矢野恒太記念会編「日本国勢図会2008/09」を買ってしまった。
「日本国勢図会」には、中学社会の教材編集をしていたころ大変にお世話になった。
主要な統計データがコンパクトにまとめられており、わかりやすく解説されている。
高校入試の地理・公民の問題に使われる統計データは、ほとんどが「日本国勢図会」にあった。
Z会オリジナルの問題を出題する際にも、常に参照した。
大学入試ではもっと多様な統計データが使われると思うが、
「日本国勢図会」で十分基礎固めができるはずだ。
地理で受験する人にはもちろんだが、現代社会を選択する人にも薦めたい。
「日本国勢図会」に現代日本の実情と課題が見える。
たとえば、県民1人あたり平均個人所得(2005年)というデータがある。
1位東京3,453千円、2位神奈川2,938千円、3位愛知2,864千円である。
47都道府県の真中の23位は福井2,340千円、47位は沖縄1,758千円である。
では全国平均はどれくらいかというと、
10位大阪2,571千円より下の2,553千円で、栃木2,538千円より上である。
全国平均が10位の大阪とほぼ同じとはどういうことだろう。
平均以上10都府県に対して平均以下38道県。
平均以下のほうがかなり多い。
1位の東京と47位の沖縄とでは2.4倍の差がある。
地域間格差は大きい。
財政データを見よう。
2007年度の歳出額は一般会計82,909十億円に対して特別会計361,880十億円。
特別会計が圧倒的に大きい。
特別会計には国有林野事業、年金、社会資本整備(道路)などいろいろある。
しかし、この特別会計の中身は見えない。
特別会計が管轄官庁の財布として好き勝手に使われるのを放置したままでは、
財政再建はおぼつかない。
もっと生活に密着した統計もある。
固定電話契約数は2000年は52,258千件だったが、2007年は45,808千件に減っている。
これに対して携帯電話契約数は急増した。
2000年60,942千件が、2007年102,725千件になっている。
携帯電話契約数は固定電話契約数の倍以上である。
通信時間はどうだろう。
固定系端末2000年5,573百万分が2005年2,268百万分と半減。
移動系端末は2000年1,453百万分が2005年1,883百万分と増えてはいるが、
固定系端末の減ほどではない。
直接話すよりメールでのやり取りが多くなっているのだろう。
そうして、公衆電話が街頭から消えつつある。
データを見て、その意味を考える。
そうした訓練をしておくことは、大学でも社会に出てからも絶対役に立つ。