今年に入り拍車がかかっていると感じている教育改革の中に身を投じていると、流れを作っている皆さんの想いが
「学習者中心」
という言葉に集約されていると強く感じます。
理念、ビジョン、等の言葉に置き換えるなら、「学習者中心主義の社会の構築」ということであり、これは私も強く共感するところです。
一方、「学習者中心」という言葉には危険もはらみます。
なぜなら、「“お前のために言っているんだ”という指導」も、その言葉を吐く当人の価値観からすれば「学習者中心」だからです。
いまの教育改革、そして「学習者中心」の動きを継続するために、大事にしなければいけないのは、この動きをつくる際の(若者と)子どもに対する「信頼と承認」の姿勢だと思います。
「ビジョン」に対比した言葉にするなら、「バリュー」ともいえるかもしれません。
「(若者と)子どもへの信頼と承認の姿勢の下で、学習者を中心にすえて「教育」を形造る。」
いま求められているのはこんな教育に溢れた社会ではないでしょうか。
「信頼と承認」と姿勢論ではわかっていても、この姿勢を技術として発揮するのは相当難しいです。
大人同士の仕事関係や人間関係を考えてみてください。
信頼していることで放任になってしまってはいけません。
承認しているからといってその人の行使する方法が自分への攻撃となるならば自らとの関わり合いにおいて承認できない方法もあります。
また、感情的になり、信頼と承認とは逆の発露を他に対してする場合もあります。
ただ、「信頼と承認」という姿勢が、「学習者中心主義の社会の構築」を目指すならとても大切になるとは思いますし、常にそのことを意識して大人同士の人間関係の中でも立ち居振舞うことで、少しずつ(若者と)子どもへの信頼と承認の技術も身につくと思います。
2018.09.30 18:08
- カテゴリ :教育のこと