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2018.08.29 13:37

「社会に開かれた教育課程」など、「社会に開く」という表現が増えてきている気がします。
良い傾向だと思います。

「社会に開く」とはどういうことでしょうか。
個人的には、とくに日本社会においてのhowは「禁止の削減」ということではないかと思います。

そして、「禁止の削減」には、他人を管理し統制下に置く、という考え・価値観を個人から薄め、他人の自由を認めた上で折り合いを付けていく、という考え・価値観を濃くしていく、という、個々人の態度・姿勢の転換が求められます。
※最も大事にしなければいけない考え方が、やっぱり苫野一徳さんの仰る「自由の相互承認」だよなあ、というところに行き着くわけですが。

たとえば。
様々に「禁止」されている学校内での活動。
これを削減することで社会に近づけることはすぐイメージできるかと思います。

たとえば。
自分の言動を他人の解釈に基づいて発信することを許容する態度。
「そんなこと言ってない」「そんなこと聞いていない」(=これってつまりは、自分の解釈と違う他人の言動を「禁止」したいという思想)ではなく、「あ、そう解釈したんだ」「あ、そう伝えられていたんだ」と受け止めること。

たとえば。
「囲い込み」という思想からの脱却。
学校で囲い込もうとする。地域で囲い込もうとする。一企業で囲い込もうとする。そのために「禁止」を他人に強要する(あるいは必然的にそういう環境に個人が持ち込まれてしまう)。
率直かつ個人的な感想「なんてさもしいんだ…」。これで個人が生き生きと振舞える社会になりようがない。
それよりも、「囲い込まれたくなる場所をたくさんつくる」。選択肢は個人に委ね、選択される側は共創の姿勢の下で(ときには)競争していけばいい。
個人の自由を奪うことで所属させようとする考えはほんとにさもしい。開こうよ。

たとえば。
議論より対話。
他人を管理し統制下に置くという考えでは、議論で相手に勝つことを必要以上に大切と捉えがち。相手の考えの「禁止」につながりがち。
折り合いをつける、という考えでは、対話して落としどころを見つけるという姿勢になる。

社会に開くってそういうことじゃないですかね。

…と書きながら、これっていつも、よく私自身、言葉にしている「子どもの居場所をたくさんつくる」と一緒だと気づきました(笑)
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2018.08.10 08:20

「自立」とは、「社会」の中に依存先を増やすこと
https://www.mugendai-web.jp/archives/8758

人間性が極めて卓越していない限りにおいて、人は失敗を隠したいと思う気持ちがゼロにはなりません(僕だってそうです)。
それを組織において隠さないようにする(そのことによって失敗をゼロに近づける)には、「失敗を許容する文化」が肝だということは強く共感しますし、研究成果でも出ているのは心強いです。

これ、組織ではなく、「社会」でも同じじゃないですかね。
少なくとも自分は、自分が関係者ではない失敗の当事者に、離れた所から石を投げるような言動は止めておきたい。
「社会」において失敗を隠されることが頻発するのは困るので。

匿名性の強いネット上のSNSでは、離れた所から当事者に石を投げること(例:ツイッターで直接中傷することなど)が出来てしまう上、明らな失敗には、集団心理が働き誰しもが責める側の当事者になりやすいので、厳に気を付けなければいけないと思います。

以下、記事より抜粋します。

”高信頼性組織(High Reliability Organization)研究というものがあります。航空機産業、病院、原子力発電所など失敗が絶対に許されない組織で、いかにして失敗をゼロに近づけるかを研究するものです。
この研究の成果は、驚くべきことに、「失敗を許容する文化」が肝だということです。大きな逆説です。なぜかというと、失敗が罰せられる環境では、人々は失敗を隠すからです。しかし、失敗こそ組織にとっては学習の源。それを隠されては、組織は成長の機会を失います。もちろん、失敗が許容されるのだと開き直って、無責任にふるまうという意味ではありません。重要なのは、失敗を隠さず、失敗した当事者だけでなく、組織全体で、その失敗のメカニズムを研究することです。一人の責任にはしない。それこそが失敗を減らすことにつながります。こういう組織文化は、組織の学習の観点だけでなく、障がい者を包摂する組織の条件の観点でも非常に重要です。”
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2018.08.08 16:16

2020年度から大きく変わる大学入試センター試験。
教育関係者(とくに高校・大学関係)は「大学入試センターメールマガジン」は必読。まとめて情報が届きます。

本日「大学入試センター 新テスト実施企画部試験問題企画官(化学担当)」のリレートークが掲載されていました。
経産省「未来の教室」関連のPJでは、問題発見・解決力を育むために、社会や社会課題への「ワクワク」感を大事にしようとしていますが、下記調査官も全く同じですね。
省庁を超えて同じ方向を向いていることを強く感じます。

(以下、リレートークより抜粋)
学校での12月と言えば、センター試験対策と銘打った問題集を、時間の限りこなしていくというものが恒例でしたが、こうして日々試行調査(プレテスト)の問題を見ていると、例えば、実験レポートを一度も書いたことがない生徒が、実験器具の実物を一度も見たことも使ったこともない生徒が、果たして得点できるだろうかとよく頭をよぎります。

生徒が、新たに始まる共通テストで高得点をとるためには、生徒自ら、その科目を学ぶことが「楽しい」「好きである」と率直に言える状態であることが絶対に必要ではないかと思います。

「テストとは既にある能力を測るためのもので、テストが先で学習の改善を促すのは逆だ」というある大学教授の新聞記事を最近目にしたばかりですが、私が思い描く理想は、難解に見える課題に対して、学習した基本的な知識や技能が拠り所となって、次々と辿っていくと暗雲が無くなり視界がぱっと開くように、想定外に解けてしまう。うれしくて、ますます化学を勉強したくなる。そういう展開になる問題です。

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寺西隆行
ICT CONNECT 21 の寺西隆行です。小松高校→東大理一→工学部環境系→教育の道へ。教育とマーケティングをずっと見つめながら過ごすことが喜びです。
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