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[2008年12月03日(水) ]
NHKの大河ドラマ「篤姫」が高視聴率を記録している。
大河ドラマでは幕末がよく舞台になるが、今回ほど小松帯刀が個性的に描かれたことはなかった。
どの幕末ものの大河ドラマでも、西郷隆盛、大久保利通は大きく扱われた。
小松帯刀も大河ドラマに出てはいたのだが、西郷、大久保の扱いに比べれば小さい。
家老という地位ゆえに省くことができなかったという印象だ。
明治3年に早世したためだろうか。
いや、明治維新前に倒れた坂本龍馬、高杉晋作と比べても存在感が弱い。
記録があまりなく具体的に描くことができないのだろうか。
そこで、東京大学史料編纂所の維新史料綱要データベースで検索してみる。
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller
小松帯刀80件、小松清廉57件がヒットする。(肝付尚五郎は0件)
最初の記事は文久1年10月、島津久光に側近として登用されたという記事である。
「二十日、鹿児島藩藩士小松清廉(帯刀)ヲ改革方内用掛ト為ス」
文久2年3月には、島津久光が千名の兵を率い、勅使を奉じて江戸にのぼり、幕政の改革を迫ったときの記事がある。
「十六日、鹿児島藩主島津茂久生父久光側役小松清廉(帯刀)小納戸役大久保利済(利通)中山実善(尚之助)以下士卒壱千余人ヲ従ヘ参府ノ途ニ就ク」とある。
小松帯刀は松平慶永(春嶽)と時局を語り、また、徳川慶喜の家士と会談して「慶喜の広く諸賢侯と国事を議せんことを」説いている。
この結果、元治1年4月、幕府は小松帯刀らを「国事周旋に依り賞す」。
以下、在京の鹿児島藩家老として各勢力と連絡・調整の任にあたった。
元治1年11月、第一次長州征伐に関し、長州のために斡旋を申し出たという記事もある。
「鹿児島藩家老小松帯刀・高崎兵部、書を萩藩支族吉川経幹に寄せ、萩藩主毛利敬親父子以下の恭順を欣び、なほ斡旋する所あるべきを告ぐ。」
慶応1年7月には、長州藩の士井上聞多(馨)・同伊藤俊輔(博文)が長崎で、英商グラバーより銃砲を購入するのを海援隊士とともに仲介している。このとき、
「聞多、帯刀と共に鹿児島に赴き、同藩家老桂右衛門(久武)・同側役大久保一蔵(利通)等と会し、両藩の融和を商る。」ともある。
そして、ついに慶応2年1月。
「萩藩士木戸貫治(孝允)、屡々鹿児島藩家老小松帯刀・同藩士西郷吉之助等と会談するも、未だ薩長合従の議整はず。会々浪士坂本龍馬、入京して其間に斡旋す。是日、貫治・帯刀・吉之助及龍馬、意見を交換し、遂に合従の盟約六ヶ条を結ぶ。」の記事を見る。
やはり、薩長同盟の成立に関しては小松帯刀の役割が大きかったようだ。
長くなったので、引用はしないが、薩土同盟に関しても同じだ。
維新史料綱要データベースでの検索結果は以下の通り。
西郷隆盛65件(隆永25件、吉之助124件、三助1件、吉兵衛23件、菊池源吾1件、大島三右衛門6件)
大久保利通82件(一蔵115件、利済14件、正助7件)
坂本龍馬47件(直柔28件、才谷梅太郎9件)
木戸孝允79件(桂小五郎39件、貫治14件、準一郎66件)
高杉晋作34件(春風21件、東行5件、和助12件、谷潜蔵15件、宍戸刑馬2件)
勝海舟1件(麟太郎35件、安房1件、義邦121件、安芳3件)
*坂本龍馬(直柔)というように表記された場合、龍馬、直柔にダブルカウントされている。
小松帯刀について書く材料が少ないということはなさそうだ。
しかし、昔の人は名前がいろいろあってややこしい。
[2008年12月02日(火) ]
子どものころ、大嫌いなおかずがあった。
身欠きにしんの切り昆布煮である。
味は良い。ごはんが進むおかずであることはわかっていた。
でも、皿いっぱい黒いのだ。
見た目の地味さを嫌っていたのだろう。
身欠きにしんの切り昆布煮は妻のレパートリーにはない。
実家を離れて30年、その間、食べた記憶はない。
先日、思い立って自分で作ってみた。
乾物の身欠きにしんをもどすところから始めるべきなのだが、
缶詰のにしん(醤油味)で代用した。
つまり、切り昆布を水から煮て缶詰のにしんと合わせただけ。
究極の手抜き料理といえるかもしれない。
だが、やや甘めではあるものの、記憶した味に近い。
娘達に試したところ、意外にも好評であった。
小鉢に少し盛り付け、他にメインディッシュもあったので、
皿いっぱい黒い、というインパクトに欠けていたからかもしれない。
今度は本格的に乾物から作り、皿いっぱい黒く盛り付けてみようか。
そういえば、厚揚げと豚薄切り肉の切り昆布煮というバージョンもあったなあ。
それも、いずれ作ろう。
私にとっては「おふくろの味」の切り昆布煮。
娘達にとっては「おやじの味」として記憶されるのだろうか。
[2008年12月01日(月) ]
高3の長女のもとにすべての願書が揃う。
先週作った入試カレンダーに、後から届いた大学の日程を追加。
手書きの表を、見やすいようにエクセルにまとめ直した。
A列に1月中旬から3月中旬までの月日、B列に曜日をとった。
C列〜H列には、受験する大学ごとに、出願締切日、入試日、発表日、入学金納付期限を記入する。
これを見ながら、各大学の合否にどう対応するか長女と話し合う。
志望の高さからいえば、C・D、次いでE・F・G、最後がH。
Cが合格なら入学金を支払い、入学を決める。
Dの発表前にCの入学金納付期限があるからだが、Cの合格は最善のシナリオといえる。
E・F・Gの入学金納付期限もDの発表前だ。
Cが不合格の場合、E・F・Gのいずれか合格した大学の入学金を支払う。
Dに合格すれば、その入学金は無駄になるが、それは、しかたあるまい。
C〜Gが不合格でもHがある。
入試日が最も遅く、しかも、模試の判定は一番高い。
志望度も低いのだが、「他がダメでHに受かった場合はHに行く。」と意思を確認した。
「で、全部だめだったらどうするの?」
長女がいなくなったのを見計らって妻がたずねる。
それは、そのとき考えるしかないだろう。
今は、娘の最後のがんばりを信じるのみ。
[2008年11月28日(金) ]
Z会の自己啓発支援制度のメニューに、図書カードの支給がある。
図書カードで購入した図書は会社に報告しなければならない。
そのリストを作りながら思った。
「新書ばかり読んでいるなあ」
21冊中、単行本2冊、選書1冊、文庫4冊、あとはすべて新書である。
新書は600、700円代と安価で、かさばらず、2時間で読めるという手軽さがいい。
そして、専門家が初心者のためにわかりやすく書いてくれるのがうれしい。
いろんな出版社が新書を出し始め、扱われるテーマも多様になった。
ただ、粗製濫造も危惧されるところだが……。
高校生の皆さんも、大学でこんなことを勉強したい、
という「こんなこと」を新書でのぞいてみてはどうだろう。
どんな新書があるか調べるためには新書マップが便利だ。
http://kaze.shinshomap.info/
たとえば、サブプライムローンというキーワードで検索してみる。
そうすると、アメリカの経済、金融システム、住宅・都市問題といった関連テーマが表示される。
(エレキギターとかアニメーションといったテーマが出てくるのは不思議だ。)
アメリカの経済をクリックすると、
中尾武彦著「アメリカの経済政策」(中公新書)
春山昇華著「サブプライム問題とは何か」(宝島社新書)
広瀬隆著「アメリカの経済支配者たち」(集英社新書)
などが表示される。
金融システムをクリックすると、
倉戸康行著「金融vs国家」(ちくま新書)
本山美彦著「金融権力」(岩波新書)
若林秀樹著「ヘッジファンドの真実」(洋泉社新書y)
などが表示される。
私が読んだのは本山美彦著「金融権力」(岩波新書)だ。
低所得者向けローンを集め分散してもリスクが減るはずもないのに、
格付け会社が高く評価したために多くの金融機関が債権を購入し、被害が拡大した。
そのあらましを詳しく知ることができた。
[2008年11月27日(木) ]
国立感染症研究所感染症センターのサイトにIDWRというのがある。
感染症発生動向調査週報、つまり、週単位で感染症の動向を報告したものらしい。
最新の週報は第45週、11月3日〜9日のものである。
今年のインフルエンザ動向についてこう報告している。
「2008/09シーズンの週別の定点当たり報告数は第41週以降増加が続いており、第45週の定点当たり報告数は0.17(報告数811)となった。都道府県別では山梨県(3.23)、大阪府(0.77)、徳島県(0.68)、兵庫県(0.38)、沖縄県(0.33)、和歌山県(0.32)、鳥取県(0.28)の順となっており、大阪府とその周辺地域での増加がみられている他、山梨県でも報告数の増加がみられている。」
もう、すでに大阪、山梨では流行の兆しがあるようだ。
「第45週で定点当たり報告数が0.17というのは、1998/99シーズン以降では昨シーズン(2007/08シーズン、第45週定点当たり報告数0.50)に次いで高い値である。今後さらにインフルエンザの地域的な流行が拡大していく可能性があり、インフルエンザの発生動向には注意深い観察が必要である。」
例年よりも流行の拡大が早いということなら、警戒が必要である。
「インフルエンザは、既に治療薬が開発され、実用化されているが、その予防対策としては流行シーズン前にインフルエンザワクチンを接種することが最も有効である。例年、インフルエンザの流行は12月下旬以降に始まり、国内の多くの地域での本格的な流行は1月中旬以降にみられることが多い。また、ワクチンを接種してからその効果が現れるまでには通常2週間程度かかるといわれている。従って、インフルエンザワクチンの接種は流行に備えて、できれば12月初旬頃までに終えておくことが望ましい。」
つまり、すぐにでも予防接種を受けたほうがいいということだろう。
タカバタケさんには遅れをとったが、先週末、私もインフルエンザ予防接種を受けた。
http://www.zkaiblog.com/jr07/archive/488
家族も皆、昨日までに済ませた。
インフルエンザ予防接種を受けるとき、
看護士さんに「チクッとしますよう」といわれる。
早めに「チクッと」して、インフルエンザの流行に備えたい。
[2008年11月26日(水) ]
高1の次女は部活に忙しい。
朝練習に遅れないように、毎朝、母親に弁当をいそがせ、自転車で猛ダッシュ。
土日祭日もほぼ部活。
大会ともなると親が送り迎えに動員されたりもする。
母親にとって悩みの種は洗濯物の量の多さだ。
休みなく持ち帰られる汗まみれのユニホーム。
一日たりとも洗濯機を休ませることができない。
雨ともなれば、家の中に上下一式干されることになる。
高校のネーム入りだが、学校指定のジャージとはまた別物だ。
「みんなお揃いで、取り違えたりしないの?」
妻の問いに対する次女の答え。
「取り違えても、匂いでわかるから大丈夫だよ。」
洗いたてでも問題はないそうだ。
[2008年11月25日(火) ]
本の新聞広告を見て今日が憂国忌であることを知った。
憂国忌とは、三島由紀夫の忌日だ。
1970年、私がまだ小学生であったころのことである。
三島由紀夫が、楯の会の同志とともに自衛隊の司令部を占拠した。
制服に白手袋、バルコニーから自衛隊員にアジる三島由紀夫の画像が流れた後、切腹して果てたと報じられた。
わずかな人数によって司令部が占拠されてしまった自衛隊。
「本当にそれで国民が守れるの?」
それが、幼かった私の疑問だ。
なにしろ、当時の日本は毎週のように怪獣や異星人に襲われていたのである。
その後も、1970年が回顧されるたびに演説する三島がTVに映った。
その都度、一人舞台で陶酔する姿を「かっこ悪い」と思った。
高校のころ、ようやく「潮騒」「仮面の告白」「金閣寺」を読んだ。
大学のころ、「豊饒の海」四部作を読んだ。
三島という人の生き方はともかく、小説は面白いと思った。
なんとなく敬遠していた「憂国」「英霊の聲」を読んだのは社会人になってからだ。
私の三島観は松本健一の影響下にあると思う。
三島由紀夫は自ら描く天皇像に恋をした。
しかし、現実の昭和天皇には裏切られる。
二・二六事件では青年将校弾圧を指示、そして戦後の人間宣言断行。
「などて天皇(すめろぎ)は人間(ひと)となりたまひし」
「英霊の聲」に繰り返されるこの言葉に込められた思い。
松本健一は三島由紀夫と昭和天皇の感情の交錯をいくつかの著作で描いている。
筒井康隆が「ダンヌンツィオに夢中」で描く三島由紀夫も滑稽で物悲しい。
イタリアの詩人・小説家で黒シャツ隊を率いたダンヌンツィオへのあこがれ。
共通するのは屈折した思いに身悶える表現者の姿だ。
それを官能的と感じてしまうのだろう。
三島由紀夫には惹かれるものがある。
[2008年11月24日(月) ]
高3の長女は、模試の結果を次々に持ち帰る。
判定は微妙に上下するが、長女は第一志望以下、受験校をほぼ固めつつある。
日曜日には、各校の入試要項から日程と費用を確認して一覧にする作業を長女と行なった。
1.出願期間と受験料
受験料を払い込んでから、その領収書を添付して出願することになる。
私立文系の場合、受験料(入学検定料)は3万数千円のようだが、5校出願なら17、18万円かかる。
これを1月中の出費と見積もっておかなければならない。
当然のことながら、出願時提出の書類、調査書・顔写真は長女の責任で用意することに決める。
長女曰く「書類を書く時間も考えおいたほうがよさそうだね。」
2.入試日(入試開始時間)と会場
長女の志望校の入試日は2月の第2週、第3週に固まっている。
入試の開始時間は午前10時というのが多い。
新幹線利用なら、ふだん家を出るくらいの時間で十分間に合う。
しかし、連日の受験なら無理に往復する必要はない。
「よし、お父さんが良いホテルを予約しておいてあげよう。」
と請け負ったはいいが、大学至近のホテルはすでに予約が満杯。
乗り換えが少なく、駅に近いという条件で、結局、やや高めのホテルを予約する。
妻には、また、「娘に甘い」と責められるだろうが、しかたあるまい。
3.合格発表日と入学金・入学手続き締め切り日
受験校すべて合格なら、入学手続きは第一志望だけで済むので、入学金は無駄にならない。
しかし、どこかで合格のリレーがとぎれると、
第一志望の合格発表前に入学金を払い込んで入学の権利を確保しなければならない。
入学金は20数万円というのが相場のようだ。
それが無駄になったとしても、第一志望が合格なら万万歳だ。
まったく、入学金を払う必要がない(長女の行き場がない)という事態こそ最悪である。
入試日程のあわただしさ、受験費用の重さを確認した長女と私。
受験生も大変だが、受験生の親も大変なのである。
[2008年11月21日(金) ]
昨日は北風が強かった。
長女が学校から帰る途中のことである。
いつものように自転車で堤防の上の道を通った。
堤防の上は吹きさらしで遮るものが何もない。
横風をまともにくらい、失速し、
コテッ とこけたそうだ。
暗かったし、誰も通らなかった。
恥ずかしい思いをしなくて済んだとは長女の弁。
ちょっとしたことで、すぐ泣きべそをかく長女であったのに、
たくましくなったなあ。
これは親としての感慨である。
[2008年11月20日(木) ]
伴善男、源頼朝、日蓮の3人の共通点といえば?
別にクイズにするほどのこともない。
伊豆に流刑になったということだ。
温暖、魚介類が豊富、風光明媚、おまけに温泉だらけの伊豆。
罪人を懲らしめるにしては土地柄が良過ぎると思うのは、当地の住人だからだろうか。
先にあげた以外にも、伊豆にはたくさんの流人が送られている。
仁寛という真言宗の僧もその一人だ。
仁寛は村上源氏の嫡流で、醍醐寺に住し、阿闍梨という高位にあったが、
皇位継承問題に絡んで鳥羽天皇暗殺未遂の罪をとわれ、伊豆大仁に流された。
仁寛は伊豆に真言宗を広め、武蔵国立川出身の陰明師見蓮に奥義を伝えた。
ここから真言立川流が始まる。
真言立川流は南北朝時代に文観によって大成される。
文観は後醍醐天皇の護持僧として名高い。
真言立川流というのは相当に怪しい。
なにしろ、髑髏を本尊として祀ったというまがまがしさである。
真言立川流は邪教として厳しく弾圧されたため、記録がほとんど残っていない。
興味のある方は網野善彦著「異形の王権」(平凡社ライブラリー)をどうぞ。
京極夏彦の「狂骨の夢」も真言立川流がモチーフだ。
伊豆に流れ着いて15年、
真言立川流の祖、仁寛について地元の人が語るのを聞いたことがない。