理科や科学においては,「思考」や「試行」が大切。
そこで,日々の仕事や出来事の中での「思考」や「試行」のうち,役立ちそうなことを,
理科担当としての「指向」性にもとづいて書いていく予定です。
とはいいながら,単に自分の「嗜好」に走っているだけかもしれませんが…。
[2008年11月20日(木) ]
今日,地理担当のカマダさんから,「『理科年表』に掲載されている海洋の水深のデータが変わった」という話を聞きました。
カマダさんが持っている『理科年表』(2003年度版)のデータと,僕が持っている『理科年表』(2006年度版)のデータを比較してみると,確かに,水深のデータが変わっていました。
カマダさんのものは,海洋全体の水深の平均が3795mになっているのですが,僕のものは,3729mになっているのです。
その他にも,海洋の面積や体積も,いろいろと少しずつ変わっていました。
一瞬,「地球温暖化の影響か?」とも思ったのですが,2003年度版が,1993年のデータを用いているのに対し,2006年度版は,それに加えて,より古いデータである1966年のデータを用いているので,どうやら地球温暖化の影響ではなさそうです。
地球の形状や地形の計測については,GPSなどの発達により,どんどん知見が増えてきているのですが,今回のデータの変更は,古いデータを考慮してのもので,ちょっと意外な気がしました。
しかし,古いデータは,人の手で直接測定して得られたものも多いので,その点において,実用性が高い部分がまだまだあるのかもしれません。
新しいからいい,古いからダメというわけではなく,新しいものでも古いものでも,いいものはいいわけで,自然科学においても,まだまだ古いデータの利用価値がありそうだと感じた,今日の出来事でした。
[2008年11月12日(水) ]
先日,宇宙飛行士の山崎直子さんが,2010年2月に打ち上げられる予定のスペースシャトル・アトランティスに搭乗するというニュースを目にしました。
その山崎さんの名前に因んだ名称をもつ小惑星があります。
その名も「直子」。
「直子」は小惑星14925番ですが,その次の小惑星14926番は「星出」,さらにその次の小惑星14927番は「聡」という名称がついています。
この3つの小惑星の名称は,いずれも,日本人宇宙飛行士に因んだものです。
(山崎(旧姓 角野)直子,星出彰彦,古川聡)
星出さんに因んで名付けられた小惑星が「彰彦」ではなく,「星出」なのは,ある意味,違和感がありますが,納得の名称でもあります。
このように,小惑星には,いろいろなものが存在するのですが,地学の教材を作成する上で,小惑星は曲者です。
小惑星は,現在でも次々と発見されており,さらには,軌道が確定したものもどんどん増えているため,小惑星に関する記述を入れるたびに,最新の発見数を調べ直す必要があるからです。
若干面倒な作業ではありますが,科学の発展を実感できる作業でもあるので,発見数が増えているのを確認すると,思わずにやけてしまいます。
同様の事情が,木星の衛星,土星の衛星についてもいえます。
少し前までは,木星の衛星も土星の衛星も,15個ぐらいと書いておけばよかったのですが,現在は,いずれの惑星も60個以上見つかっており,今後も,増える可能性があります。
山崎さんを載せるスペースシャトルのミッションは,小惑星や衛星の発見に直接貢献することではないと思いますが,間接的には,それらの発見に貢献するはずです。
そんなわけで,今後も,宇宙飛行士関連のニュースから目が離せない,と思っている今日この頃です。
[2008年10月29日(水) ]
先日,夜11時ごろ,東の空を見上げると,オリオン座が見えました。
僕にとって,夜,東の空にオリオン座が見え始める時期は,秋の深まりを感じる時期です。
同時に,空気が澄み始め,星が綺麗に見え始めることを感じる時期でもあります。
残念ながら,その日は,近くに建物があったため,夜空で最も明るく見える恒星であるシリウスは見えませんでした。
しかしながら,今年もまた,夜空を見上げる楽しみが多い季節がやってきたことを感じたのはいうまでもありません。
国立天文台のサイト内に,各月の午後8時〜9時頃の星空の情報があります。
これを見ながら,夜空を眺めてみるのもいいかもしれません。
ただし,夜の冷え込みが厳しくなってくる時季でもありますので,防寒対策はしっかりしてくださいね。
[2008年10月27日(月) ]
昨日は10月の最終日曜日だったので,「昨日,アメリカではサマータイム(夏時間)から,通常の標準時に切り替わったはず」と思い,「サマータイム」をブログのネタにしようと考えて,確認のため,サマータイムについて調べてみました。
しかし,昨年から,アメリカのサマータイムの実施期間が変わり,11月の第1日曜日に,サマータイムから通常の標準時に切り替わるようになったことがわかりました。
そのため,今週も,アメリカの時刻は,サマータイムです。
(次の日曜日(11/2)に切り替わります。)
日本でも,サマータイムを導入しようという動きがないわけではありません。
2003年には滋賀県庁で,2004年では北海道で試験的に導入されたりしています。
また,第二次世界大戦後,占領国軍に統治されていた頃,日本では,4年に渡り,サマータイムが導入された期間があったようです。
しかし,結局のところ,日本でサマータイムが導入されていないのは,デメリットの方が大きいためのようです。
サマータイムは,世界的に見ても,一旦導入された後,廃止された地域が結構あるようですし,今後も,日本では導入されないのではないかと思っています。
ちなみに,アメリカでは,サマータイムの期間(3月の第2日曜日〜11月の第1日曜日)の方が,通常の標準時の期間よりも長くなっています。
そのことを聞いて違和感を覚えるのは,きっと僕だけではないでしょう。
[2008年10月16日(木) ]
台風の定義を知っていますか?
気象庁のサイトには,次のような定義が紹介されています。
「熱帯の海上で発生する低気圧を『熱帯低気圧』と呼びますが,このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し,なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット,風力8)以上のものを『台風』と呼びます。」
上記のサイトには「最大風速がおよそ17m/s(34ノット)以上が台風」とありますが,より正確には「最大風速が17.2m/s(34ノット)以上が台風」と定義されています。
実は,この「17.2m/s=34ノット」の関係には,長らく疑問をもっていました。
1ノットとは,1時間に1海里(カイリ。1海里=1852m)を進む速さです。
これに従って,34ノットを秒速(単位〔m/s〕)で表すと
34×1852m/(60×60s)=17.49…m/s≒17.5m/s
となるのです(〔s〕は〔秒〕と同じです)。
17.2m/sではないのです。
なぜ,この違いが生じるのか,ずっと疑問に思っていました。
が,ある日,次のような記述を目にしました。
「最大風速が33ノット以下の場合は『熱帯低気圧』,34ノット以上の場合は『台風』である。」
これを見た僕は,「17.2m/sは,34ノットではなく,33.5ノットなのではないか」と思い,すぐに計算してみました。
この計算は,次のようになります。
33.5×1852m/(60×60s)=17.23…m/s≒17.2m/s
つまり,この場合の「34ノット」とは
33.5ノット≦「34ノット」<34.5ノット
のことだったのです。
おそらく10年以上気になっていた「17.2m/s=34ノット」の関係が,ようやく理解できた瞬間でした。
昨日の時計の話もそうですが,きちんと定義された数字(数値)からは,誤解が生じないかのような印象を受けますが,個々の数字(数値)に当たってみると,数値のもつ「幅」を感じることも多いです。
しかも,定義された値ですら,この調子なので,実験で得た数値となると,ますます慎重に扱わないといけないな,と思います。
ちなみに,実験で得た値を取り扱うときには,有効数字の考え方が重要です。
以前,Find me 〜薬学生的日常記〜において,有効数字T,有効数字Uというタイトルのブログがありましたので,有効数字について疑問がある人は,ぜひ,そちらをご覧になってください。
[2008年09月29日(月) ]
現在,地球が温暖化しているのは,まず間違いないようです。
その原因はさておき,地球温暖化が進むと,海面が上昇します。
その理由を説明できますか?
たとえば,「北極の氷が融けるから」は不正解。
海洋に浮かんでいる氷が融けても,海面は上昇しません。
しかし,「南極の氷が融けるから」は正解。
南極の氷は陸上の氷であるため,融けて海洋に流れ出すと,海面が上昇します。
これと同様に,氷河などの陸上の氷が融けて海洋に流れ出すと,海面が上昇します。
そして,海面の上昇の最大の原因は,「温度上昇による海水の体積の膨張」です。
たとえば,温度15℃の海水が,16℃になると,体積が約2/10000増加します。
「そんなの大したことない」という気もしますが,海洋の平均の深さは4000m以上あるので,海水の体積が一斉に2/10000増加すると,海水面が約1m上昇することになります。
海水面が1m上昇すると,現在の砂浜の多くの部分は,海面下に沈むことになります。
そうなると,海水浴を楽しむことは,非常に難しくなります。
また,東京やオランダのように,海抜が低い地域が多い土地は,海に沈むところが出てきます。
台風時の高潮による被害なども,現在より大きくなるでしょう。
たった1℃の温度上昇,たった1mの海面の上昇が,大きな影響を及ぼすのです。
地球温暖化のニュースを目にしたり,耳にするときは,変化の数字はわずかなように思えても,我々に大きな影響を及ぼす変化であることを意識したいものです。
一人一人がそういう姿勢をもつことが,問題の早期解決につながると思います。
[2008年09月23日(火) ]
今日は秋分の日です。
春分と秋分は,昼の長さと夜の長さが同じ日と言われています。
そこで,今日の静岡県静岡市の日の出,日の入りの時刻を調べてみたところ
日の出 5:35
日の入り 17:42
であることがわかりました。
これを見ると,秋分の日の昼の長さは12時間7分(夜の長さは11時間53分)であり,昼の方が14分長くなっています。
秋分(と春分)では,昼の長さと夜の長さが同じはずなのに,なぜ,昼の方が夜よりも長いのでしょうか。
これには2つの大きな理由があります。
1つめは,太陽からの光の屈折の影響。
地球の周りには空気があるため,これにより,太陽からの光が曲がります(屈折します)。
この曲がり方が,日照時間が長くなる向きであるため,昼の時間が長くなります。
2つめは,日の出と日の入りの定義の影響。
日の出の時刻は,「太陽が昇るときに,太陽の上端が水平線に一致する瞬間」で定義されます。
そして,日の出の状態から太陽が180°移動(回転)したときの位置は,「太陽が沈むときに,太陽の下端が水平線に一致する瞬間」です。
しかし,日の入りの時刻は,「太陽が沈むときに,太陽の上端が水平線に一致する瞬間」で定義されています。
つまり,太陽が沈むときに,太陽の下端が水平線に達してから,太陽の上端が水平線に達するまでの時間だけ,昼の時間が長くなるのです。
これら2つの影響がないものとすると,秋分(と春分)では,昼の長さと夜の長さが同じになるのです。
何だかややこしくなってしまいました。
しかし,現在の春分と秋分の定義に従うと,非常にすっきりすることもあります。
春分と秋分の日は,太陽が真東から昇り,真西に沈みます。
春分から秋分にかけて(春→夏→秋),太陽は,真東よりも北側から昇り,真西よりも北側に沈みます。
一方,秋分から春分にかけて(秋→冬→春),太陽は,真東よりも南側から昇り,真西よりも南側に沈みます。
これらが入れ替わる日が,春分や秋分,というわけです。
春分や秋分について詳しく調べると,まだまだいろんなことがわかります。
地軸の回転や,それにともなう北極星の移動など,興味は尽きません。
これからは,夜が長くなりますし,読書の秋でもありますので,秋の夜長を過ごすのに,春分や秋分に関する書籍を読んでみるのもよいかもしれません。
[2008年09月19日(金) ]
「暴走族」にはマイナスイメージがあるが,「夜空の暴走族」と呼ばれている西山浩一さんと椛島冨士夫さんの活躍には,ロマンがある。
以前,コメットハンターというタイトルのブログでも書いたが,天文分野は,対象となる範囲が広大なだけに,アマチュア(天文家)の活躍の場が,まだまだ残されているのである。
今後も,様々な天体発見のニュースを目にすることだろう。
その一つが,西山さんと椛島さんの2人による,世界記録更新のニュースであればいいな,と思っている。
[2008年09月15日(月) ]
昨夜は,中秋の名月(旧暦8月15日)でした。
といっても,僕は月見をしていたわけではなく,爽やかな中秋の月光の下,会社の先輩のクニサワさんの野球チームに混ざって,野球(練習試合)をしてました。
打席に入ったときには,元プロ野球選手の大杉勝男のエピソードである「月に向かって打て」が,頭に浮かんだりしましたが,昨日の試合中の場合,月に向かって打つと,ファールにしかならない状況だったので,「せっかくの月夜だけど,月に向かっては打てないな」などと考えていました。
そんなことを考えている自分自身のことを,「いろんな意味で無粋だな」と思いつつも,野球の方は,しっかり楽しむことができました。
日付が変わって,今日は旧暦の8月16日。
ですので,今日は中秋の名月ではありません。
が,今日は満月です。
静岡県(静岡市)での月の出は17:38,日の入りは17:54。
天気がよければ,夕焼けの頃,太陽が沈みつつある西の空と,月が出てくる東の空を,同時刻に見ることができます。
柿本人麻呂の有名な歌である「東(ひむがし)の 野にかげろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ」と,まったく逆の状況が起こるわけです。
ただし,今日の日没の頃の静岡県の天気予報は,雨または曇り。
静岡県は,地形が複雑なこともあって,天気予報が外れることも多いのですが,こういう日にこそ,天気予報が外れて(晴れて)ほしいな,と思っています。
[2008年09月11日(木) ]
今朝,北海道十勝沖を震源とする地震があった。
震源の深さが約20キロと浅く,地震の規模がマグニチュード7と推定されており,比較的大きな地震なので,津波による被害が心配されたが,どうやら大きな被害はなさそうである。
「津波」というと,「大きな波」のことと勘違いしている人もいるかもしれないが,「津波」とは,「地震の発生にともなう波」のことであって,波の規模の大小は,津波の定義とは関係ない。
今回の地震の津波は,波の高さとして,「十勝港で10cm」と発表されているが,たとえ波の高さが10cmであっても,地震の発生にともなって生じた波であれば,津波である。
ただし,津波は,通常の波と比較して,移動する水の量がはるかに多いので,予想される波の高さが低くても,注意しなければならない。
津波の場合,波の高さが20cmもあれば,大人でも足をすくわれてしまうほどの威力があるのだ。
今回の波の高さ10cmの津波も,子供であれば,さらわれかねない程度の威力がある,と思っておいた方がよい。
近年は,津波対策などのために,防波堤が多く築かれており,そのおかげで,津波による被害が激減した。
このため,津波の威力を知る場が減っており,津波の威力を軽視する傾向がある,という話を聞いたことがある。
地震が起こったら,津波の発生があるものと考え,また,津波は,たとえ波の高さが低くても威力があるとの前提で行動し,海辺にいる人は,海から遠ざかる,あるいは高いところへ移動するなど,津波による被害を最小限に食い止めるようにしたい。