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Z会 寺西
Z会の寺西隆行です。今は「教材編集部 理科課課長(兼小学生コース教材担当)」が肩書。「教育」×「マーケティング」で少しでも多くの社会価値を生み出したい。
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2011/12/26 23:20

前半の記事の続きです~

◆教科書、および教師用指導書指導編はどうなっているか

東京書籍さんの教科書にはこのような記述があります。

===============
  5  ×  3  = 15
  ↑   ↑     ↑
1つ分の数 いくつ分 全部の数
===============

つまり、「1つ分の数が先、いくつ分が後」という「書き方」を指導(指定?)しているのは、教科書なんですね。恐らく、日本の教科書の多くは、この順番です。

ではこれが万国共通か?というと、そうではないようで…
交流のある小学校の先生から、「アメリカは確か逆のはず。だから4×100mリレーになっている。」との連絡を受けています。

だから、「○か×か」だけを議論するのであれば、日本式!?とは逆の記述があった場合、「等式が成り立っている以上○でいいんだ」という大人な見地からの!?意見だけではなく、「アメリカ風に表現したらそうなった」と説明してもOKなわけです(苦笑)。
しつこいようですが、(教育的には)「乗法の意味を理解して」話すのであれば。


また、教師は「教師用指導書」を元にして指導しているケースが多いです。
ここで、東京書籍さんの「教師用指導書指導編」にある記述を引用します。

===============
「5枚のお皿にりんごが2個ずつのっています。りんごは全部で何個でしょう」という問題で、誤って「5×2=10」と書く児童がいる。これは、問題の数字だけ見て答えた結果である。このようなことが起こらないように、おはじきを並べる活動を通して、場面を想像し、言葉で表現しながら、乗法の場面としてとらえたり、式の意味を確実に理解したりできるように指導したい。
===============

この記述だけ見ると…「6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性」に登場した先生の指導が、とりわけて変、というわけでもなさそうですよね…
先生は、この指導書をなぞっているだけですから。

しかし…
確かに、東京書籍さんのこの書き方も、「誤って」と表現するのは(個人的に)いかがかな…と思うところがありますが、「大人の教師向けの指導書」の中で「児童が乗法の意味を解釈しきれていない=誤って」と表現している、と捉えることもできなくはありません。
…と、書きながら、この解釈も無理があるかな、と思わなくもないのですが(苦笑)、ただ、教師と言う立場の人間であれば、「テストにおいて、5×2=10と書くこと」自体が「絶対的に」算数・数学の視点から誤りだ、と(この表現を)捉えてはいけないとと思いますし、絶対的に間違っている、と児童に理解されるような指摘・指導をしてもいけないんだと思います。

6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性」で取り上げられたシチュエーションにおいても、児童の「えーなんでー!」を引き出し、「なんでー」に対してしっかり説明し、乗法の意味を分からせる、という「材料」として“「テスト」で「ペケ」”という行為を行うのであれば、理解できる行為ともいえますよね(くどいようですが、良いか悪いかという主観的判断は除いています)。
まあ、その可能性は薄いかもしれませんが…(苦笑)

なんにせ、「(順番が逆なものを、説明もなく)単に×にする」だけは、ダメですよね。
学習指導要領の目指すところを目指していない上、数式としては正しいことを×にしているわけですから。


◆Z会の指導はどうしているか

Z会の小学生コース2年生向け
http://www.zkai.co.jp/el/course/index2.html
の教材には、保護者が学習の伴走者としても、温かく見つめられるように、各教科の教材について(保護者向けの)『サポートブック』がついています(大きな特長です!)。
こちらには、「乗法」が登場する場面で、次のような記述があります。

===============
今のような導入段階では、「2×3」は「2+2+2」、「3×4」は「3+3+3+3」の意味で統一しておくのがよいでしょう。

(中略)

 「1束に5本ずつ4束分」を表すのに、「4×5」としても、数学的な見地からいえば、誤りではありません。なぜなら、かけ算には、a×b=b×aという性質(交換法則)があるからです。内容を理解していれば、、a×bとb×aは本来どちらでもいいわけです。
 一方、かけ算の導入段階では、「1束に5本ずつ4束分」は「5×4」であって「4×5」ではない、と教えるのが一般的です。というのも、「a×b」を「1つ分の数×いくつ分」として定着させることが、かけ算の意味を理解するためには必要なことだからです。したがって、小学生コース2年生においても、かけ算に慣れるまでは、a×bとb×aの意味の違いを意識した指導を行っていきます。
 なお、国によっては、「a×b」を「1つ分の数量×いくつ分」ではなく「いくつ分×1つ分の数量」tとらえているところもあり、世界共通の絶対的なルールというのが存在するわけではありません。
===============

そして、実際の添削指導では、

・乗法の導入段階で(上記で言う)「5×4」を「4×5」と表記してあったら、「○」にした上で「乗法の意味を理解できていますか?“5×4”とすることが多いんだよ」などのコメントを入れる。
・3年生以降であれば順序の入れ替えはコメントもせず無問題とする


というスタンスです(Z会算数・数学担当より)。


指導法として、これが「絶対的な最適」かどうかは分かりませんが、少なくとも、「学校のテストである程度点数がとれ」「間違ったことは教えず」「本質的な意味を伝えよう」としているZ会が、最適としている「乗法」出現時の指導法は、上記のとおり、となるわけです。

こんなZ会の小学生コースの指導法が「いい!」と思ったら、是非資料請求を!
https://www.zkai.co.jp/secure/zkai/siryou/c1_1.asp?crs=el&cd=
…として、お約束の、Z会の宣伝でブログを終わりたいと思います(笑)
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この記事へのコメント

  • 1, 名無しさん 2011/12/27 18:25
    この問題は非常に気になったのでほかのブログにも書き込んでますが、この8×6の例に限っては×としてはいけないと言い切れると思います。
    この問題は8人分だから一つずつ配れば8本、それが6セットと8が6つ分と考えることが可能だからです。

    これは別に不自然な考え方ではありません。

    生徒が8人いたとして鉛筆を何本ずつ配ろうか考えた場合、5本ずつ配れば40本必要、6本ずつ配れば48本必要などと考える場合には自然にこちらの考え方を用いると思います。

    つまり、「1つ分の数が先、いくつ分が後」という指導に従ったとしても、依然として8×6が正解でありえます。このように二通りに解釈できることが交換法則の基本です。「1つ分の数が先、いくつ分が後」という指導が適切かどうかは意見の分かれることですが、この問題に二通りのとらえ方がある点は疑問の余地がありませんので、この教師が×をつけたことは間違いだと言い切れます。
  • 2, TOORISUGARIさん 2011/12/28 17:56
    Z会やっちゃったという感じですね。
    とても大事なのは、演算記号が作用素であるという認識なんです。日本では、×2は2倍を表しますね。英語圏は2×。足す場合は+2。
    こういう感覚があとあと必要になります。
    どこの国でも順序があります(逆順でも)。中国だけは無くして、たいへんだったとか。
    そうした調査結果もあります。
    Z会は、受験学力だけなので、気にしないということでしょうか。
  • 3, Z会 寺西さん 2011/12/30 21:54
    ご参考までにWikiをあげておきます。
    http://www18.atwiki.jp/kakezan/
  • 4, katomana0223さん 2011/12/31 13:49
    「ずつ」×「いくつ分」を解釈することが掛算を理解する上で大切であることを踏まえ、その解釈を試すために掛算の式では、順序にこだわって○×をつけることを事前に子どもにも保護者にもアナウンスすれば問題ないと思いました。
  • 5, jtさん 2012/01/02 20:58
    「△」という採点がなぜ無いのか、疑問に感じます。
  • 6, tourisugariさん 2012/01/05 21:06
    >ご参考までにWikiをあげておきます。
    こんなのを参考にしているということでは、
    Z会のレベルが分かります。
    あっ、別にZ会にアンチではありません。
    なぜ、ベネッセや教科書会社が順序派か、
    じっくり考えた方がいいですよ。
    Z会という会社がどう考えたかは、後々、問題になるでしょう。
    くろきさんと心中するなら別ですが。
  • 7, Z会 寺西さん 2012/01/07 01:41
    いろいろまとめてくれる方がいらっしゃいますね。
    http://www.collegium.or.jp/~kutomi/index.php?%A3%B6%A1%DF%A3%B8%A4%C8%A3%B8%A1%DF%A3%B6%A4%AC%B0%E3%A4%A6%A4%B3%A4%C8%A1%A2%A4%BD%A4%EC%A4%F2%BB%D2%B6%A1%A4%CB%B6%B5%A4%A8%A4%EB%A4%B3%A4%C8

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