※27日のエントリーもさっきあげました。
「Webを借りて、企業を乗っ取れ!」よろしければこちらもどうぞ

NHK教育テレビに「高校講座」という番組がありますね。
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/その番組でこの4月、初めて義務教育の学習内容が放送されるそうです。
NHK高校講座、小学レベルから 学び直し、集中放送へ『分数ができない大学生』が発刊された頃から、センセーショナルに語られてきた、高校生や大学生の、とくに「数学」を中心にした教科能力の低下を、NHKという「公」の機関が意識し、認め、プログラムを作り、最後の
「行動に移した」というところで、社会全体はさらに、「学力」が身についていないことへの危機意識を持つべきではないか、と思います。
このテの試みが実施され、本当に小学レベルの算数が出来ていない高校生に対し、「このプログラムからやってみたほうがいいですよ」というアドバイスをするとき、高校生本人、あるいは、保護者の方から
「バカにするな!」的な反応が返ってくることがあります。
そんな反応が返ってこなくても、心の中でそう思う方も少なくないでしょう。
だから、アドバイスするほうも、なかなかハッキリとは伝えられない…というジレンマがあり、
・実際に小学生レベルの算数ができていない人が
・実際に小学生レベルからやり直す
という
「行動に移す」のはなかなか大変です。
NHKはしっかり
「行動に移した」のに、ターゲットの意識変化がなければ、行動に移ることなんてないですからね。
以前、Z会で数学の教材編集の傍ら、学習相談を担当していたときに、
・偏差値が学校で一番低いのですが、どうしても東大行きたい!今からでも間に合いますか?
・文系だけど医学部を狙いたくなった!1年でなんとかなりますか?
といった相談を受け、その方の数学レベルをみてみると、とても高校数学のレベルをクリアーしているレベルではない…
だから答えます。
「まずは中学の数学の教科書の問題を徹底的にやってください。それをクリアーしてから次のステップ進みましょう。」
…こう答えるとだいたいガックリして帰るんですけど、「他の人より出来ていないレベルから」「他の人よりできるようになりたい」のであれえば「他の人と同じレベルの問題からスタート」してもまず無理です。
自分の想いが「本気」なら、自分をしっかり認識し、見つめた上で、自分に合ったハードルをクリアーすることを第一にすべきなんですよね。
自分にとってショック、つまり、「自分ができない」ということを認知させられるような助言を他人から受けたとき
「バカにするな!」という想いを持つこと、多くの人にあるのではないでしょうか。
そんな想いを感じたとき、相手にその気持ちを表現し、ぶつけるだけでは、まずその人は成長しません。
むしろ、「自分ができない」ということを知らせてくれたんだ、と…
怒る気持ちを抑えながら(苦笑)、心のどこかで相手に対する感謝の気持ちを抱き、そして、
「バカにするな!」
の後に
「ちくしょう!やってやる!」という自分自身へ向けたベクトルを出し、そして
「行動に移す」ことが何よりも大切なんだと思います。
「絶対相手を見返してやる!」という想いを持っても、健全じゃないでしょうかね。
バカにされたくなかったら、バカにされない自分になればいいだけ。多くの人に持ち合わせて欲しいメンタリティです。
僕自身も大学時代、I先輩に「寺西バカだもんなあ」と言われ、言われ、いつかI先輩と同じ知識や思考を持ち合わせたいと思い…
これが成長の原動力でしたから。
もっともI先輩からすると、今でも「バカだもんなあ、寺西」と言うのかも知れませんけど(苦笑)