今年は源氏物語千年紀にあたる。
<源氏物語千年紀委員会>
http://2008genji.jp/
「平家物語」は好きだが、「源氏物語」は‥‥。
同様の合戦場面を期待して「源氏物語」を読んだのが間違いだったようだ。
初めて「源氏物語」の現代語訳を読んだ感想は一言。
「つまらない」。
(まだ小学生だったのだから無理もない。)
「平家物語」の源義経はハラハラドキドキの大活躍。
鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし、壇ノ浦の八艘飛び‥‥。
なのに、光源氏は女性をくどくばかり。
ようやく女性の部屋に忍んでいっても、全然おもしろい場面がない。
帝の息子という抜群の血筋、光り輝く容姿。
見込まれて左大臣の婿になりながら、見境いなくいろんな女性に手を出す。
皇位を継げないのがそんなに不満か?
でも、山本淳子「源氏物語の時代」(朝日選書)はおもしろかった。
2007年度サントリー学芸賞受賞作である。
<サントリー学芸賞の選評>
http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/gei_bun0080.html
即位式の最中にも欲情を抑えられない花山天皇。
藤原兼家は花山天皇をだまして出家させ、孫の一条天皇を即位させる。
一条の愛を一身に集めた中宮定子。
定子の父は兼家の長男、関白道隆である。
兄弟には、伊周・隆家がいる。
一条・定子・伊周らは機智にとんだやりとりを楽しむ。
その華やかなようすは、清少納言「枕草子」に記されている。
しかし、道隆没後、権力は弟の道兼・道長へと引き継がれ、伊周・隆家は失脚。
定子は後ろ楯を失い出家するが、それでも、一条の愛は変わらない。
そこに、道長の娘、彰子が皇后として入る。
彰子に仕えたのは源氏物語の作者、紫式部である。
中宮と皇后が並び立つのは異例だ。
定子を愛しながら、彰子の後に控える道長の威勢に怯える。
一条帝の苦悩は深い。
史実とはいえないエピソードも拾いながら、
源氏物語が作られた時代の人々を生き生きと描く。
私には、源氏物語そのものよりおもしろかった。