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2011.07.20 09:52

野村総研から出たレポートを拝見しました。

イノベーション・マネジメントの進化-あなたの組織ではイノベーションは起きていますか?(PDFです)
http://www.nri.co.jp/opinion/region/2011/pdf/ck20110702.pdf


このレポート中に「デザイン人材」と称し、これからイノベーションを牽引する人材として紹介されています。
そして、「デザイン人材」の素養として、次の6つを挙げています。


○観察力
現場を細やかな視点で
相手の立場に立って観察

○外部ネットワーク形成
多様な生活者との顔の見える関係
多様なエキスパートとのネットワーク

○コーディネート力
ファシリテーション
巻き込み
コーディネーション

○動機
生活者の真の課題を相手の立場に立って発掘し、解決してあげたいという思い

○社内ネットワーク形成
クロスファンクショナルネットワーク

○ビジネス&技術センス
マーケットの理解、技術の理解

注)太字は、6つの中でもとくに大事、とされるもの。


これらの6つを、六角形をつくる感じでつないだとき、六角形の中心をなすのが「デザイン思考」。
この「デザイン思考」を「右脳型」としています。


うん、まさに、と思いました。
人・社会から下ろして考える「社会価値イノベーション」を起こせる人材ではないといけないんですよね。


また、レポート中で説明されている、価値創造アプローチにも、同意するところ多々ありました。
中でも、「フェーズ1」とされる点。


===(引用)===

フェーズ1は「社会課題の手繰り寄せ」である。徹底した現場感覚により社会課題を発掘する。ここではインタビューやアンケート調査などは用いない。人の行動を徹底して観察するエスノグラフィーという手法により、本人も気づかない課題を発見する。

===(引用終了)===


このフェーズ1ができていない人・企業がほとんどではないでしょうか。
…というか、フェーズ1を「やろうとしない」人・企業がほとんどではないでしょうか。

インタビューやアンケート調査そのものに存在価値がない、とは申し上げません。
ただ、インタビューやアンケート調査をいきなり仕掛けても、回答者からホンネを引き出せるわけがない、という視点をもたず、「アンケート原理主義」のような手法に頼る人・企業は、いかがなものか、と思うのです。

とくに、Z会という企業に勤務し、「教育」サービスと向き合う中で…
顧客が要望するサービスだけに拘ると、価値創造はできない、と強く感じます。


そのときの本人には気づかない価値を与え、その価値がわかる人材に成長させることこそが、教育の本質なわけですから。



また、「外部ネットワーク形成」は大事だと肌感覚で感じますし、これを形成するには「動機」が間違いなく重要です。
だってそうでしょう…相手の立場に立てない人間にネットワークが形成できるとは思えませんから。


論理ではなく、エモーショナルな能力が、今後、人・社会から下ろして考えるイノベーションを起こすには、とても、とても、大切だと思います。


かといって、論理的思考力が大切でないわけではない、と思います。(上記レポートでは割と否定的に書かれていますが…)
正解がある問題に対し、正解に辿りつく道筋を、早く正確に作ったり、その道筋を理解したりする能力を否定しては、それこそ上記で紹介したレポートを読み解くこともできないのではないでしょうか(逆説的ですが。笑)。


つまり。

・論理的思考力が「誰もがみにつけるべき前提」となっている(だから、現在の教育で行われている「正解を求める」トレーニングも必要)。
・論理的思考力だけでは解決できない(前へ進めない)ことが今の時代増えているから、論理的思考力“に加えて”デザイン思考がこれまで以上に大切。


ってことなんだと思います。

まあ、デザイン思考だけが唯一絶対必要なんだ!って発想をするならば、そのこと自体がすでにデザイン思考ではないとは思うのですが(苦笑)。


合理的判断が出来るようになった上で、情緒的な決断を敢行できる。
そんな人材を育んでいかなきゃいけません。
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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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