本日(3月10日)は2011年東大入試(前期)合格発表日。京大も今日ですね。
Z会でも
合格おめでとうの輪企画を通じ、お祝いの気持ちをお届けしています。
ブログで記事を届けてくれる仲間たちも。
本日、2011東大・一橋大合格発表!(ただいま添削中。)京大合格発表~(英語好きスイッチ)合格報告(東マス便り)このブログのページビューも毎年急激に上がるので(笑)、いいキッカケと思い
「本当に子どもの学力を伸ばしたいと思うなら」のアドバイスを書きたいと思います。
タイトルで何のことかバレているかと思いますが(苦笑)、国公立大学前期入試(2月25、26日)以降、京大入試カンニング事件のニュースがマスコミを騒がせました。
毎日RTでは5日連続トップ記事。
毎日RTは読者の興味関心連動型新聞ですので、世間がとても興味をもったニュースだったといえます。
ニュース速報まで出る騒ぎに「マスメディアもそこまで過剰報道するな」「世間を煽って…」的なコメントもネット上に残されていましたが、メディアは世間の興味関心を届けるのが仕事の一つ。かつ、TVの場合、100%と全体のパイが決まっている視聴率を競争し、視聴率でCMの価格が決まるビジネス構造になっている以上、より世間の興味関心にあわせざるを得ないのは否めません。
もちろん、マスメディアとしての矜持も持ち合わせて欲しいですが、そうとばかりもいえないほど世論が見つめてしまったニュース、ということは、単なる批判屋にならないために、我々が理解しておかなければいけません。
閑話休題。カンニングしようとしたということ、ネットというツールを使ったということ、それぞれも話題のタネですが、僕が「世の中はどう見るかな」と思って動向を注目していたものの1つに
「丸投げ質問をどう見るか」があります。
ものすごく久々に、Yahoo!知恵袋の「数学」のコーナーを見たのですが…
情けないくらい、丸投げ質問ばかり。http://list.chiebukuro.yahoo.co.jp/dir/list/d2078297847/solved本当にこのあり方がいいと思いますか?皆さん。
「○○の場所は品川のどの辺ですか?道に迷っていて…」「あ、△△のあたりですよ」的な質問まで否定するわけではありません。もちろん(常識的に考えれば分かることだと思いますが、このような例を出されて論点をずらされることもありますので、念のため)。
また、すごーく悩んでいた問題を丸投げで質問、回答を得ることで、短期的なモチベーションを高められることがあることも否定するつもりはありません。
要は
・インターネットのQ&Aサイトに
・未成年が
・(数学・英語を中心にした)「課題」と推測される問題を投稿し、回答を寄せられることを期待すること
について(メリット・デメリットを考慮し)「別にいいじゃん」と思っていますか?ということです。
私は断固禁止という姿勢です。未成年に対し、教育の立場の人間が与える課題は、答を得ることが狙いではなく、答を求めるまでに試行錯誤し、様々な思考力を高めることが大きな目的であることの方が圧倒的に多いです。
答ではなく、答を得るまでのプロセスが大切。あえて「こんなこと常識でしょ」と断言します。
めまぐるしく変化するこれからの次代を、逞しく幸せに生きるためには、思考力の涵養が間違いなく大切です。
そして、そう思うのであれば、子どもたちに「丸投げ質問は断固禁止」という強い姿勢を見せるべきです。先日、電通総研が、教育熱心パパ・ママの意識調査を発表しました。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=275898&lindID=5調査結果はこちらです。
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0275898_01.pdf
様々な力の中で「思考力」を重視する人が最も多いこと、そして教育熱心な方ほどその傾向が高いこと、ハッキリ数字にも出ています。
この結果を元にして申し上げます。
「丸投げ質問は断固禁止」2005年、ケータイで質疑応答ができるQ&Aサイト「めるみぃ」を開発、運営に携わっていました。
http://www.yumemi.co.jp/news/20050201a.htmlあるとき、まさに「丸投げ質問」が届きました。
Z会の利用者は(若くても)毅然とした姿勢を見せる方が少なくないですので、「こんな質問しちゃいけないよ」「ラクしようとだけ思うんじゃない!」という回答が寄せられました。
そして挙句の果て、質問者は「学校の宿題でどうしてもできない」と断り書きを入れていましたが、それは嘘で、とある教育企業が主催する全国模試の問題であることが数時間後に発覚しました(ユーザーから指摘があったのです)。
#ちなみにそのとき僕は、質問はオープンにし、「管理者から回答」として「このような質問は禁止しています」と断りを申し上げました。
全国模試といっても地域の都合で、日程が前後する場合があります。
また、教育企業主催の全国模試の結果を評定平均に組み込む学校もあります。
つまり、Q&Aサイトの丸投げ質問に回答がつくことで、学校の成績を上げ、推薦入試などに有利に働かせることが可能なのです(理屈上は)。
これらの事実を元にして申し上げます。
「丸投げ質問は断固禁止」もう1つ。
著名なQ&Aサイトに、「教えて!goo」があります。
http://oshiete.goo.ne.jp/システムとQ&Aのコンテンツは株式会社オウケイウェイヴ社提供のOKWave
http://okwave.jp/と同じものです。
オウケイウェイヴの兼元社長とは、少人数のお酒の席で熱く語りあったことがあり、彼は強く、本当に強く、
「丸投げ質問は断固禁止。質問事項の解決によりその人の成長や前進に寄与しなければいけないと思っている。丸投げ質問で回答を得ることは本人のためにならない」
と話していました。
京大カンニング事件が発生し、是非、
OKWaveの禁止事項を知っていただき、Yahoo!知恵袋との姿勢の違いを宣伝したい!と思い、
OKWaveの禁止事項ガイドラインを拝見したところ…
この規定が変更されていました。。。
http://faq.okwave.jp/EokpControl?&site=guidePC&tid=950130&event=FE0006オウケイウェイヴは上場企業ですので、この姿勢をとることでYahoo!知恵袋との比較劣位になってしまっている、と株主からの強い指摘と批判があったのかもしれません。
ユーザーが「いかにも正論」を振りかざして繰り返し主張したのかもしれません。
なんにしても推測に過ぎませんが、兼元社長の教育的配慮に基づく強い信念が、サービスとして発揮できなくなったのは確かです。
この事実を元にして申し上げます。
「丸投げ質問は断固禁止」未成年への教育的配慮は、理屈抜きに、大人が断固たる姿勢を見せることも大切です。
上記記事に共感していただけるのでしたら…
子どもにはほんとうの思考力を身につけたいと思っているのでしたら…
「丸投げ質問は断固禁止」という姿勢を子どもたちに見せることに協力していただけませんか?