教育・受験に携わる社員として〜「和顔愛語 先意承問」

Z会Web戦略統括の寺西隆行です。タイトルは最も大事にしている言葉です(意味は左下「プロフィール」を参照)。
普段の仕事のことや教育に関すること、子ども達のこと、ネットのことなど、いろいろ思うままに書いていこうと思います。

     
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「皆さんの年金は、自民党が、しっかり守ります。」
[2007年07月14日(土) ]

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今日の朝日新聞、8面全面を使って出ていた自民党の広告キャッチです。

別に自民党に特段の思い(好きとか嫌いとか)があるわけではないですけど、広告宣伝を仕事で担当している自分として、

なんという愚かな広告…

そう感じてしまいました。

今の政権がやったことではないですが、昨今の年金問題は、自民党政権時の失態であることは間違いのないことです。
失態なんですよ、失態。
それは償って当然じゃないですか。

「私たちは償います」

そんなの、広告のキャッチ(ウリ)にするなんて、どうかしてます。一企業人として見ると。
企業であれば「お詫び広告」の類ですよね。


…と、まあ、自民党の広告を批判するなんて簡単なことですが、社会を作っている我々としては、自分たちにも「こんな広告をさせていること」に対し、恥ずかしい、という思いを持つべきだと感じます。

だって、自民党がこのキャッチを作ったのは、このキャッチで(自民党に)振り向く人間が多いと考えているからでしょう?
…そう、世間一般の人たちの、「国政」というものに期待する事柄のレベルが低下している証左なんですよ。
余りにも個人の、余りにも特異な、余りにも(表面的に)わかりやすいことばかり期待する、という。
教育産業に勤めているからかもしれませんが、今の日本で一番大事なのは、間違いなく教育への施策だと思っています。
教育三法を改正するとか、教育再生会議をつくるとか、そういった個々の事ではなく、

・一人ひとりの主体性〜自ら学ぶ力〜がこれ以上低下すると、日本は国際競争に負ける。
・国際競争に負ければ、国家予算も足りなくなるから、税金は高止まり、だけど年金も削らざるを得ない。


そして

そもそも、「自ら学ぶ力」がないって…自給自足してきた人たち以下なわけですから、その頃の生活水準よりも下がる。今の生活が豊かなのは、各個人が生み出している財なりサービスなりを、金銭という対価を支払うという、相互依存の構造が自給自足よりすぐれているからで、自らが何も社会的価値を生み出せない人ばかりの社会であれば、この構造が崩壊する。

これってフツーに考えればわかることです。
でも、フツーじゃない大人、増えていませんか?
税金安くしろ、年金は保全しろ…でも俺は今のままチンタラ働きたいぜ、みたいな。
刹那的な享楽に身をゆだねる子どもたちが増えたなあ、と感じるのであれば、それは大人社会が原因を作っているわけですし。


主体的に学ぶってとっても楽しいことなんですよ。少なくとも自分はハッキリそう思っています。
働くっていろんな出来事があって面白いんですよ。少なくとも自分はハッキリそう思っています。
そして何より、周りの人たち、先輩後輩、そういう「人間」に囲まれているって、すっごい幸せなことなんですよ。


働かなきゃ、働かなきゃ…という思考に入るのではなく、今の自分が感じている「幸福感」がずっとそのままであるために、働く。それそのものも幸せなこと。
そんな雰囲気を大人社会で作れば、きっと(個々人の感覚の中で)「楽しながら」成長を続ける社会になると思っています。
教育に関わる、そして「サラリーマン」として、僕は僕なりに、できることをしていきますが。

だから政治も、年金をしっかり払える社会作りのために「まず教育を」「そのためにはどうすればいいか」を真剣に議論してほしいと願っています。

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『オール1の落ちこぼれ、教師になる』 宮本延春   母が読みたいと言うので購入し、僕も読みました。 宮本さんを初めて知ったのは中日新聞(関東だと東京新聞)の記事でした。強烈な経歴に興味を持つというより、相手に伝わりやすいコラムが印象的でした。 今回は受験生に [Read More]
Tracked on 2007年07月15日(日) 13:04

コメント
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受験で主体性を掴むのは何時か、ということを大平光代さんと宮本延春さんの本の感想と合わせて考えてみました。

目を通していただけると幸いです。
Posted by:nimsel at 2007年07月15日(日) 18:22
 ご指摘ありがとうございます。テキストをご覧になっていたとはさすがです。

>莫大な暗記が必要で、不毛な試験なのですが…

 そうですよねえ、あのテキストの分量が半端じゃないです.その上、仕事も特有の板ばさみのつらさがあるようで・・・ある意味人を選ぶ職業なのかと思いました.

 泣かないために勉強する、少なくとも相手を知った上で任せるだけの知見は養っておかなければならないことですね.

Posted by:s2 at 2007年07月15日(日) 00:54
>S2さん

アクチュアリーの試験そのものは、どっちかと言うと暗記ものです。莫大な暗記が必要で、不毛な試験なのですが…(テキストを拝読したことがありまして)。

アクチュアリーそのものは官僚試験を経済職で合格した連中なら、資格として取れないことはないかと。
ただ、運用して慣れていかないと、適正な判断はできないものではないかな、と感じています。


いずれにせよ「もらえて当然」「もらえなかったら文句を言う」という発想は、嫌いです。
もちろん、泣き寝入りも嫌いです。

泣かないためには、勉強する。
勉強しなければ、知識のある人に委ねる。

知識もないのに、表面的な事象のみで文句タラタラが増えれば、国力が弱まる一方です。
Posted by:Z会スタッフ:寺西 at 2007年07月14日(土) 23:34
 年金・保険の設計にはアクチュアリーと呼ばれる、確率論と統計学のプロが必要で、その内容は素人ではとても寄り付くことが出来ないような難解な代物だということでよく知られていると思います.

 またかつて不良債権問題が全盛期にあったとき、多くの大手の保険会社は経営が立ち行かなくなり外資に買収されました.

 金融のプロでさえ首が回らなかった状況下、公的部門が天才的な運用をして切り抜けたとは、私のような素人には中々想像しづらいところがあり、その内情を知りたい、と思うと同時に、やはりプロでないとどうにもならない問題、プロでさえどうにもならない問題と言うのは、やはりあるのだろうな、と思わざるを得ません。

 そこまで追い込まれる前に、素人である国民一人ひとりが、準備をしていく必要があるのでしょうね.
 
 知ったような口を聞いて、無い知識を振り絞って打ってみました.錯誤している箇所がありましたならばご指摘いただけると幸いです(面倒な読者ですみません).
Posted by:s2 at 2007年07月14日(土) 23:24