2011.01.16 16:59

こんにちは,地歴科のこうめです.

受験生の皆さん,お疲れ様でした!


では,初日に行われました「日本史B」の分析を行っていきたいと思います.

【全体的所感】
分野:
一番の特徴として,文化・社会経済史からの出題が増加したことがあげられます.
それにともない政治・外交からの出題が減少したため,社会経済を苦手としている人にとっては取り組みにくい試験であったかもしれません.
時代:
古墳時代・奈良時代からの出題があったため,古代史の割合が若干増加しました.
現代史では戦後史からの出題がありましたが,細かい内容を問うものではない為,大きく難易度を下げるものではないと思います.
形式:
統計資料の読解問題が出題されましたが,時代の把握と読み取りが出来れば解答は可能.文献史料読み取りは出題されませんでした.
地図が出てきたため,対策をしていない人は戸惑ったかもしれません.
絵画が出てくるのは例年通り.
難易度:
一見すると細かい内容のものもありましたが,文章内で誤りのポイントを判断しやすく作られているため,大きく崩れることはないかと思います.
教科書の内容をしっかりと理解する,過去問演習をして出題の形式になれる,といった基本の作業をしていた受験生にとっては,問題なく解ける内容であったと考えます.
ぜひ,8割以上は取って欲しいところです.

では,各大問ごとに見ていきます.

****
その前に…
受験生の皆さんは,センター試験が終わったら
すぐに気持ちの切り替えを!

直前講習の問題演習は「センターボケ」に良く効きます.
http://www.zkai.co.jp/juku/todai_m/k3/cyokuzen/index.html

高2生の皆さんは,1年後の受験に向けて怠りない準備を!
本科3期からは,大学受験へ向けた本格カリキュラムが
スタートします.

http://www.zkai.co.jp/juku/todai_m/k1k2/2010k2honka/index.html
※2011年春期講習・本科をお申込みいただいた方は,
 センター試験の分析・対策法を
 映像イベントにてご視聴いただけますよ!

http://www.zkai.co.jp/juku/todai_m/k3/event/digital/index.html#page=1
****

第1問:古代~近代の社会
リード文では「明かり」がテーマにはなっているが,内容としては古代~近代の文化・政治・社会を総合的に問う問題.
文化・社会史からの出題がやや多くはなっているが,内容としては標準.
問2は年代の並び替え問題だが,Ⅰ:将門の乱=10世紀前半,Ⅱ:平氏の繁栄=12世紀前半,Ⅲ:公営田の設置=9世紀前半,ということが分かれば問題ない.
問6は④で「イラクがクウェートに侵攻」といった戦後史の選択肢がはいってきたため戸惑ったかもしれない.第二次石油危機の契機になったのはイラン革命.

第2問:原始・古代の政治と宗教
やや細かい知識を問う問題も見られた.宗教史からの出題もあったため,ややときにくい印象を受けたかもしれない.
問2の古墳の被葬者の正確の比較は,定番の問題.
問4は史料が「墾田永年私財法」であることが分かれば,③が誤りであることが分かる.教科書に出てくる重要史料は,見ただけでどの史料かが分かるようにしておけると良い.
問5は③がやや細かいか.鑑真が渡来したのは8世紀半ばであり時期が違う.(鑑真の渡来…聖武天皇の頃…8世紀ということが分かっていれば問題は無い)
問6もやや細かい.Ⅰ:10世紀以降,Ⅱ:僧兵は平安後期(11世紀)ということまではわかるが,Ⅲの時期をどこに置くかがポイント.初期荘園は,10世紀頃までに衰退したとされているため,Ⅲ→Ⅰ→Ⅱの順となる.
荘園については私大でも頻出の分野であるので,ぜひ確認しておいて欲しい.

第3問:中世の政治・文化・社会
文化の割合がやや高いが,標準の問題.地図の問題が解けたかどうかで点差がつくだろう.
問3,Xは寧波の乱=寧波,Yは応永の外交の場所=対馬を指す.寧波の場所が分かるかがポイント.

第4問:近世の外交・政治・社会
やや細かい出題があるため,選択肢の文章をきっちりと読んで取り組みたい。
問2,江戸末の対外政策は頻出テーマである.必ず順序と一緒に覚えておきたい(江戸時代では,鎖国の順序も頻出!!)
問3は誤りとなるポイントを導き出していくこと.①は江戸幕府・長崎においてが誤り.朝鮮と貿易を行ったのは対馬である.③は朝貢貿易が誤り,④はオランダ国王の新書が誤り.
問5,閑谷学校は,農村の子弟の入学も認められていた.郷学には,藩営による庶民教育機関である場合もあった.簡単な用語であっても,一度は用語集で確認する癖をつけておきたい.
問6,aは,活字印刷術は朝鮮からも伝わってきているが,天草のキリシタン版はヴァリニャーニが伝えたものなので誤り.

第5問:金子堅太郎の生涯
内容としては,近代の政治・経済史からの出題.
問1,X=榎本武揚・西周などがオランダに留学している.Y=中江兆民の翻訳書は『民約訳解』.
問2,③のコンツェルンは1920年ごろ.
問3,八幡製鉄所で使用されたのは,清の大治鉄山の鉄鉱石と筑豊炭田の石炭.
いずれもやや細かい内容だが,教科書・用語集で確認していれば解ける問題である.

第6問:近現代の日本の経済・社会
戦後の問題が解けたかどうかがポイント.
問5,グラフから,戦後の経済状況について読み取る問題.選択肢a・bは単純なグラフの読み取り.グラフより,日銀券の発行が一時的に減少していることが分かる.選択肢c・dは,まずドッジ=ラインの時期を明確にすることがポイント.ドッジ=ラインは1948年12月に出された経済安定九原則の実施に当たっての一連の経済施策を指す.1948年12月以降のグラフを見てみると,物価指数は大きく上昇することなく,一定のところを推移しているので,インフレーションは収束にむかったと読み取れる.
問7,④の美濃部達吉はやや細かいため,消去法で解くのがいいかもしれない.

以上,各大問ごとに,ポイントとなる問題について見てきました.
細かい問題はありますが,選択肢を丁寧に判断すること・消去法の利用などで対応できる問題です.
ただ,その対応が出来るかどうかは,慣れが必要.
基本知識に加えて,センターの形式に慣れているかが問われる試験だったと思います.

受験生の方へ
間違った時代や分野というのは,自分が苦手にしている分野や,理解が不足している部分です.必ず復習をしておきましょう.
私大の方は,年代や流れについてしっかりと確認しておくこと.地図が出る可能性もありますので,資料集の見直しも大事ですよ.史資料読解の練習もしておきましょう.
東大・一橋志望の方は,ここからは論述を書く頭に戻していきましょう.センターで問われた,荘園の変遷や戦後の経済は東大・一橋でも重要な箇所ですので,知識が不足している人は,教科書で確認をしておいてください.
一橋志望の方は,経済は頻出です.戦後も含め,教科書の内容は確実に押さえておいてください.

高1・2年生の方へ
今後,日本史を学習する際には以下の点に注意しましょう.
・年代の意識
センターは,細かい年代が聞かれることはほとんどありません.どの時代の出来事なのかが把握できていれば,センターの年代整序は解けます.○世紀前半といった大まかな区分で構いませんので,常に,今やっているのはどの時代のどれくらいの時期のことなのかを意識するようにしてください.年代の意識をしておくと,流れもつかめるようになりますし,変遷もできるようになりますので,ぜひ,やってみてください.
・用語集での確認
初めて出る語句や,分からない語句はもちろんのこと,聞いたことのある語句であっても,一度は用語集に目を通すようにしましょう.特にセンターでは,教科書には載っていないような意味を聞いてくる場合が多々あります.一度引いておけば頭に残りますので,面倒くさがらずに,定期的に用語集を見る習慣を身につけて置いてください.


Tags :
センター試験
地歴公民
ソーシャルブックマーク:

この記事へのコメント

印は入力必須項目です。
※ログインしていると自動的に名前が挿入されます。

名前
URL
Mail
コメント
画像

画像認証 :

※表示されている数字を半角で入力してください。

 

トラックバックURL

トラックバックURL
【トラックバックにつきまして 】
Z会ブログでは、トラックバックにスパム対策を講じております。
Z会ブログの記事へトラックバックを送信する際には、トラックバック元の記事の本文中に、トラックバック送信先の記事の「ページURL」を記載してください。「ページURL」が含まれていないトラックバックは受け付けできません。
※トラックバックはブログ管理者による確認後、ブログに反映されます。
なお、一部のブログやサービスからのトラックバックは受け付けできない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

プロフィール

プロフィール画像
御茶ノ水・渋谷・新宿・池袋・横浜にある、東大や医学部、その他難関大をを目指す教室であるZ会東大進学教室スタッフが送るブログです。同教室スタッフが送る「Z会×医学部解体新書」もあわせてご覧ください。

カレンダー

<<   2020年06月   >>
  01 02 03 04 05 06
07 08 09 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

月別アーカイブ