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[2008年11月10日(月) ]
戸塚洋二著「戸塚教授の『科学入門』」」(講談社)を読んだ。
戸塚教授といえば、ニュートリノに質量があることをつきとめ、
ノーベル賞の最有力候補といわれた人だ。
しかし、ガンに蝕まれて闘病生活の末、今年7月に他界した。
抗がん剤の副作用に苦しみながら
「若い人に科学の面白さを伝えたい」との思いでブログを書きつづけた。
それが、この「科学入門」である。
亡くなる15日前に行なった「最後のインタビュー」も収録されている。
その中の一節を引こう。
僕が嫌いな言葉がひとつある。それは「子孫に負を残すな」って言葉。僕は「どんどん残せ」って言うんです。放射性廃棄物の処理にしても、環境問題にしても、エネルギー・食料危機にしてもね。我々より頭が良くなっているはずなんだから、彼らに任せれば簡単にやっちゃうよ、って。そういうことを、期待しています。
たとえば、原子力利用についての二つのリスク、
1.核物質がテロリストの手に渡ること
2.核廃棄物の処理に明確な方法が示されていないこと
について、物理学者が関与することで解決策が得られると戸塚教授は考える。
1.濃縮核燃料を使わない、かつ連鎖反応を使わない新方式の原子炉
2.核廃棄物由来の放射線の短寿命化とその消滅を図りつつ、そのために使う電力以上の発電をついでに行なう
これらの方法は原理的に可能なのだそうだ。
「僕がもう一度研究生活に戻れるなら、環境問題をやってみたいな」
その思いはかなわなかったが、
この本の読者の中から、志を引き継ぐ人が現れるはず。
戸塚教授はそう信じたに違いない。
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