今、読んでいるのは、「パソコンは日本語をどう変えたか」
YOMIURI PC編集部著(講談社ブルーバックス)である。
アメリカ生まれのコンピュータは当然、日本語に対応していない。
技術者がいかに苦労して日本語を機械に載せていったか、それが本書の主題だ。
今、当たり前のようにキーボードで日本語を入力しているが、
私が大学生のころ、パソコンもワープロも持っている仲間はいなかった。
(英文科の人間は英文タイプライターを持っていた。)
どうやって、文章を書いたか。
当然手書きである。
卒論も手書きした。
卒論のために、史料や参考文献から必要事項を書き取ったカードは数百枚。
必要なものとそうでないものを仕分けしながら構想を練る。
カードを見ながらどの史料を引用して何を書くかをメモ書きしていく。
大まかに章立てを決め、下書きを始める。
書いては破り、書いては破り、ようやく終章に至る。
通読すれば、やっぱり気に入らず最初からやり直し。
1か月間は、ずっと下書き原稿を書き続けた。
卒論提出締切日3日前、もうこれで清書をしようと決断をする。
書き込みでぐちゃぐちゃの下書きを清書し続けるという作業も辛い。
自分の書いた下書きなのに読めない。
時間との勝負、朦朧とした頭で清書をすると書き損じの頻度が高まり、
あせりといらいらが募る。
手首の痛いのをこらえて、ようやく卒論提出日の未明に謝辞を書き終えた。
完成した卒論は後輩に読んでもらい、誤字・脱字を修正して製本し提出した。
卒論は註も入れて400字詰原稿用紙150枚。
書き損じ・メモ・下書きはその数倍はあっただろう。
すべて手書き。
今はとてもできないと思う。
パソコンで卒論が書けたらどんなに楽だったろうと思う。
パソコンで日本語入力を可能にしてくれたパソコン、プリンター、ソフト開発の技術者に感謝!