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2015.12.23 00:38

大学新入試の問題例が公表されました。

大学新入試の問題例公表=記述式、思考過程など判定-日程分離も検討・文科省
↑時事通信社のサイトへリンクします。

メディアが賑わうと思いますので、必ずこういうときは一次情報を確認してください。
高大接続システム改革会議(第9回) 配付資料


2014年5月4日に、こんなパブリックコメントを寄せていたんですね(私個人で)。
そのときからいろんな流れを見てきていますので、今後どうなるか、注目していたいと思います。

・・・

中央教育審議会高大接続特別部会審議経過報告における達成度テスト(発展レベル)のパブリックコメント

同資料2(1)「高等学校がら大学までを通じて育成すべき力」の中に「主体的」という言葉が何度も繰り返されていることからも、大学入試改革、なかでも達成度テスト(発展レベル)においては、「主体的に学び考える力」の能力を測ることに強く重点をおかれていらっしゃると伝わってきますし、その考え方については大いに賛同いたします。

そこでポイントになるのは、その測り方について、でしょうし、「主体性」という大きな枠組みの中で、生徒会活動やボランティア活動などの評価といった議論が出てくるわけですよね。こと、達成度テスト(発展レベル)においては、まず、論述型問題の割合を格段に増やす。これだけで「主体的に学び考える力」を測るテストは、たとえ5教科型であっても作れるのではないでしょうか。フランスなどでは徹底した記述式の問題で選抜をする構えを取っているようですし、一定の主題に関してとことん思考力を試す論述試験は、主体的に学ぶ力がないとまず高得点は望めません。合教科・科目型、あるいは総合型、という、教科の枠組みを超えた試験の議論をする前に、なぜ論述問題導入への議論が盛り上がらないのか、疑問に思っています(解決策の1つとしては扱われてはいるものの)。

今回の入試改革一連の話題の中で、「知識偏重の1点刻みの選抜から脱却」という内容が盛んに言われています。ではなぜ、そのような現状を生んだかと考えますと、私見では、過剰に「客観的」であることを意識する出題者側と、それに輪をかけて、情報公開の流れから、入試得点の開示が始まった悪影響だと捉えています。100%正解が導ける知識問以外の出題でも、出題者側が自らの主観による採点で「公平」である、と断ずる覚悟(とでも申しますか)を持たない限り、どんな方法論を模索しようと「知識偏重の1点刻みの選抜から脱却」することはないと考えます。逆に、この覚悟を持ち、かつ、ある一定の枠内に収まるような粗い採点基準を作成する努力とあわせれば、公平かつ客観的な試験が可能になると思います。ここ10年の、各大学の個別試験の傾向を拝見しましても、論述問題を避けようとする傾向は明らかに表れています。しかし、そこに歯止めをかけ、「思考力を試す論述問題」の出題に(入試全体が)踏み込むことで、「知識偏重の1点刻みの選抜から脱却」すると同時に、主体的に学び考える力を測ることができるものと考えます。

さらに、「主体的に学び考える力」を奨励する方向性の中では、学ぶ「過程」が重視されます。従いまして、その時点での学力を試す試験だけではなく、学びの過程が読み取れる出題も検討していただきたく存じます。たとえば、企業のエントリーシートでは、「これまでに経験した一番の困難と、それを克服した流れについて教えてください」という設問がみられますが、このような自由記述で、主体的にコミットメントしてきたかどうか、が測れる部分もあるかと思います。あるいは、とある学校や団体のトラブルのケースを挙げ、「この学校はどのように問題解決を図るべきか」という出題とともに、「今のあなたにできる課題解決は何か」と、自分事と所属するものとの解決法を分けると、当事者意識が如実に見られますので、主体性を図る上ではそういう出題も有効かと思います。

まとめますと
1.主体的に学び考える力を測る試験の方向性に大いに賛成。
2.その試験として「論述問題」を中心とする方向に変える。
3.2は、「知識偏重の1点刻みの選抜から脱却」することにもつながる。
4.2として、主体的に学んだ「過程」がわかる試験を開発していただきたい
ということになります。主体的な学び、に長年拘っていらっしゃった、安西中教審会長の強いリーダーシップのもと、改革が断行されることを願っています。

※以上、「中央教育審議会高大接続特別部会審議経過報告」へのパブリック・コメントとして提出したものです。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=185000690
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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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