福島県郡山市立赤木小学校の坂内先生のブログをそっくりそのまま転載します。(コピーフリーとのことでしたので)
放射線、および放射性物質について、様々な疑問や不安があるかと思います。
かといって、専門的な知識だけではちんぷんかんぷん…
TVで出ている人も、「安全だ」という人がいれば「そうじゃない」という人がいる…
「出来る限り調べて」といっても、何をどうしていいかわからないところかと思います。
下記文章は
・福島原発のすぐ近く、郡山市在住で
・小学校の先生(元々の専門は理科)が
・保護者向けに説明することを目的にして
書いた内容ですので、大変わかりやすくなっています。
あとは、下記文章を(皆さんが)「信用するか、そうでないか」かと思いますが、坂内先生は「学び合い」という新しい学習手法を熱心に追求している、様々な意味で大変優秀かつ信頼のおける先生であること、私が保証いたします。
最終的には皆さんご自身で判断されることですが、1つの材料として私が強烈に「信用した方がいい」とオススメする内容である、と加えさせていただき、提示いたします。
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放射線についていろいろお話しします
さて、いよいよ今日から学校が始まりました。保護者のみなさんには待ちわびた反面、
本当に通学させてもよいものか不安があると思います。その不安を解消するのは正確な知識と情報です。学校では放射能について保護者のみなさんに情報をお伝えすると共に、お子様の安全な生活を守っていきたいと思います。
○ 放射線と放射性物質は違います。
テレビでは上の2つが一緒に話されることがありますが、これは別の物です。放射線 とは簡単に言うと、「目に見えない光」です。光と違うのはエネルギーが高いので体を 貫通してしまうことです。貫通するくらいですから、体のDNAも傷つけてしまいます。 その傷は普通ならばすぐに治せるのですが、あまりに大量だったり、子どもは細胞分裂が盛んなので「ミス」(影響範囲の拡大)が起こり、それがガンになることがあります。
また放射性物質は、テレビでよく報道されるヨウ素131のように放射能を出す物質 です。目に見えないくらい小さな「粒」だと考えるとよいです。放射線は一度の光です から、レントゲンやCTなどを行っても体に残ることはありません。しかし、放射性物 質は、体に取り込まれると体にある限りはずっと放射線を出し続けます。ちなみにプルトニウムは「紙一枚で防げる」と言いますが、プルトニウムが体内に取り込まれると、プルトニウムが放射するα線(放射線の一種)が、体内の細胞を傷つけることになり、危険ですので、プルトニウムを体内に取り込まないよう注意してください。
○ 放射線はできるだけ浴びない方がよいです。
当たり前ですが放射線はできるだけ浴びない方がよいです。特に子どもならできるだ け浴びない方がよいに決まっています。今、国では基準を年間20mシーベルトに引き 上げるように考えているようですが、これまでも放射線を扱う大人の男性でも最大10 mシーベルトですから、子どもは年間累積で1mシーベルトに抑えるべきです。4月8 日現在で、赤木小学校の教室の中は最大0.2μシーベルトですから、ここに24時間、 365日いるとすれば、1.752mシーベルトです。放射線はどんどん弱まっていき ますから、今後何もなければ1mシーベルトを下回ります。ただ、外は今も2μシーベ ルトはありますので、長時間外にでることは避けなければなりません。
○ 大事なのはできるだけ体に入れないこと
最初に言ったように放射線と放射性物質は違います。外から浴びるのは体を突き抜け て行くだけです。しかし、体内に取り込まれると排出されるまでずっと放射線を直に浴 びることになります。放射性物質は今は地面に多く降り積もっています。ですから砂遊 びや校庭で運動をすると体に大量に取り込まれてしまう危険があります。学校では、放 射性物質の量が十分に減るまで、校庭での外遊びや体育はやらないことになりました。 保護者のみなさんも当面はお子様を外遊びさせないようにしてください。放射性物質は 次第に弱まったり、雨に流されたりしますのでどんどん減っていきます。しかし、今は まだ弱いとは言えないレベルです。
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○ 大事なのはできるだけ体に入れないこと その2
よくテレビで「除洗」という言葉を聞きました。放射性物質は洗うことで落とすこと もできます。ほこりのようなものだと考えてよいと思います。ですから外に出るときに はマスクをして、ほこりのはらえるような外着を着たり、帽子をかぶったりすることが 大事です。玄関先でよくはらうことで室内に取り込まないことも大事です。また地面に は大量の放射性物質がありますので、靴についた砂などは、よくはらっておくとよいと 思います。
○ 給食もちゃんと対応します
福島県産の農産物から放射能が計測されたとの報道で、食に対する不安が広がってい ます。特に給食はこれまで地元のものをできるだけ使うようにしていましたが、産地や 安全性を考慮した食材に切り替えるようになりました。ですから給食については心配は いりません。また、飲み水に対して不安がある方は水筒を持たせてください。
○ 正しい情報を
当初、NHKでも「100mシーベルトまでは、直ちに影響はない」という言い方か ら、最近では「一般の人は1mシーベルト未満にすることが大事」という言い方に変わ ってきています。子どもの安全を考えると、できるだけリスクは低く保つことが大事で す。ですが、過剰に反応しても不安感ばかりが積もるものです。学校でも様々な情報を できるだけ早く正確に判断し対応していきます。保護者のみなさまも正確な情報で対応 してみてください。なお、郡山市、福島県のホームページでも各種様々な調査結果をど んどん乗せていますので、チェックされてみてはいかがでしょうか?
福島県のHP http://www.pref.fukushima.jp/j/ (「福島県」で検索)
郡山市のHP http://www.city.koriyama.fukushima.jp/index.html (「郡山市」で検索)
2011.04.08 21:57
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