理科や科学においては,「思考」や「試行」が大切。
そこで,日々の仕事や出来事の中での「思考」や「試行」のうち,役立ちそうなことを,
理科担当としての「指向」性にもとづいて書いていく予定です。
とはいいながら,単に自分の「嗜好」に走っているだけかもしれませんが…。
[2008年07月16日(水) ]
我々が知覚することは,すべて過去に起こったことである。
なぜなら,今,目の前で起こっていると認識していることも,厳密には,その現象が起こった点から光や音が目や耳に達するまでには,ほんのわずかではあるが,時間が経過しているからである。
(さらにいえば,光が目に,音が耳に達してから,そのことを認識するまでにも,ほんのわずかではあるが,時間がかかる。)
ただし,この時間差は,日常生活においては,1秒よりも遥かに短い時間なので,無視できる。
しかし,天体に関する現象となると,この時間差は無視できない。
たとえば,太陽から出た光が地球に達するまでにかかる時間は約500秒(=8分20秒)。
つまり,我々が見ている太陽は,500秒前の太陽なのである。
とはいえ,500秒も,1日や1年と比較すると,それほど長い時間ではない。
また,500秒程度では,太陽はそれほど大きく変化しないので,これまた無視してよい時間かもしれない。
が,太陽系外に目を向けると,やはり,この時間差は大きい。
たとえば,太陽を除く恒星の中で最も明るいシリウスまでの距離は8.6光年。
つまり,我々が見ているシリウスは,8年以上の前の姿なのである。
もしかすると,現在は,すでに超新星爆発を起こしてしまって,シリウスは存在しないかもしれない(なんてことはないと思うが…)。
あるいは,先日,見つかったモンスター銀河については,123億年前の姿を見ていることになる。
この銀河の現在の様子は,我々が観測できる様子とまったく違うだろう。
が,残念ながら,我々が,この銀河の現在の姿を知る手立てはない。