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天安門事件と尾崎豊

[2008年09月08日(月) ]

「文芸春秋9月特別号」を購入。定価は790円。
お目当ては芥川受賞作、楊逸著「時が滲む朝」である。
文芸春秋は私がふだん買う雑誌ではないし、
芥川賞も別に気にしているわけではないのだが、
「天安門事件に挫折した学生の物語」
と聞けば、読まずにはおれない気持ちになった。

1989年6月4日の天安門事件、あれはショックなできごとだった。
中国の学生が民主化を要求し、共産党の一党独裁を批判する。
毛沢東の文革時代を知るものにとって、大きな驚きだった。
しかも、趙紫陽総書記は学生の主張に一定の理解を示していると報じられた。
今、中国は民主化に向かって大きく舵をきろうとしている、
そうした歴史的な瞬間に立ち会っているのだという感慨があった。
ところが、中国共産党の保守派が巻き返し、戒厳令が敷かれ、
天安門前に集結した学生たちは武力鎮圧された。
学生の群に容赦なく突っ込んでいく戦車。
とても現実のできごととは思えなかった。

中国の人が、今、天安門事件について何を語ろうとしているのか。
そうした興味で読んだ。
がっかりした。
天安門事件に対する評価はないに等しい。
主人公が中国の民主化のためにしたことといえば、
「I LOVE YOU」というTシャツを作っただけである。
だから、日本に来ても、尾崎豊の「I LOVE YOU」をカラオケで歌い、
感傷にひたるだけ‥‥。