ランダムアクセス

プロフィール

プロフィール画像
Z会 寺西
Z会の寺西隆行です。今は「教材編集部 理科課課長(兼小学生コース教材担当)」が肩書。「教育」×「マーケティング」で少しでも多くの社会価値を生み出したい。
ツイッター @teranishi

ブログ内検索

カレンダー

<<  2010年05月   >>
            01
02 03 04 05 06 07 08
09 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

このブログで使用したタグ

2010/05/10 03:07

『キズナのマーケティング』(池田紀行/アスキー新書)

書評の続きです。前半はこちら中半はこちら


教育には、情の教育とともに、知の教育が必要です。
「心ある人に」育ってもらうことはもちろん大切ですが、心ある人が他に対して表現し、さらに成長するには、知が絶対に必要です。
人の心を把握するときにも、知によって得た思考が必要ですし。

マーケティングも同じで、「心」とともに「技術」が必要です。
たとえばコールセンターで、電話口のお客さんにとっても真摯・誠実に答え、「ありがとうございました!」と話すことは、電話口のお客さんを長期顧客にする、1つのマーケティングでしょう。
しかし、この電話口のやり取りが、もっと多くの人に聞こえてくれば、もっと多くの人に共感を生むと思いませんか?
それが「技術」が大切な部分であり、ソーシャルメディアマーケティングで可能な部分だと思うんです。


僕がマーケティングをやる上で大切にしているのは、心と技術のバランス感覚です。

1.心>技術である姿勢を崩さない。
2.1の下、極力、心=技術になるように腐心する。
3.1、2の下、心、そして技術の絶対値を共に上げる。


そして、「志」に近くまで昇華した心に伴う技術の部分を補う可能性のあるマーケティングが、ソーシャルメディア(を使った)マーケティング(の技術)だと思っています。


『キズナのマーケティング』(池田紀行/アスキー新書)。もちろん、「いわゆる」技術や「いわゆる」テクニック満載の本ということは期待していません。
本質的な心の部分はもちろん説いて欲しい、その上で、その「心」を技術で補うのであれば、こんな方法がありますよ、こうするとファンが増えますよ、ということ、「小さな」事例(たとえば僕のお客さんとのやり取り~p143から書かれています~)だけではなく、マーケティングの「仕組(構造)」「仕掛(機能)」「仕切(管理)」を伴った論(あるいは事例)を述べて欲しかったと思います。

つまり、めっちゃ心と志がある会社であれば、それをさらにファン獲得のために使えるのがソーシャルメディアマーケティングですよっ!という流れにしてほしかった…まがりなりにも「キズナ」のマーケティング、というのであれば。
節々にそういうことは書かれているかもしれませんが、全体感としてこの流れは感じず、たらたらと述べているだけ、という感は禁じ得ませんでした。


もし、志が強い会社のマーケティングを「ソーシャルメディア」で解決する術が書かれているのであれば…
筆者の会社に依頼して完成、そして本書にも登場するダイガクエスト、もっと盛り上がっていて然るべきですもん。
自分で言うのもなんですが、誰からも「想いが強い」という僕の「今の自分でできること」の範囲で、想いをありったけ込めたサイトですから。

書き手として、志がある人、そして、広告スポンサーとして、志がある会社。
ここで述べるのが適切かどうかわかりませんが、どんどん集まっています。僕の元に。
ですが、その人の志をマーケティング的に最大化させることにまだ成功していないし、初動としては「失敗」と言える書き込み数になっています。
ということは、マーケティングの「技術」としてはまだまだのサイトなんです。

もちろん志のある人の想いを沢山受けているだけに、現状に申し訳ないと想いつつ、これだけの人が集まっていればまだまだ盛り上がる可能性がある、それを最大化するのは自分の使命、と思い、どんなマーケティング的な施策が打てるか、日々研究しています。


話を戻すと、「キズナ」を「マーケティング」に活かす本として、本書は弱いのではないかと思います。
「マーケティングは顧客創造ということ忘れていないか?」だったらわかるんですけど。


そして、前半はこちらで述べた事例…つまり、メルマガに始まった僕のwebマーケティング人生を振り返ると、肝心なことが抜け落ちているんです。

僕がメルマガを始めたキッカケの中には

1.その当時の会社の欠点を補う活動である。
2.その当時の自分の立場でできる活動である。


という2点があって、“結果的に”ソーシャルメディアマーケティングをかなりやる人間になっていたんですけど、それには

3.1・2を補うものとして、ソーシャルメディアマーケティングはかなりいい。

ということなんだと思います。


メルマガ、そして、ブログを書く、他の人のブログにコメントを入れる…これって「広告宣伝・マーケティング担当」じゃなくても、誰でもできますから。
メルマガから始まった「編集者の立場でのマーケティング」が「ブログ」という「ソーシャルメディア」に発展したら「マーケティング効率が上がった」ということで。


この視点が本書には欠けています。
つまり、

・お客様に対する意識を持った人間なら誰だってできる活動がソーシャルメディアマーケティングだということ
・そもそもお客様に対する意識を持つこと、そしてさらに「何であなたはその企業で働いているの?」という目的意識を持つことの大切さを説くこと

を、明確にしないでも匂わせて欲しかったなあ、と思います。(すいません、僕には読み取れませんでした)



前半中半に引き続き、担当編集者の言葉を借ります。

「キズナのマーケティング」での私の反省は、池田さんの「バイブルみたいな本をつくりたい」という希望を受け入れたことですね。

この言葉は腑に落ちました。
たとえば僕が、今やっているソーシャルメディアマーケティングに不安を感じたとき、立ち返る本としては良書なんです。「確認」の意味で。
「バイブル」的に整理されていますから。

ただ、バイブルは、読むと単調ですよね。それが僕が1回目に感じた感覚なんです。
でも、それが筆者の狙いであれば、それはそれでいいと、上記の言葉で感じました。
だから、「バイブルとして一企業に一冊」という感覚で、書棚に並べると良いのではないでしょうか。


蛇足ですが、「マーケティング技術」に強く、「キズナ」について深く知りたい、という方であれば、本書は不要です。
僕がそうしているように、教育関連の本を読めばいいので(苦笑)


以上、長くなってしまいました。
お気づきの方は鋭いですが、本3回のブログこそが、僕が実地で行っている、『キズナのマーケティング』(池田紀行/アスキー新書)のソーシャルメディアマーケティング、なんですよ(笑)
Tags :
総合
ソーシャルブックマーク
  • ツイートする
  • facebookでシェア
  • mixiチェック
  • はてなブックマークに登録
  • Deliciousに登録
  • Livedoorクリップに登録
  • Google Bookmarks に追加
  • Newsingに登録
  • Buzzurlに登録
  • Yahoo!ブックマークに登録

この記事へのコメント

  • 1, サムスル渡邉裕晃さん 2010/05/10 09:20
    はじめまして。書評ブログを拝見し、同じような思いをもちました。
    私もこの本をいただいた時、書評をブログに出そうと思っていたのですが、
    読んでみて、これはどう書いたら良いものかと迷い、そのまま放置になって
    おりました。マニュアルと言うか事典としてなら最適だと私は思います。

    私自身、1997年頃からメルマガ業界にいた者として、
    寺西様が当時からそのような視点でメルマガを運営されていたところには
    とても敬服しております。

    「誰でもできそうなことを、誰にもできないくらい本気でやること(担当者レベルでも)」
    こそが、ネット運営の成功法則の一つと思い、以前、雑誌に
    「本気で取り組むネットビジネス」という記事を書いたことがあります。
    もしお時間があれば、ご笑覧いただければ幸いです。

    ■「本気で取り組むネットビジネス」
     <リンク:http://www.samsul.com/diary/post-739.php>http://www.samsul.com/diary/post-739.php</リンク>

印は入力必須項目です。
※ログインしていると自動的に名前が挿入されます。

名前
URL
Mail
コメント
画像認証 :

※表示されている数字を半角で入力してください。