妻と次女は高校入学準備で忙しい。
制服、靴、鞄、その他もろもろ買い揃えるために出かけている。
学校指定の電子辞書も買わなければという。
もちろん、学校指定の紙の辞書でもかまわない。
ただし、そうなると、英和、国語、漢和、古語の各辞典を揃えなければならない。
持ち運びの便を考えても電子辞書のほうが良いのだという。
長女は高2から電子辞書を使っているが、発音も確認できて便利だと言っている。
私も電子辞書を否定するつもりはない。
しかし、紙の辞書には捨てがたい使用感があった。
書店の棚にあるときは、四角ばった紙の箱にきっちり納まり、
まったくよそよそしい表情だった。
しばらく一緒に過ごすうちに、箱の角がとれる。
使うにしたがってページをめくりやすくなり、まさに手になじむ。
そして、しだいに手垢にまみれるが、それが愛おしくもある。
時にページが破れ、テープで補修したりする。
ついには表紙がとれかかり、労わるように使わなければならなくなる。
使い尽くしたという誇らしい思い、そして苦労をともにしたことへの感謝。
高校時代にはそんな感覚を愛用の英和辞典に抱いた。
電子辞書も娘たちの良き学習の伴侶になってくれるだろうか。