前編の続きです。
2.実際に何らかの作業をとことんする、という「汗」をかいています。こと、コミュニティサービスの提供者側としては、ユーザーとの「対話」をしています。一言で言うと、「つべこべいわずに(ユーザーに対して)やっている」ということです。今回のパルティオゼットのように、コミュニティサービスを成功させるには、仕組みをポン!と導入しただけではダメです。
ユーザーと対話する「コミットメント」を、やれ業務効率とか、やれ担当ではないとか、そういうことを抜きにして「やる」んです。
「普通の感情を持った人間」のうち、「お客様のために、なんとかならないの?」という発言をの類を安易にする人の多くは、この「コミットメント」に欠ける…経験則でそう感じています。
だから、発言が、どこか他人事。「なんとかならないの?」となる。
なんとなならないの?じゃなく、なんとかする、なんとかしたい。そして実際にやっている。
それが「お客さまのため」という当事者意識がある人間です。
3.汗だけではどうにもならないところを「知恵」を使って企画・アイディアを考えようとしています。#これは、
smashmediaの河野さんより一部考え方を頂戴しました。
「お客さまのために!」と言葉で吐くだけの人が全くできていないこと。
いや多分、これが大切だとも気づいていないこと。
それが「企画・アイディアを考え続ける」ということです。
それも、会議という機会を設けて「みんなで考えようぜ!」とするのではなく、普段の行動の中でアンテナを高くして「何かないかな~」と常に無意識に考える、そんな姿勢ですね。
企画・アイディア、というと、ほとんどの人が「自社の新しい創造のため」というところに視点があるような気がします。
でも本来的には、「お客さまのため」なんですよね。
それが巡り巡って自社のためになる。
1、2を踏まえて、3をやっているか、それが「お客さまのため」を本気で考えているかどうかの分かれ目になるような気がします。
1~3を踏まえたけれども、やはり状況は改善しない…
となれば、クロージングの決断をしなければいけません。
表面上は「お客さまのため」には見えませんが、本質は「お客さまのため」の行動なんです。
ただ、繰り返しますが…
A:「人としてどうよ」と思える人
B:「お客さまのために!」と安易に口に出す人
C:しっかり企業活動の中で、お客さまのために、を考えようとしている人
AとCの、お客さま向けにとる対応が、それだけみると「ユーザー不満足」を生む行為として同じである場合、Bの意見がもっともお客さまのことを考えているように受け取られる、これがやっかいなんです。
でも僕は、安易に「お客さまのために」なんて(このようなケースに陥ったときに)言いたくありません。
今回のパルティオゼットのクロージングについて、振り返って「僕自身ができたこと」の反省点として思うのは…
汗だけじゃどうにもならない、と思ったときに、知恵を出す方に周り、汗が疎かになったこと。
そして、その知恵が、「お客さまのため」と企業活動を両立させる壁を越えられなかったこと。
汗をかいている人間に「知恵も大切なんだよ」と伝えることができなかったこと。
(=三人寄れば文殊の知恵、状態を作れなかったこと)
クロージングするのがよい、という意見を出したのも、恐らく社内では僕が初めてです。
そして現時点では、最善の方法だとも思っていますので、クロージングそのものには、誰かに対して「ごめんなさい」という気持ちはありません。
ユーザー一人ひとりに対して「ごめんなさい」という感情はもちろんありますが。
人間なんですから。
ただ、それに流されてはいけないと思いますし、だからこそ
“安易に「お客さまのために!」と言うな!”
と思います。
余談ですが、今の仕事のミッションに優先順位をおきつつも、頭のどこか、ほとんど無意識の中に、「実際にクロージングがなされるまで“終わった”わけではない」という気持ちもほんの少しあるような気がします。
必要なのは、とても高度な「企画・アイディア」ということは間違いないのですが。