今日の朝日新聞の「青鉛筆」というコラムがおもしろかった。
アメリカのコロラド州デンバーでは、妙なカラオケが流行しているという。
大統領の立候補予定者になりきり、過去の演説を読み上げるというものだそうだ。
拍手や歓声が伴奏のかわりなのだろう。
http://www.asahi.com/photonews/TKY200808260304.html
日本では、まあ、流行らないと思う。
日本の政治家の演説、
聞いていておもしろくないものを、まねしてみてもつまらないだろう。
かつては、日本にも政治家の名演説があった。
歴史的な名演説といえば、衆議院議員の斎藤隆夫が帝国議会で行なった粛軍演説(1936年)と反軍演説(1940年)だろう。
粛軍演説とは、満州事変後、政治介入を強める軍部を批判し、寺内陸軍大臣に綱紀粛正を迫ったものである。
反軍演説とは、日中戦争の「八紘一宇の精神を以て東洋永遠の平和、世界の平和を確立する」という大義を空想に過ぎないと一蹴し、戦争終結の道を閉ざす近衛声明の誤りを鋭く追及したものである。
http://blechmusik.xrea.jp/d/saito/
どちらも、当時の風潮を考えれば、大変に勇気のある演説であったはずだ。
命を惜しんで、できる演説ではない。
幸い、テロリストに害されることはなかったが、
反軍演説の後、聖戦を冒涜したという理由で、圧倒的多数により衆議院を除名されている。
議員が議会の演説を理由に議員を除名というのだから、当時の議会のありようが知れる。
それでも、斎藤隆夫は翼賛選挙で非推薦でありながら最高得票で当選している。
粛軍演説も反軍演説も、時代の緊張感の中から生まれたものなのかもしれない。
名演説を必要としない時代を喜ぶべきなのだろうか。