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2012.03.28 01:40

文科省、高等学校教育部会第6回において

「コミュニケーション能力や規範意識、社会参画等の態度の育成について」

が取り上げられ、議論されました。


高等学校教育部会では

1.個々の生徒の学習進度・理解等に応じた学びのシステムの構築
2.社会の要請に応える人材養成機関としての機能の充実
3.個々の人格形成の場としての機能の再構築
4.科学・技術の進展や産業界との連携等による教育方法等の刷新

をテーマとして掲げており、今回は上記3に基づく議論になります。


資料であるコミュニケーション能力、規範意識、社会参画の態度等の育成について(PDF)に様々なデータがありますので、こちらから抜粋しながら、個人的な推察、意見などを述べてみたいと思います。


◆企業が求める力について

コミュニケーション能力が8年連続の1位、以下、主体性、協調性、チャレンジ精神、誠実性、責任感、論理性、と続きます。
コミュニケーション能力をどう向上するか、ということ、ビジネスマンになってから割と頻繁に考えてきましたが(個人の成長の視点でも、他人を成長させる視点でも)、結局のところ、「想像力」と「発信力」に行きつくと思います。相手の立場を慮り、問いかける…大好きな言葉「和顔愛語 先意承問」の「先意承問」の部分に集約されています。
また、「想像力」と「発信力」は、「真摯・誠実な“気持ち”」だけではダメ。必ず、相手の期待に実際に応える「知力を伴った行動力」が必要になります。

また、この8年で、「主体性」を求める企業の割合が増えてきているのも注目です(46%→62%と徐々に上昇)。会社の中で、形式的な作法を身につけるだけではダメ(そういう人が増えてきているから、主体性が求められてきている、と読み解きましょう)、会社、そして社会にとって何が問題か、どうやれば解決できるか、を、自ら考え、行動する力が求められてきているんですね。

いずれも、Z会の通信教育を通じて涵養される力ですね(笑)。高校3年間、ずっとやり続けるで、想像力、発信力、主体性、かなり身につきますから(教材の質+通信教育のシステム、がこれを可能にします)。


◆規範意識について

「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」について、「そう思わない」と答える人が7割近くの日本に対し、韓国は30%、アメリカは16%、イギリス・フランスは10%を切っている、と、日本の突出ぶりが目に付きます。

好意的にみれば、譲り合いの精神が出ている、と見ることもできますが、「困っている人を見たら、頼まれなくても助けてあげるべきだ」と答える傾向は、アメリカやイギリスに比べて低めです。
日本人の心の美しさは受けつがれつつも、横並びを「心地よい」と感じる人が多い裏返しのような気がしてなりませんし、誤解を恐れずに言えば、堂々と「自由」を選択し、選択した責任を自分で受け止め、他人の目を過剰に意識せず行動する力の育成が、今後のグローバル社会ではより必要になるのでは?と感じます。


◆家族以外の異なる世代の人々との交流について

「ほとんどない」「まったくない」と答えた中高生が約半数。
現実的な数値を知った上で…社会の中で「コミュニケーション能力」の向上を求めるのであれば、異世代の人と交流ができる「機会」を、学校教育の中で、あるいは家族からの配慮で、もっと意図的に創っていく方がよいのでは、と思います。
地域コミュニティが数十年程度前より機能しなくなった以上は。。。


◆社会参画の現状の態度について

「私個人の力では、政府の決定に影響を与えられない」と思う割合が、日本の中学生では70%強、高校生では80%もいるのに対し、韓国ではそれぞれ半数程度、中国と米国に至っては半数を切っています。
また、「社会のことはとても複雑で、私が関与したくない」と思う割合も、日本の中高生は約半数に対し、韓国は40%程度、中国・米国は20~30%程度。。。

国際的にみると、日本の中高生の方が、社会参画に対する主体性がない、と言わざるを得ません。
…といって、中高生は“そのように育てられた”だけですので、そうなってしまう責任は、大人にありますよね。

まずは、身近な大人…つまり、保護者が、政治、社会に積極的に関与する姿勢を見せるのが第一歩。
加えて、関与した結果、何か政府が動いた、と、中高生をして思わせる結果~成功体験~を生むのも大切です。
後者について保証はできませんが…少なくとも僕自身は、自分の娘の前では、前者の姿勢を保っていこうと思いました。

18歳から24歳までの政治に対する関心そのものは、韓国やアメリカとほとんど変わらないことがデータで示されています。
加えて、平成10年時点より、若者の政治に対する関心度は高まってきています。20歳代の投票率なんて、40%弱→50%近くに急上昇してますよね(資料15、16ページより)。
「若者よ、投票に行こう!」という声に応えてくれつつある若者たちに対し、問題点を変えていけるんだと感じさせる、実際に問題点を変える、などのことは、すべて先輩たちに課せられた重大な責務ではないでしょうか。


他、資料の最後では、コミュニケーション能力、規範意識、社会参画の態度を育むための提言がされておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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