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2014.09.23 13:53

大阪市、部活指導を外部委託へ 市立中で来年度から
↑共同通信のサイトへリンクします。

こういうニュースを取り上げ、かつブログを書くと、受け手の「価値観」によって様々に捉えられるものですから、前置きで申し訳ないですが、まず前提を2点。

1つ、今の大阪市の教育行政そのものについて、善し悪しを述べる意思はないということ。
もう1つ、「部活」については、(公教育全体を俯瞰してみたとき)「いい部分もあるし、存在自体も否定的ではないけれど、今のままで良いとも感じていない」という「意見」はもっているということ(当然ですが、その意見が絶対的に正しい、などとも思っていません)。

読者の皆様の「考える」キッカケにしてほしい、という意図で、以下、書きますね。

・・・

日本の教育、とくに中学校における教育問題として、多くの教育関係者の共通認識の中で「大変大きな問題」と捉えられているものに、部活問題があります。
なぜ部活が問題か、という中での最大の理由は、教員の「必要以上の~必要のはるか上をいく~時間投入を“実質的に”強要されている」部分だと思っています。

社会情勢を図表化して提示してくれる、大変貴重なブログ「データえっせい」でも、今回の大阪市の外部委託のニュースを取り上げて、こんな記事が書かれていました。

部活指導時間の国際比較
↑ブログ「データえっせい」へリンクします。

いかに日本の中学教員が、総時間そのものも、総時間に占める部活指導の割合も、ダントツで高いか、がわかります。

もう1つ本ブログからデータを。

中学校教員の勤務時間の国際比較
↑ブログ「データえっせい」へリンクします。

総労働時間が長く、授業に費やす時間が短い、日本の教員像が浮かび上がります。


上記2つのブログに書かれていることをなぞるようなコメントをここで書いても意味がありませんので省略しますが…
冷静に考えると、教員が部活に投入する時間は減らしたほうがいい、いや、減らす「べき」だ、くらい強く言ってもよいような状況が、中学教育の周りで起きている、と結論付けられませんか。

繰り返しになりますが、この結論については、多くの教育関係者には異論なく受け止められます。
しかし、世間を大きく動かすほどの、教育における「社会的問題」にはまだなっていない、という感覚ももっています。
…なぜでしょう…?

恐らくは、多くの「大人」が「部活でかけがえのない経験をしたり、替えがたい想いを感じたりした」から、につきる思うのです。

だから、「部活の時間を減らそう」という意見だけ聞くと、脊髄反射で、「ええっ」とか「…さびしい…」とか、そんな感情をもってしまうのが自然なんだと思います。
でも、だからといって、上記2つのブログのデータを見せられても、「いや、部活は“いいもの”だからやるべき!」と声高に主張するのは、偏見による主観的主張が強すぎると思うのですね。
それこそ、大人の、あるいは自分の価値観の、子ども世代への押し付け以外の何物でもないと思うんです。


「今の子どもたちが、成人し、社会を形成する際に、最も幸せになるように」
大人が子どもたちに施す「教育」は、この視点からブレてはいけない…、いや、自らの教育観を、この視点とずれてないか、常に検証し続けるよう、大人は努力し続けなければいけないと思うんです。
その視点かつ先を見通す「知見」を身につけた上で、子どもの気づかない「価値観」を育成していこうとするのは素晴らしい教育ですが、社会へのアンテナを持たず、定量的なデータによる検証を一切しないで、自らの主観のみで“子どもにはわからないから大人が教えていかないと!”一辺倒のやり方は、傲慢だと思うんですね。

人口減少社会という、世界中でどの国も経験していない社会課題を克服していかなければいけない日本。
その他、いろいろここで挙げるまでもなく、今後は相当厳しい社会が待っています。
その中で生きる人々は、「課題解決」という能力において、相当タフでないといけないでしょう。

そんな中、中学生という、今を生きている子どもたちに、公教育という枠組みの中で、教師に、部活への資源投入を、今と同じ形で求めるのが「社会として」いいのでしょうか…?


追)大阪市の事例ですとどうしても色眼鏡で見られるところがありますが(苦笑)、部活を地域スポーツクラブへと転換しようという試みは、かなり以前から…少なくとも10年以上前からは行われているんです。
事例としてよく挙げられるのが、愛知県半田市です。
総合的スポーツクラブへの展開(半田市)/成岩(ならわ)スポーツクラブ
(↑愛知県社会教育委員会議のサイトへリンクします)
しかし、このような事例が、「社会」へと広がってはいない、というのが、現実です。
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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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