昨年爆発的に流行し、いまだ勢いの衰えないツイッター。
「ツイッターをうまくビジネスに使えないか?」
「カトキチ(現テーブルマーク)はうまく使っているらしいぞ」
「うちの会社でもうまく使えるのでは、タダだろ、タダ!」
…そんな声もいたるところで聞こえてきたかと思います。
でも実際、ツイッターをビジネスにうまく使っている企業は希。
「どういうときに便利なの?」ということをつかめていらっしゃる方(企業)が、残念ながら少ないと思いますから。
(その前に「人に聞くよりまず自分で始めて確かめろ!」といいたくなる、ツイッター活用検討中の企業の社員さん、多すぎます、いかんですよ!)
活用方法は人それぞれ。ツイッターは便利な道具であるだけで、メリットを享受できるかどうかは個々の生活環境、目指す方向性、使い方…によって変わってくることは言うまでもありません。
お勉強的には、「誰でもうまくいく学習法」なんてあるわけがないのと同じですね(笑)
ただ、やはり「例」として、こんな使い方がある、ということは知りたいものです。
今回、ツイッターを活用する一人の企業人として、うまくいった例が出来ましたので、一つご紹介したいと思います。
夏頃、UCCグループ所属の 坂本晃一
@sak_Now さんより一本の連絡が、ツイッターを使って届きました。
「寺西さん、近日中に面白い企画を提案していいですか?」
もちろん「いいですいいです」と二つ返事。
そこから提案を受け、社内の然るべき部署に転送。すると「いいね!」と感じたようで打合せ、そして実行へ。。。
形になったのがこちらです。
「祝勝珈琲」弊社としては、受験生を応援する企画として大変良質、かつ、弊社の費用的負担が少ない形でPRができる企画となった、と非常に好評です。UCCさんのWebページにZ会という固有名詞が踊ることで、弊社の認知メディアが無料で出来たのももちろん成果。
方やUCCさんも、「大学受験に強い」という弊社のブランドを借り、「祝勝珈琲」の売上げが増えれば増えるほど、当然メリットがある活動になります。
まさにWin-Winの企画、と思えるものです、個人的にも。
…で、どこがツイッターのキモなの?単にツイッターでダイレクトメッセージがあっただけじゃない??
なんて疑問がすぐとんできそうですが、
「ダイレクトメッセージをこちら側に投げる気にさせたこと」ここがとても、とても大きいと受け止めるべきです。
もちろん、E-mailなどで、営業メールを打つ人、受ける人、数多いらっしゃいます。
「同じじゃん」と思われるでしょうが、感情の動きが全然違います。
(これが「ツイッターを体験してから物言えよ」と思う大きな理由の1つになります)
ツイッターが作ったキッカケ、育んだご縁、順を追って説明します。
◆ツイッターが作った「キッカケ」
ツイッターで坂本さんのツイートを見ていて、結構おもろいな、参考になるな、フォローしようっと、ということが最初のキッカケでした。
#僕のツイッターは
@teranishi です。
へっ、これだけ?と思われるかもしれませんが、「ツイッター」という道具が醸し出す利点があります。
・ちょっとしたことでも気軽に書ける心理を生み出すので、企業のWebサイト、企業の方から頂戴するメールのような「堅苦しさ」がない発言を企業(人)が行える。このことにより、その企業(人)がどんな方であるか、というイメージをぼんやりとつかむことができる。
・興味を持った企業(人)を気軽にフォローできる。この行為は「気軽にストーカーする」というイメージ(笑)。
人間関係でも、ビジネスでも、信頼できる相手方とやりたいー当然ですよね。
しかし「堅苦しい文章」からは信頼性をつかむことはなかなかできません。
ツイッターを使えば、「あ、この企業(人)、信頼できそうだな(でもまだわからないな)」という段階からリーチでき、少しずつ相手をつかむことが可能になるんです。
余談ですが、坂本さんとのお付き合いの場合は、その前段がありました。
「Twitterを理解していなかった」――UCC、キャンペーン“炎上”を説明 勉強会で経験共有へこの講演者が
@sak_Nowさんで、僕は聴衆。リアルの出会いが先でした。
ツイッターで「オフ会」で更に信頼関係を生みだすように、リアルで関係性を持つことが信頼性にレバレッジを効かせることは言うまでもありません。
#今回は「オフ会」の逆、リアル→Webという例ですね。そして“本当の最初のキッカケ”もまた「ツイッター事件」というのが面白い。
◆ツイッターが育んだ「気づきアンテナ」
坂本さんも僕のツイートに注目してフォローしてくださいました。すると、お互いのタイムラン(フォローしている方の発言が一斉に時系列で流れる場所)に、それぞれの発言が、発言のたびに流れます。
相手の発言を「ストーカー」しているわけですから(笑)、当然相手のことを少しずつよく理解できていくわけで。
「でも、多くの人をフォロー(ストーカー)すると、全ての発言を見れなくなるのでは?」という疑問も出てくるかと思います。
僕も、700名程度フォローしていますから、とても全部は追いきれません。
でも、(本当の意味での!?)ストーカーだって、家の中まで追いきれませんよね。いいんです、発言の一部が垣間見えるだけで。タイムランを見たときに、その人の発言があれば、それがご縁。
見れない発言がいっぱいあっても気にしない、気にしない。
「ご縁」が少しずつたまっていくことで、相手のことは徐々にわかっていきますから。
逆に、貴方が情報を発信する立場(ストーカーされている立場)で、自分のことをPRする場合には、すべての発言を伝えよう!なんて思わない、思わない。
思ったことをちょろっと書けて、それを多くの人(フォロワー)に見てもらえる、なんて環境、素敵じゃないですか?それで企業(人)の良いイメージが積み重なることで、間違いなく相手の脳裏に「何かあったとき」に気づいてもらえる存在になりますから。
これだけ情報が溢れた次代、しゃかりきに宣伝しても、興味のないものにはアンテナが立ちません。
誰かから「あのCM面白いよね~」といわれても、「えっ、そんなCM、あったっけ?」という経験、みなさんにもないですか?
…大切なのは、その
企業・人がやっていることに気づいてもらえるアンテナを多くの人に立てておく下準備なんです。
僕はこれをツイッターでやっています。
今回の企画リリース後、坂本さんより届いたお礼メールが下記です。
====================
思い起こせば、サッカー観戦している時、「勝ってお祝いするコーヒー※」って出来ないかなーと想いを巡らせたのがキッカケです。
普通ならスルーするのですが、ナゼか?その時寺西さんのお顔が浮び、その場でtwitterからツイートしたのが始まりです。
twitterのご縁でお会いし、ソーシャルで企画が進んだというのも何か不思議なものを感じます。
====================
いかに「相手の脳裏に思い浮かべてもらう」ことが大切か、お分かりいただけるのではないでしょうか。
いかに「相手の脳裏に思い浮かべてもらう」ことがないことで、アイディアが埋もれていくかもわかるのではないでしょうか。
◆「気づきアンテナ」→「更なるキッカケ」もツイッター
坂本さんに「おっ、Z会と何かやれそうだ」と気づいてもらいました。
その瞬間、気軽に、すぐに、連絡をとれるのがツイッターの温度感。
E-mailのビジネスメールでは考えられないことです。
#ビジネスメールを否定するわけではありません、念のため。
アイディアが思いついた、よし明日あそこにメールしよう…とした、けれど次の日忘れちゃう、めんどくさくなる、ってこと、良くありませんか?
(僕はめちゃめちゃあります。。。)
今回、ツイッターがなければ、坂本さんもきっと「思いつき」の温度感が次の日薄れ、連絡をとってくれなかったと思います。
ご紹介は以上で終わりです。
この例をキッカケに、しつこいようですが「まずやってみましょう。」
すると、想像できなかった世界が、あなたの目の前に広がると思いますから。