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センター試験日本史Bについての評価

[2008年07月03日(木) ]

大学入試センターのサイトに平成20年度センター試験問題評価委員会報告書が掲載された。
http://www.dnc.ac.jp/old_data/exam_repo/exam_repo_index.html

高校教員、教育研究団体が今年度のセンター試験問題をどう評価したか知ることができる。
また、出題者(問題作成部会)の出題意図や得点状況についての分析、高校教員、教育研究団体の指摘に対する見解も報告されていて興味深い。
いわば、センター試験の楽屋裏のやり取りなのだが、
公開されている以上、受験生が見て参考にしてかまわないはずだ。

日本史Bの高校教員の評価を見てみよう。
まず、平均点が64.27点と昨年より2.75点下降したが、
2年連続の60点超えに安堵を表明している。
平成18年度は54.66点と60点を大きく割っていた。
世界史Bより11.59点も低かった。
だから同年の高校教員の報告書は、日本史の受験者減少を憂え、
「どうしてくれるんだ」といわんばかりの口調で出題者を責めたてていた。
昨年・今年の平均点は「易化したのではなく標準的になった」と評価している。
受験生が苦手とする社会・経済史、文化史の出題が減ったためだが、
それは肯定されているわけだ。
内容については、第1問の「神社に伝わる祭礼や信仰」の問題を
主題学習のモデルとして評価しているものの、
設問が宗教史に偏っていることを問題視している。
政治史中心の問題構成については、
高校の授業もそうであり異論はないとしつつ、
政治史から派生して他分野もバランスよく出題すべきだと指摘する。
「世界の中の日本という視点」から中世以前の設問でも外交にかかわるものがあったほうがよかったと具体的な注文を出す。
大問6小問36という設問数は60分という試験時間からすれば妥当だが、
「細かな事象や高度な事項・事柄の確認」を必要とする問題が散見され残念であったという。
細かな知識だとされたのは「久米邦武」や「神道指令」である。
また、「中尊寺金色堂と同じ建築様式」を選ばせる問題も、授業では扱わないと一考を求めている。
史料問題が大幅に増加したことは昨年度の要望が出題に反映されたと歓迎している。
今年、原始からの出題があったが、これを自然だと理解を示している。
また、戦後史が半減したが、高校の授業進度から妥当と評価している。
どこまで新しい時代を出題してよいかについての見解がおもしろい。
「近現代史は昨年同様に高度経済成長期までにとどめられている。1970年代以降はおそらく作題者が生きてきた年代であり、その分細かな事項に深入りする危険が高い。今後も出題の際には注意を要すると考える。」
自分が生きてきた時代だと細かな事項に深入りした問題を出すものなのかなあ?
まあ、高度経済成長期までが妥当な出題範囲とされていることを確認しておこう。
図表や写真を使った問題は年々増加傾向にあり結構なことだが、図版資料を十分に生かした設問とはなっていないと手厳しい。
平城京条坊の概略図を用いて「左京六条三坊」の位置を特定させる問題があった。
それなのに、左京と右京の区別ができれば条坊がわからなくても正解を選べるという選択肢にしてしまったのでは意味がないというのだ。
問題作成部会の今年度の問題についての報告も紹介したいのだが、長くなりすぎる。
高校教員の意見を受けて今後問題作成に当たって留意したいという5点の紹介にとどめよう。
@教科書頻度に注意する。
A高校現場の授業でどう扱っているかに配慮する。
B「世界史的視野に立った理解」を評価すべき問題に十分配慮した問題を作成する。
C分野別の出題バランスを考える。
D歴史的思考力を評価すべく文字史料・図版資料等の視覚的史資料を用いて、背後にある歴史的事実を確認させる。

センター試験に関心のある方はぜひご自身でご確認いただきたい。