教育・受験に携わる社員として〜「和顔愛語 先意承問」

Z会Web戦略統括の寺西隆行です。タイトルは最も大事にしている言葉です(意味は左下「プロフィール」を参照)。
普段の仕事のことや教育に関すること、子ども達のこと、ネットのことなど、いろいろ思うままに書いていこうと思います。

     
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『なぜ君は絶望と闘えたのか』(門田隆将/新潮社)
[2008年07月30日(水) ]

<今日の事後ネタ>
Q.ニューヨーク市長、マイケル・ブルーグバーグ氏の禁煙運動に参画し、途上国の禁煙促進運動に1億2,500ドル(約135億円!)投じることを発表した、「あの会社」の会長は?

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『なぜ君は絶望と闘えたのか』本村洋の3300日(門田隆将/新潮社)
一気に読んでしまいました。
本村洋氏ーご存知でしょう、光市母子殺害事件の被害者の夫です。
彼の姿に大変共感を覚えていたため、今回購入しました。

まず最初に断っておきます。
本著は、いわゆる「お涙頂戴」ものではありません。
3300日のノンフィクション、「事実」を赤裸々に伝えている書籍に他なりません。
従いまして、事件の様子、判決文、その他、生々しい表現が多いため、事件に「入り込む」「向き合う」「直視する」勇気がなければ、書籍を開かない方がよいと思います。


その上で、僕が皆さんに伝えたいのはー

「いとおしさ」

こんなに伝わってくる本はかつて読んだことがありません。

人間愛、とくに家族愛。
震え、読了後涙が止まりませんでした。
決してそれは、同情の涙ではなく、誰かをすぐに抱きしめたい、妻を、子どもを…
そんな気持ちにさせてくれる書籍です。

残虐な事件そのものからはおよそ想定もつかない「やっぱり人間社会って素晴らしい」という感覚を心から呼び起こしてくれたことに、本当に感謝いたします。
本村洋氏に、そして、亡くなられた2人の母子に…。

残虐な描写や、凄惨な表現。人はなるべく遠ざかりたいですし、遠ざけたいとも思います。
しかし、事実自体が残虐であり、凄惨であるならば、その事実に対して、社会全体が必要以上に蓋をすると、残虐“ではない”、凄惨“ではない”、いわゆる「フツウ」の生活のありがたみを忘れる部分があります。

「人権」という、なんだかよくわからない2文字のために、社会全体が必要以上に(残虐、凄惨な)事実そのものに蓋をしてはいけないんです。
ましてや、そのような事実に対し、表面的に同情してありきたりの文言を垂れ流すコメンテイターや、残虐・凄惨さだけが誇張されるようなトーン・タッチをブラウン管に出すTVニュースのようにはなってはいけないのももちろんのことです。
注)すべてのコメンテーターやTVニュースがそうであるわけではないことを断っておきます。


事実を伝えること。事実を直視すること。
本当に、本当に、大事なことなんですね。


本の帯にある、本村氏の上司の言葉です。
事件後、会社に辞表を提出しようとした本村氏にかけた言葉。

「この職場で働くのが嫌なのであれば辞めてもいい。君は特別な経験をした。社会に対して訴えたいこともあるだろう。
でも、君は社会人として発言していってくれ。
労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。
君は、社会人たりなさい。」

なんて温かい、そして、立派な言葉でしょうか。


教育もそうです。
「伝えたい」はたんなるワガママなんです。
「伝わる」という事実があって初めて、自らの教育理念が広がります。

すべてのものを放棄して、教育理念を伝える活動を全国中に行っているが、費用面で支えているのは昼夜を惜しんで働いている身内の人間ー
そんな人間からは、やはり伝わってくるものはありません。


社会において「フツウ」のこと〜ここで言えば「労働」や「納税」をすること〜をして、その上でフツウ以上のことをして初めて、「伝わる」ものがありますよね。
そういう現実を伝えた、厳しいようでとても温かいこの上司の言葉、「人間愛」がないとまず口から出てきません。


本村氏の軌跡を通じて、心に染み入る「愛」を感じるー
人間の魂を揺さぶり、その結果、社会を温かくしてくれる書籍です。


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事後ネタA.ビル・ゲイツ

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