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2013.06.22 16:15

後編の続きです~

主体性を育むタブレット授業~千葉県立袖ヶ浦高等学校~(前)に始まった記事、読んでくださった埼玉県の小学校の先生から、こんな感想を頂戴しました。
===
これは感動。
タブレット授業が主体性を生んでいるのではなく、タブレット授業を創り上げていく上でそこに携わる人(教師・生徒などなど)の考え方が主体性を生んでいるだよなあ。
ここを勘違いしてはいけないと思いました。
===
僕はこの感想に、逆に感動を覚えました。
感動というより共感でしょうか、「そうそう!」と思わずでるような。

タブレットはあくまで文具であり、道具であり、触媒なんですよね。
教え手の主体的コミットメントを最大限に引き出すための。

タブレットかあれば生徒は主体的になる!…そんなわけはなくて。


先生の主体性が何よりも表れているところ…それは、袖ヶ浦高校のWebサイト。
千葉県立袖ヶ浦高等学校
「パブリックスペース」のリンクをご覧ください。
お分かりだと思いますが、校長先生自らが、ほぼ毎日記事を更新されているんです!

民間人校長、北角裕樹さん(巽中学校)、学校広報に動く!の記事でも書きましたが、先生の手による「学校広報」への強化は、学校の中の良いとこ探しを引き出し、学校をハッピーにするんですよね。
この活動から育まれた「主体性」が先生に伝播し、タブレットという触媒を通じて、生徒をさらに主体的にさせている、それが袖ヶ浦高校なんだと思います。


Web担当だった時代、ソーシャルメディアでいろいろな賞を頂戴した(たとえばこれ http://business.nikkeibp.co.jp/nmks/0827/ )関係で、「どうやったらソーシャルメディアで成果を挙げられるのか?」という相談をさんざん受けました。
もちろん、成果を挙げるための技術も必要です。しかし、技術だけでは成果ゼロ。
必ず、運用者の主体的コミットメントが必要なんです。
ツイッターで、Facebookで、ブログで…お客様に情報をどんどん提供し、そして対話しようとする、その姿勢を怠っては、まず成果は生まれないんです。逆に、その姿勢さえあれば、お金をかけなくても成果が生まれる、それがソーシャルメディアでした。

一見「派手」とも見られるタブレット授業だけではなく、Webサイトでの情報発信を地道に続けている袖ヶ浦高校は、生徒や保護者の気持ちをがっちりつかみ、きっと素敵な学習空間を提供し続けることと思います!
ソーシャルブックマーク:

2013.06.21 02:23

前編の続きです~

2.「失敗してもいいんだ」という学び


上記の授業中何度も共有ファイルが固まり(画像を同時にたくさん入れてしまったため…)、何度も授業が中断します。
そのため、当然のことながら「あー今日はここまでやりたかったのに…」と思う到達点まで到達できていない可能性が高いです。
あれ?授業でそれはマズイのでは?と思われる方もいるでしょう。

でも、見方を変えると…
「詰め込み過ぎの授業って窮屈だし、逆に記憶に残らないときもあると思いませんか?」
「自分自身が経験した授業って、ゆとりがなく何やったか覚えていないものもありませんか?」
という思いもわいてきます。
教師が考える「教えたい」と、生徒が考える「理解したい」の差が余りにも激しいと、「つまらない授業」となって、学力向上に寄与しませんからね…
デジタルの道具を導入することで、教師側に、思いきって「教えたい!と思っている、過剰な部分を“捨てる”」という行為が誘発される部分もあるのではないか、と思います。

加えて、挑戦することが求められている日本社会において、「完璧ではないところを見せる」「失敗を一緒に経験する」ことは、10代後半において大切な経験的学びではないでしょうか。

タブレット授業にチャレンジしているからこその、ちょっとした失敗という結果。僕自身は「すごい!」と思えることでした。


3.良質な「欠点の指摘」

タブレットを用いて(3~5分程度の)プレゼンをし、意見をフィードバックする、という授業がありました。

プレゼンテーションスキルだけであれば、デジタル機器を用いない授業でも向上させる手法は考えつきますよね。クラス全員の前で発表するシーンを思い浮かべられますから。
ただ、自らの所有するタブレットを用いてプレゼンを行うと

・発表者が意欲的になりやすい(自らの道具を使っているため)。
・デジタルに落とした資料の発表を(従来の機器を使ったプレゼンに比して)小規模集団で行いやすくなるため、意見者を移動させることで様々な意見を聴くことができる。
・小規模集団では率直な意見がいいやすい雰囲気になる。
・発表者も素直に意見を聴ける雰囲気が醸し出される。

などの効果があるなあ、と、実際に授業を見て感じました。

プレゼンスキルを向上させるには、誰かに、自分の弱いところを指摘してもらって、それに耳を傾け、「直す」という行動に出ることが必要です。
タブレットを使ったプレゼンにより、発表者・聴衆の態度変容が起き、良効果を生みだす部分、大きいと思います。


以上3点挙げましたが、何よりも全体を通じて

生徒が主体的に「学び」に取り組んでいる。
なぜならば、楽しいから!


ということが、とっても、とっても、素晴らしいことではないか、と感じました。


ほんとうに学力向上につながるのか?
大学受験に役に立つのか?
授業の内容そのものが薄くならないか?
…など、様々な“?”を思われる方もいらっしゃるでしょう。

確かに、効果の検証は難しい部分があるでしょう。
確かに、大学受験対策に直結しないでしょう。
確かに、授業の内容が薄くなる部分もあるでしょう。

でも、主体的な「学び」を引き出せるのなら、そっちの方がずっとずっと、価値が高いと思いませんか?

続編あり!~
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2013.06.20 23:20

タブレットを用いた授業を取り入れている、千葉県立袖ヶ浦高等学校の授業見学記。
そこにいたのは、主体的に学習する生徒たち―


千葉県立袖ヶ浦高等学校。「情報コミュニケーション科」が、タブレットを用いた授業で全国的に有名な学校です。2012年度の日本e-Learning大賞を受賞されていますね。

様々な試みを実行に移す原動力となっているのは、永野直先生(←KDDI野本竜哉さまの共有Evernoteへのリンクです)。講演を拝聴し、「一度授業を拝見したい!!!」と強烈に思い、お願いしたらありがたいことにご快諾を頂き、Z会のメンバー計4名で4時限分、見学させていただきました。
※Z会も、デジタルZで、タブレット学習を提供しています。

授業の様子がわかる写真がこちらです。
袖ヶ浦高校
真剣さが伝わってきませんか?
補足)写真の撮影および公開は許可を得た上で行っています。


袖ヶ浦高校のタブレット授業導入、内容の素晴らしい点は後述しますが、それより前に、導入の仕方として感心するのは、「制約条件を最大限に活かす」ことができている点です。
たとえば、一番の制約条件となる、お金の問題。
学校の予算で購入することは公立学校では厳しいので、各自で購入させることで逆にBYOD(Bring your own device)の考え方を浸透させています。
この結果、自分の学習結果などを「自分のこととして」3年間分ため、学習の振り返りにも使える上、(将来的には)思い出にもなることが期待できますよね。
他、フリーソフトを最大限に活用したり、と、制約を言い訳にしていないところが、ビジネスマンにも学ぶべきところ、たくさんあります。


全体の仕組みを作った永野先生とタッグを組み、生徒の力を伸ばすのは、実際に授業する先生方。
彼らもまた、情報コミュニケーション科が育もうとしている、「情報活用能力」「コミュニケーション能力」「論理的思考力」「情報モラル・セキュリティ対応力」の4つの力をつけるため、一生懸命授業に取り組んでいます。

そんな授業を見学し、「タブレット授業のここがすごい!」と感じたところを3点挙げてみます。


1.学習環境におけるフローとストックの情報を最大限に活用


こちらの写真は「国語」の授業。
袖ヶ浦高校
教科書に出てくる文章の考察で、日本人と外国人の「水の流れ」に対する美意識の違いをイメージするために、ネットから画像を集め、電子黒板に投影している様子です。

生徒が探し出してきて、タブレット上の共有ファイルに投稿した画像が次々に電子黒板に表示されます。それらを見ながら別の生徒が別の写真を投稿する、これは学習環境の同時性を利用した、見事なフロー情報の活用です。
そして、ある一定の数が集まったとき、水の流れの特徴別に分けて保存、この段階でストック情報として使えます。

これまではせいぜい、教科書や資料集の固定的かつ用意された写真でしかイメージできなかった言語表現を、より多様性を持った形で、かつ、「自ら主体的に調べた」という行動を伴った形で捉える事ができるため、より記憶に残りますよね。
かつ、これらの操作を短時間にできるのも、デジタル機器活用の利点と思われます。


後編に続きます~
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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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