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2016.11.21 23:12

※以下、個人の見解であり、あくまでこのブログでは「(いろいろ)考える」ための材料を提供していて、唯一絶対の解を提供しているわけではないことを予め断らせていただきます(こういう断りが少なくなる社会が形成されるといいなあ、と、個人的には思ってもいることも、蛇足ながら…)。

私個人のFacebookで、下記のような投稿をしたところ、たくさんの反響がありました(驚いております)。
・・・・・
最近「(算数)数学は論理的思考力を身につける(だからよい)」ということに疑念を感じてきています(一応数学編集者で社会人をスタートした人間なのですが)。

いまの高校数学までですと、条件やパターンがある中で、決まった正解を導く方法論が過剰で(かつその方法論を「論理的思考力を学ぶことにつながる」という場合が多い)、この思考に慣れた人は、「複眼的にかつ論理的に」考えられないケースが多いと感じていまして。

個人的には、今の教育課程から(算数)数学の時間を少し減らし、その分、正解のない課題を論理的に最善解に導く訓練の時間にあてるといいのでは、と思っています。

あくまで個人的な考えであり、(算数)数学不要論では決してありません。
時間的な制約がある中で、子どもたちに社会を生き抜くさまざまな力を身につけるために、どのように教科指導他を組み立てるか、と考えたときの、1つの考え方、です。
・・・・・

様々に頂戴したコメントを引用して掲載します(Facebookでも公開投稿です)。表記の統一を図るため、氏名はすべてイニシャルに置き換えさせていただきます。

下記のコメントが何かブログをご覧頂いた方の参考になると嬉しいです。
(しかしみなさん、ほんとにいろいろ考えておられて、感心します)

H.Iさん
高度成長時代には正解至上主義が効率よかったのですが、長期低迷混沌時代になってからは違うアプローチの方が重要になってきてますからね。

K.Nさん
算数は暗記とケアレスミス防ぎ。外部指導を受けてない子のみ、応用力と、ひらめきを試される機会があるけれど、そうでない場合は応用発展問題の暗記をレベルに応じてする印象。手続きが煩雑になって、スピードが求められるスポーツみたいなものかも

O.Nさん
もっと根源的なところで、実は学校(特に高校あたり)の各教科で「論理的思考力を身につける」と私も思ってきましたが、ひょっとすると「論理的な思考力」を身につけるベースはそれ以前(もしかすると小学校以前)にあり、学校の各教科は、それを発揮できる場を用意しているにすぎないのではないかと。あくまでも経験的な感覚ですので、まともに議論しなくて良いと思いますが。

T.Sさん
自分の経験上(自分自身も塾で小中学生教えてたのも含めて)、中学、下手すると大学のセンター試験までも、必要なのは 圧倒的な国語力 だと思います。
ここに論理学的な整理ができてれば完璧で、それで良いかと。
小学、中学レベルの数学は、それができたから他の教科には影響しませんが、国語力か上がれば数学含めて全ての教科の学力が上がると思います。
※僕は数学教えてましたが、結構国語力の向上を目指してました

J.Nさん
認知心理学によれば、数学で学ぶのは数学における論理的思考能力です。汎用性は期待しない方がいい。つまり、理系の職業に就かない人にとっては無関係です。
少なくとも、数学を学ぶことによって汎用的な論理的思考能力を上げられたという学術的なデータを読んだことはありません。

T.Oさん
数学の論理は「100%正しい論理」。「論理的な思考」というときの論理は、それとは違う。そもそも100%正しいものなら現実には最初から議論にならないわけです。
では、数学が現実に生きる場面は無いのかというと、それも違う。2つ挙げます。
1つは「社会を数字で見る目を養う」こと。そのためには「中学までの数学+指数・対数」で十分です。(指数・対数が必要な訳は、世の中の物事は指数関数的に変化するから)
もう1つは「コンピュータを動かす論理に通じる」こと。数学の論理=100%正しい論理は「コンピュータの中で現実に動いている論理」だからです。
以上まとめて言うと、プログラミング教育が入るのに合わせて、高校数学から指数・対数以外のものを全部やめればいいと(中高の数学教員である)私は考えています。

S.Kさん
世間に出ているロジカルシンキングというのは推論に対するプロセスの明確化で、そのプロセスを論理という風に考えているように思います。
予備校で数学を10年ほど教えてたものとしては、受験数学なんて問題見た瞬間に答えがかけなきゃダメで、その検証を時間の限りやるだけの作業ですから、ロジカルでも論理でもないわけで。受験のためのものならやらなくても良いかもですね。

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2011.07.20 09:52

野村総研から出たレポートを拝見しました。

イノベーション・マネジメントの進化-あなたの組織ではイノベーションは起きていますか?(PDFです)
http://www.nri.co.jp/opinion/region/2011/pdf/ck20110702.pdf


このレポート中に「デザイン人材」と称し、これからイノベーションを牽引する人材として紹介されています。
そして、「デザイン人材」の素養として、次の6つを挙げています。


○観察力
現場を細やかな視点で
相手の立場に立って観察

○外部ネットワーク形成
多様な生活者との顔の見える関係
多様なエキスパートとのネットワーク

○コーディネート力
ファシリテーション
巻き込み
コーディネーション

○動機
生活者の真の課題を相手の立場に立って発掘し、解決してあげたいという思い

○社内ネットワーク形成
クロスファンクショナルネットワーク

○ビジネス&技術センス
マーケットの理解、技術の理解

注)太字は、6つの中でもとくに大事、とされるもの。


これらの6つを、六角形をつくる感じでつないだとき、六角形の中心をなすのが「デザイン思考」。
この「デザイン思考」を「右脳型」としています。


うん、まさに、と思いました。
人・社会から下ろして考える「社会価値イノベーション」を起こせる人材ではないといけないんですよね。


また、レポート中で説明されている、価値創造アプローチにも、同意するところ多々ありました。
中でも、「フェーズ1」とされる点。


===(引用)===

フェーズ1は「社会課題の手繰り寄せ」である。徹底した現場感覚により社会課題を発掘する。ここではインタビューやアンケート調査などは用いない。人の行動を徹底して観察するエスノグラフィーという手法により、本人も気づかない課題を発見する。

===(引用終了)===


このフェーズ1ができていない人・企業がほとんどではないでしょうか。
…というか、フェーズ1を「やろうとしない」人・企業がほとんどではないでしょうか。

インタビューやアンケート調査そのものに存在価値がない、とは申し上げません。
ただ、インタビューやアンケート調査をいきなり仕掛けても、回答者からホンネを引き出せるわけがない、という視点をもたず、「アンケート原理主義」のような手法に頼る人・企業は、いかがなものか、と思うのです。

とくに、Z会という企業に勤務し、「教育」サービスと向き合う中で…
顧客が要望するサービスだけに拘ると、価値創造はできない、と強く感じます。


そのときの本人には気づかない価値を与え、その価値がわかる人材に成長させることこそが、教育の本質なわけですから。



また、「外部ネットワーク形成」は大事だと肌感覚で感じますし、これを形成するには「動機」が間違いなく重要です。
だってそうでしょう…相手の立場に立てない人間にネットワークが形成できるとは思えませんから。


論理ではなく、エモーショナルな能力が、今後、人・社会から下ろして考えるイノベーションを起こすには、とても、とても、大切だと思います。


かといって、論理的思考力が大切でないわけではない、と思います。(上記レポートでは割と否定的に書かれていますが…)
正解がある問題に対し、正解に辿りつく道筋を、早く正確に作ったり、その道筋を理解したりする能力を否定しては、それこそ上記で紹介したレポートを読み解くこともできないのではないでしょうか(逆説的ですが。笑)。


つまり。

・論理的思考力が「誰もがみにつけるべき前提」となっている(だから、現在の教育で行われている「正解を求める」トレーニングも必要)。
・論理的思考力だけでは解決できない(前へ進めない)ことが今の時代増えているから、論理的思考力“に加えて”デザイン思考がこれまで以上に大切。


ってことなんだと思います。

まあ、デザイン思考だけが唯一絶対必要なんだ!って発想をするならば、そのこと自体がすでにデザイン思考ではないとは思うのですが(苦笑)。


合理的判断が出来るようになった上で、情緒的な決断を敢行できる。
そんな人材を育んでいかなきゃいけません。
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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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