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手塚治虫と同時代を生きた幸せ

[2008年10月27日(月) ]

やっぱり買ってしまった。
「芸術新潮11月号」。
特集は「手塚治虫を知るためのQ&A100」である。
新聞広告を見たときは、それほど惹かれなかったのだが、
書店で手にとってみると、持ち帰ってゆっくり読みたくなった。
なにしろ、芸術新潮は重い。立ち読みは辛い。
鉄腕アトムに始まり、マグマ大使、ビッグX、ワンダー3……。
とてもなつかしい。
テレビアニメの本放送を見ているはずだ。
感動的ですらあったのは「ジャングル大帝」。
画面の美しさ、音楽の荘厳さに圧倒された。
アフリカで野生動物と人間が鋭く対立。
社会的な問題提起もあった。
ライオンが肉食を戒めるという場面には違和感もあったが……。

少年マガジンを定期購読していたので、「三つ目がとおる」は連載時に読んだ。
「ブラック・ジャック」や「どろろ」は友達の部屋でコミックスを読んだ。
大学に入ってから東洋思想の先生にすすめられて読んだのは「ブッダ」。
仏教に興味をもつようになったきっかけでもある。
今家にあるのは「火の鳥」と「一輝まんだら」。
「火の鳥」は長女のお気に入りである。
「一輝まんだら」はニ・ニ六事件、北一輝関係の図書を手当たりしだい買っていたときの名残だ。

次のエピソードを読み、改めて手塚治虫をすごいと感じた。
「手塚は同じ作品でも、それがどのようなかたちで出版されるかによって、その都度それにふさわしいと自分が考える改変を加えることが常でした。」
雑誌掲載時に4段組だったものを判の小さい単行本にするとき、ふつうならただ縮小するだけだが、それでは読みづらいと考えて、原稿をコマ単位でバラバラに切って3段組に組み直すのだという。

手塚治虫は、生前、すでにマンガ家・マンガ読者が等しく仰ぎ見る巨人であったはずだ。
しかし、本人は常に他の人気マンガ家にドロドロとした嫉妬心をたぎらせていたのだという。
人気への執着、功名心、それがあってこそ、あれだけの作品を生みつづけられたのかもしれない。

ともかく、手塚治虫作品をリアルタイムで読むことができたのは幸運だった。

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