自分より悪い”と思われる(かつ、マスメディアや周りでよく聞こえてきそうな)他者を挙げて、自分を優位に立たせる発言の典型だと思うんです。

自分さえよければいい、とか、物欲が強い人、とか、以前から一定数いたと思うんです。
「増えている」と言っている人のほとんどが、マスメディアなど「どこかで言われていること」に自らの嫌な体験を重ね合わせて、増えているように感じているだけだと思うんです。
これを根拠にして、自らが立派な発言をしているように導いても、僕の心には響きませんでした。
#「教育が最も大事」と言葉では言うものの、自らがその領域にほとんどコミットしていない方を大勢見てきたからかもしれませんが…


繰り返しますが、この発言を責めるつもりはないんです。
ただ、「伝えたい 日本の心」をテーマにした講演であるからこそ…
「教育が大切」といった、当たり前のことを、何かと相対比較することで、イメージ的なかっこよさを増す語りではなく、

「(美しい心を育むには)教育が大切なんですよね。あたりまえじゃないですかそんなこと。でもその当たり前ができてます?みなさん。」

のように語ってほしかった。

それが力強く、「“絶対的に”美しい心」を称える表現だと思うんです。


最後に、金さんは仰いました。
ひがみ、ねたみ、そしり。最悪だと。
この気持ちからくるエリート批判は最低だと。
能力をもったエリートであれば、それを称える社会にしなければいけないと。

「出来る人」に対し「ちぇっ、あいつ、偉そうに」という発言を簡単にする人は、その言葉により、出来る人より上に立ちたい気持ちの表れだと思います。
それよりも…出来る人を見習って、自らの能力を向上させたい!と思うのが、「美しい日本人の心」ですよね。
ソーシャルブックマーク:

プロフィール

プロフィール画像
寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
※スパムのためコメント欄は閉じました(すいません)。

カレンダー

<<   2017年03月   >>
      01 02 03 04
05 06 07 08 09 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

月別アーカイブ