Webのお仕事をしていると、システム担当者との打ち合わせが頻繁にあります。
WebとかITだとかで、Webもシステムも一括りにされがちですが、全然専門領域が違います(分かる人は「そんなんアタリマエじゃん」と思うでしょうが…)。
システム担当の中には、Web関係の知識がまったくの素人の人もたくさんいます。
一方、Webの担当者は、システム関係の知識に疎い人もたくさんいます。
僕もWeb担当に着任したとき(約6年前)には、リナックスだとかアパッチだとか、なによその単語、なんのことについて話しているの?なーんて感じでしたから。
閑話休題。
担当する仕事には、他者には分からない負荷というものがかならずあります。
システム担当として長年働いていた知人は、
「世の中の人は、Webサイトが動いていることをフツウと思っているでしょうけど、裏では様々なセキュリティ対策を日夜施したり、動作に故障がないか確かめたり、故障があってもバックアップなどを整え、“動かないようにしないこと”と“故障箇所を素早くなおすこと”を並行して行ったり…と、粛々と動いています。システム周りの“サイト管理”なんてなんで人いるの?今普通に動いているんだったらほっといてもいいじゃん、なんて意見は、大間違いの、状況を把握しようとしない馬鹿野郎です」
と話していました。ごもっともですよね。
しかしシステム担当を経験していなくて、外から眺めているだけ、仕事を把握しようと努めない人は「なんで復旧にそんな時間がかかるんだよ!」とか、上記発言の馬鹿野郎と同じ、勝手な意見を言うものです。
これが「仕事」だけではなく、「仕事を担当する組織」に対する目線、となると、さらにやっかいです。
またシステム部署を例に出して恐縮ですが…
たとえば「○○をやってちょうだい」というシステム部署への指示を出したときに、システム部署から「1週間は見てください」と言われます。
担当現場によっては「ちょ、ちょっと待ってよ!こんな簡単な作業するのに1週間?冗談じゃない、もっと早くやれよ!」みたいな言い方をする人もいます。
しかし、他に優先順位の高い仕事を抱えていればすぐにはできません。
同じレベルの“簡単な仕事”を他部署からも数多く引き受けていれば、これもできません。
自分とは別の組織に仕事を依頼したときの作業期間は、その仕事単独で処理できる時間と同一視してはいけないんです。
しかし、他者を思いやる…というより、他者の立場の想像力、もっというと、想像しようという努力に欠ける人ほど、同一視する傾向にあり、困ったものです。
さらに、「組織」で見たときに、処理できる仕事の質・量は、(能力が同一だと仮定したときには)組織に属する人員数に比例します。
早い話、システム部署として「迅速な依頼の処理」をミッションとして掲げていても、部署の人数が5人と10人では、「迅速」と見なされる実際の速度が全然違います。
なのに他部署の人間で、その部署を実際に「見に行こう」とせず、その人の持つ「迅速」の価値観に当てはめ、システム部署がミッションを遂行していない、云々の批判をするのは、お門違いもいいところです。
まずは自分の部署のミッションを徹底的に遂行する。
その上で他部署のミッションを気にする。
他部署を見たとき「手を抜いているんじゃないか」と思える仕事があった場合、その仕事を“見に行く”、組織の人数を確認する…などコミットした上で「なんでできていないか」を考え、ソリューションを見つけようとする。。。
「あなたの部署のミッションだろう!」と批判するだけで動かないのではなく、本当に「会社として」そのミッションを達成したいと言う、個人的な強い気持ちがあるんであれば、他者特有の事情にコミットし、代替案を考える、ということを自らも行うべきなんですよね。
僕のいる部署は、広告宣伝系の仕事を統括・調整する部署です。
「どの部署も嫌がって引き受けない仕事」
「部署と部署の間にあり浮いてしまっている仕事」
「どの部署に所属させるかわからない仕事」
などがどこどこふってきます。
その一方で部署の人数は3名。
3名でできることを、優先順位をつけてやり、その上で最大のパフォーマンスを発揮するしかないわけです。
会社単位で考えると「僕の部署がやるしかない仕事」があっても、優先順位によっては、その仕事の進行を止めなきゃいけないときだってあるわけです。
たとえ、他部署から「僕の部署がやるしかない仕事」を是非やってほしい、と思われていても。。。
そしてまた、「仕事を止める」ことと「ミッションとして諦める」は別の話です。
なんでもそうですが、短期目標と中長期目標とを合わせた上で、仕事の優先順位は決めるものですから。
自部署のミッションや優先順位を決めるのは、他部署ではなく、該当する部署なんです。
トップダウンによる「強烈な方針」がない限り。
他者には、その他者にしか分からない事情がある、という、人間社会に生きていれば弁えておくべき事実、仕事の上でも多くの人が弁え、発揮できれば、そういった成員で囲まれる企業は強くなれますよね。
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- Z会 寺西
- Z会の寺西隆行です。今は「教材編集部 理科課課長(兼小学生コース教材担当)」が肩書。「教育」×「マーケティング」で少しでも多くの社会価値を生み出したい。
ツイッター @teranishi





