Z会ブログトップへ

2010.12.29 12:27

タイトル、正確な言葉としては「和顔愛語 先意承問」です。念のため(笑)


ブログのタイトルにも使っている「和顔愛語 先意承問」という言葉は、僕が最も大切にしている言葉です。そして年末に、(ほぼ)必ず記事にしたためることにしています。
初出は多分これです。
http://d.hatena.ne.jp/zkai/20061227/1167278444

上記ブログ中にも触れていますが、改めて意味を。

出典は仏教経典の「大無量寿経」。文字通り訳せば、「にこやかな顔、優しい言葉で、相手の気持ちを察し、先んじてその人の期待に応えましょう」というもの。人間は一人だけで生きているわけではなく、多くの人たちのお世話になって生きているわけで、そう考えると、どんな人に対しても笑顔で接したくなるでしょう、という、人間としての悟りの境地を簡単に述べた言葉です。

当時ダイキン工業の副会長だった井上義國氏により、日本経済新聞夕刊の「あすへの話題」のコーナーで紹介されていました。
ちなみに当時、ダイキン工業の企業規模は今ほど大きくなかったのですが、その後「エアコンのダイキン」となり、社員を大切にしつつチャレンジ精神溢れる企業として日経ビジネスにも取り上げられるほど大企業になりました。井上氏の精神が活きていたのかもしれません。


今年、この言葉を思い返すにあたり、一人の人、および私事で恐縮ですが、一つの出来事を紹介したいと思います。


まずは出来事から。
昨日(28日)、弊社のメールサーバーがダウンして(泣)、システム課はおおわらわでした。
午前からダウンし、完全復旧したのは20時。
そのお知らせがイントラネットにあがったとき、僕はシステム的な「問い合わせ」の際に使うことになっている「ヘルプデスク」から、こんなメッセージを投げました。

「年末にメール担当者の方は大変だったと思います、おつかれさまでした!
問い合わせではありませんが、大変だったことが容易に想像つきますので(苦笑)
こういう連絡にこのメールは使っちゃいけないのかもしれませんが、年末なので一言「おつかれっ」と言いたくて書きました!
※返信結構です。」


僕なりの「先意承問」です。するとシステム課の担当者からこう返ってきました。

「こんな涙を誘うメールには思わず返信してしまいますのでご容赦ください。
たびたびの遅延騒ぎで本当に申し訳ない限りです。
機器もソフトももうヨレヨレで、なんとか新環境構築までがんばってくれと思っているのですが、そういう時を狙って神は試練を与えるのですね。
暖かいお言葉ありがとうございました。」


ちょっとした「先意承問」で、お互いの関係がよくなる。そのことは仕事の生産性に直結しますよね。
僕のようにwebに携わることが多い人間であればなおさら、システム課の方の労働効率が(結果として)向上することは、自らの仕事の生産性をあげることにつながります。システム担当あってのweb担ですから。


しかし、こんな自分の行為など些細なこと。


紹介したい方。絵本作家で、グリーフケアにも力を入れられている入江杏さん。
最近新たにメディアにもいろいろ記事が掲載されていた世田谷一家殺害事件、被害者のお姉さまにあたり、本ブログでも何度か取り上げている方です。

なんで今回取り上げたいと思ったか。それは、自らが被害者遺族であり、辛い立場に立たされながら…いや、辛い立場に立たされた「からこそ」が彼女の想いでしょうが…「先意承問」が最も必要とされる、「グリーフケア」に携わっているからです。

グリーフケアとは、両親や恋人、愛する伴侶といった身近な人の死から立ち直ることができなくなった人をケアしようという活動のこと(Yahoo辞書より)。
犯罪の被害者の遺族になった、その気持ち…



ちょっと思いに耽ってみてください。



その立場に立たされ、かつ、だからこそ「グリーフケア」には自ら取り組まなければいけないんだ、と想った勇気、覚悟、真摯で誠実さ、そして行動。
「先意承問」の気持ちがなければ決してできないことです。

入江さんには何度かお会いしたことがあるのですが、悲壮感は微塵も感じられません。
事件の風化を阻止するために、先日(10日)マイクを取った息子さん(日経新聞夕刊12月27日の記事より)も、笑顔が素敵な方です。

生きていることの素晴らしさを全身で表現されている、ほんとうに素晴らしいお二人なんです。



以上、2つのことを書かせていただきました。
そしてタイトルには「先意承問」を先にもってきました。

僕が「にこっ」となれるのは、先方の意図を(先んじて)承り問いただした行為が相手にも喜ばれたときに出る笑顔だからです。
そしてそのときに発する言葉が「柔らかい言葉」だからです。

表面的な笑顔、ではなくて。おべんちゃらでもなくて。


今年1年、「ソーシャルメディアのうまく活用している人」として、ありがたいことにメディアにかなり取り上げられましたし、メールや電話でのお問い合わせ・取材もいろいろ受けました。
でも、僕は、「特別な上手いやり方」なんて知りません。ほんとうに。

「先意承問 和顔愛語」を貫いているだけです。

これからソーシャルの時代になる、といわれています。
であればこの言葉、多くの人にかみ締めていただきたいと思っています。
ソーシャルブックマーク:

プロフィール

プロフィール画像
寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
※スパムのためコメント欄は閉じました(すいません)。

カレンダー

<<   2017年05月   >>
  01 02 03 04 05 06
07 08 09 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

月別アーカイブ