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2017.10.18 09:40

時差ボケのためか早朝に目が覚める。朝食開始まで時間があるので、ホテル近くの公園に散歩に出る。
 
タリンさんぽ
車も人もあまリ通らない道を行くと公園に出る。遊具というよりは健康器具らしき物でちょっと遊ぶ。
 
タリン公園
広い芝生の上に、寝っ転がった石像がいた。
 
タリン石像


ホテルに戻り、朝食。昨夜通り、サラダはかなり大ざっぱで、ドレッシングらしきものが見当たらない。黄色いどろっとした物体があったので、これがそうかと盛大にかけたら、なんとニシンの酢漬けというか、マスタード漬け(でも辛くない)のようなものであった。意外に美味しい。それ以外は割と普通のビュッフェであった。

さて、ロビーに集合して、旧市街の観光に出発である。小さな町なので、徒歩で巡る。ガイドは「シシイさん」という日本語の堪能な女性。彼女は伸縮ボールペンの上にエストニア国旗をつけていて、これが目印。エストニア国旗は、上から青、黒、白。青は、空、海などの水と希望を、黒は大地と暗黒時代の歴史の記憶を、白は雪と幸福を表しているそうだ。

 
エストニア国旗
旧市街は城壁で囲まれていて、ホテルはそのすぐ外側にある。昨日も歩いたショッピングモールへの道を歩く。昨日ライトアップされていた「のっぽのヘルマン」のあるトームペア城。
 
トームペア城


いま見えているのは裏側。表側はこれと同じ建物とは思えない姿をしているので、よく見て覚えておくようにと言われる。

旧市街に入る。石畳の坂道を歩く。ぐるっと回って、さっきの国会議事堂を表から見ると、なんとまあ。

 
トームペア城表


城は基本的には13世紀ころに建てられたらしいが、18世紀にこの地を支配したエカチェリーナ2世の好みで表はこんなふうに改修されたとか。今は国会議事堂として利用されているそうだ。観光客が多く、道は狭い。国会に向かう議員さんはここに車で入ってくるのだが、なかなか中に入れない。我慢強く人の波が切れるのを待っていた車を指して「あれに乗っていったのは市長さんでしたね」なんてシシィさんが教えてくれる。

ロシア正教の教会や、ルター派の教会などをめぐる。ロシア正教の教会は、権力のシンボルなので、派手派手で、街のどこからも見えるように造られるという。実際、この協会は、街のどこからも塔の先端が見えていた。

 
タリンロシア教会


エストニアは、ロシアやフィンランドやソ連などに次々に支配され、それに耐えてきた国である。ロシアからはロシア正教を、フィンランドからは最初カソリック、続いて宗教革命を経てプロテスタントを信ぜよと押し付けられ、ソ連の時代は宗教はだめよと言われ、はいはいと聞いていた結果、信仰心は薄れ、教会に通うのは、いわば「習慣」であるという。宗教心については、日本人に通じるものがあるかもしれませんね、とシシィさん。興味深い解説である。

そこから、旧市街が一望できる展望台へ。美しい街が広がっていた。

 
タリン展望
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2017.10.17 09:40

 
 
長時間飛行機に乗るのが面倒だなあ、とずっと思っていたのだが、意外に快適に過ごせた。海外旅行は七年ぶりだが、その間に進歩したのね。席に画面があって映画が見放題。若い頃、初めて国際線に載ったときには、遠くに大きめのスクリーンがあって、そこで映画を放映していただけだったのになあ。(遠い目。)機内で「シン・ゴジラ」と以前、映画館でも見た「This is it」と、なぜか「ぐるナイ ゴチバトル」を見た。
 
ヘルシンキに到着。入国検査は、割にあっさりと終わる。ロンドンやパリは大変だったらしいが、ヘルシンキはヨーロッパの片田舎で、まだ平和だということか。トイレの入口のデザインがかっこいい。
 
 
ヘルシンキ トイレ
 
 
行き交う人が、みんな背がものすごく高いので驚く。夫が言うには、男性トイレの便器が高くて、短足日本人には不利な仕様だそうだ。がんばれ、男たち。
 
そこから、ローカルのプロペラ機に乗り換えて、エストニアのタリンへ飛ぶ。席の隣に、同じツアーのひとり旅の女性が座る。毎年、夏休みに海外に行くのだが、今年は日数が短すぎて諦めかけていた時に、この短いツアーを見つけて申込んだのだという。中欧に最近は凝っていて、などと旅慣れたご様子。
 
タリン着。すぐにバスに乗せられ、ホテルへ。添乗員さんは、伸縮ボールペンを長く伸ばして、その上部にニワトリのマスコットを付けて、これを目印にしてください、という。以後、我々は彼女を「ニワトリさん」と呼ぶことになった。
 
緑の多い、静かな街をバスは走り、あっという間にホテルに到着。もう夕方だ。部屋に入ったら、まず荷解き前に電気とお湯、その他備品をチェックしてください、とのこと。不都合があって部屋を交換する場合もありうるので、と。そこまで添乗員さんがやってくれるのね、と感心する。
 
本日はこれにて自由行動、夕食は各自で、とのことなのだが、ホテル内で済ませるのがつまらない人は、近所のショッピングモールまで案内してくれるという。十人程度集まって、ぞろぞろと静かな道を歩く。公園の脇を歩いていくと、高い城壁があって、その上に石造りの塔が見える。「のっぽのヘルマン」です、明日観光します、とニワトリさん。
 
 
タリン夜景
 
 
ショッピングモールに到着。三階にはレストラン、地階にはスーパーマーケットがあるという。
 
我々はそこから自由行動。スーパーで水を買う。サンドイッチ類も売っているが、できれば外食が楽しいよね。そこらを歩いて回る。ハンバーガーショップやピザ屋じゃつまらないので、正体不明のビュッフェスタイルの店に入る。結構な広さの店内に、あれこれ料理が並べてあって、適当に皿にとって、最後にレジに行って精算するスタイル。料理名が書いてあるのだが、それが、エストニア語とフィンランド語とロシア語なので、一体何なのかわからない。サラダらしきものもかなり大雑把で、生のまま親指二本分くらいの大きさにぶった切ってある人参とか小房に分けただけの生のカリフラワーとか、生のきのことか。
 
肉だと思って食べてみたら魚だったり、肉は肉だが、牛とも豚とも鶏とも思えないので、もしかしてヘラジカ?だったり。夫が自分でサーバーから注いだビールらしき物体は、馬のしょんべんの味だと言っていた。まあ、これが旅行の楽しみだものなあ。
 
ホテルに帰って、入浴の後、早めに寝る。時差があるので、本来ならもう真夜中だから、ぐっすり眠れた。
 
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2017.10.16 14:34


娘が大学生になって、家を出た。久々の夫との二人暮らしが始まった。二人から三人になり、四人になり、また三人になって、二人に戻った。

何が変わったって、家を自由に出られる。娘の帰宅時間を気にして夕食の準備をしなくてもいいし、夜遊びだって出来る。夏休みじゃない日程で旅行もできる。今までだってできないわけじゃなかったが、娘を置いて家をあけるのに、私は抵抗があった。お帰りなさいをできるだけ言ってやりたかったし、夕食を一緒に食べたかったし、朝食も準備したかった。娘のためというよりも、私がそうしたかったのだと思う。だが、それもついに終わった。

というわけで、もともと旅好きの我々夫婦はちょいちょい出かけるようになった。夏休み期間は避けて、9月にそろそろ海外に出ないか、という話にもなった。ただ、今年は夫の仕事の都合で、どうやら長くても六日間くらいしか続けて休めそうにないという。六日間って、微妙だ。

最初は近場を検討した。台湾、ベトナム、韓国、バリ。なんとなく心が踊らない。何しろ、暑そうだから。散々行った沖縄は、今でも何度でも行きたいのだが、最近は近隣アジア諸国の旅行者が多くて混んでいるとも聞く。じゃあ、オーストラリアは、ニュージーランドは、など調べるも、興味が今ひとつわかない。

本当はベネチアやバルセロナに行きたくてたまらないのだが、六日間じゃもったいない。もっと時間をかけてじっくり行かなくちゃ。などと迷っている時に、新聞広告に載っていたのが「フィンランドの美しい村ポルヴォーも訪ねる おとぎの国エストニア・タリンとデザインの街ヘルシンキ5日間」というツアーである。5日間で北欧。しかも、日程が夫の休みとぴったり一致する。ちょっと心が動いた。

とはいえ、実は私も夫も団体行動が苦手なタイプである。個人旅行が基本だ。ツアーを頼むときも、交通機関と宿泊のセットにして、団体には入らない、添乗員もなし、が原則である。どうすっかなあ・・・というわけで、最初は夫が、たまっているマイルを使ってヘルシンキ往復を手配してみようとした。が、なかなかうまくいかない。嫌になっちゃって、試しにそのツアーに電話してみたら、予約できると言うので勢いで申し込んだ。いいのか、それで。



息子と娘も誘ってみる。行くと行ったら全額出してやるが、どうする?と。息子は、学会と学会の間で超忙しい時期だが、アゴアシ付きで海外旅行が出来るチャンスは逃したくないらしく、乗ってきた。娘は、行きたくてたまらないが、どうしても部活があってダメだという。かわいそうに。おみやげ買ってやるからねー。

それにしても、団体旅行、一緒の人がめんどくさかったらどうしよう。トイレ休憩ばっかりだったらどうしよう。大丈夫だろうか。少し不安であった。が、結果としてそれは杞憂だった。パック旅行も悪くないじゃないか、と思える内容だった、ということを先に記しておきたい。

 


出発数日前にはコンダクターから電話が来た。そんなサービスまであるのね、と感心するパック初心者の我々。結構寒いので、暖かくしてきてね、雨が振りやすいので雨具もよろしくね、フィンランドサウナに入りたかったら水着も準備したほうがいいかもね、とのこと。ちょうど暑さがぶり返した東京では、Tシャツ一枚でふうふう言っていたところだ。暖かい格好と言われても、ピンと来ない。ユニクロのウルトラライトダウンくらいがちょうどいいです、だって。そのせいか、メンバーの多くがユニクロ揃いでおかしかった。私は長袖のシャツと、ウール入りのカーディガンと、厚手のパーカー、防寒も兼ねた帽子に、田部井淳子さん直伝のスカーフを準備した。あとはジーンズ中心に、機内用に伸縮性のいいパンツ。以上で、ちょうどいい具合であった。

出発当日は、早起きして成田へ。事前に空港に送っていたスーツケースを受取り、JALのカウンターへ行く。電話をくれたコンダクターが待っていてくれた。いろんな旅の道具の入った袋を渡される。ガイド用のイヤホンなんてものがあるのね。そこから、チェックインして、長々と歩き(国際線って広いのね。十分以上歩いたと思う。)ぎりぎりの時間に息子が札幌から到着。やれやれ間に合ったのう。

というわけで、やっと飛行機に乗った我々なのであった。
 

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2017.10.15 09:20

105

読書で離婚を考えた。

「読書で離婚を考えた。」円城塔+田辺青蛙 幻冬舎

 

これは、夫婦がお互いを理解するために本を勧めあった格闘の軌跡である。
 
円城塔も、田辺青蛙も、私は一冊も読んだことがない。この二人が夫婦だということも知らないし、そもそも読んだことがないのでそれを知ったところで何の感情の変化もなかった。
 
それはともかく。読書傾向が大きく違う夫婦が、互いに本を勧め合うWEB連載企画をまとめたのがこの本である。この夫婦、互いに読書家ではあるが、あまりに好みが違いすぎて、本を勧めあっても、互いに絶対読もうとしない。この企画では、相手に読ませたい本を指定し、指定された課題図書についてのエッセイを書いて、次の課題図書を指定するのを繰り返すこととなった。細則として、自分で読んだ本しか指定してはいけないとか、紙の本に限るとか、家庭内で相談は無しとか色々ある。テーマは、「夫婦の相互理解」。
 
我が家も夫婦で微妙に読書傾向は違っていて、でも、重なり合う部分も多々あるし、普段は読まないジャンルでも、夫のおすすめで読んだら目がさめるように面白かった、ということもよくあるので、そういう意味ではこの夫婦とはちょっと違う。面白かったのは、本当にこの夫婦は全く好みが重なり合っていないのだが、それが、我々夫婦ともまた全く重なり合っておらず、登場する課題図書が、ほとんどが読んだことのない本ばかりだった。年間三百冊ずつ読み合う本好き同士が一冊も重ならないということだってある、と円城塔は言い切っていたが、本当にそういうことだってありそうな気がする。
 
円城塔はかなり頭でっかちで、理屈だけで出来上がった人で、一方、田辺青蛙は本人が自覚しているかどうかはともかく、かなり大雑把でいい加減で、人の話を聞かない、覚えない。最初に決めたルールもすぐに忘れる。結果としてこの企画は、円城塔にとってはかなり辛いものとなったようだ。周囲の人びとからは、この企画のせいで夫婦仲が悪くなっていないか、離婚しないか、とかなり心配されたらしい。円城塔は、連載が終わってホッとしたと書いている。が、田辺青蛙は、全然そんなことは感じていなかったらしく、また他の夫婦企画もやりたい、などと言い放って円城塔を唖然とさせている。その夫婦のすれ違いと言うか、見解の違いがまた読んでいて面白くもあるのだが、ハラハラもするなあ。
 
余談だが、先日、自分とは真逆の人に憧れて結婚したが、それが間違いだったと最近気づいた、と真顔で言う83歳に会った。生きているうちに気づけてよかったね、と言うべきか、言わざるべきか、かなり迷うところだよなあ。
 
馴染みのない本の題名だらけの中に、荻原規子の「薄紅天女」が入っていた。外国で知り合いに会ったような感覚であった。
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2017.10.14 10:50

104プリニウス2

「プリニウス2」ヤマザキマリ とり・みき 新潮社

 

おお、面白くなってきたぞ。嫉妬、葛藤、恋愛、友情。色んな要素が絡み合ってきて、今後の展開が楽しみだ。
 
皇帝ネロというと、極悪非道の残虐な人間という評価が定まっているけれど、それってキリスト教徒を大勢殺したからだ。それを、ヤマザキマリは、実は芸術家肌の文人気質だと見ていて、新しいネロ像を描きたいと言っている。欧米人とは違う視点からのネロ像って楽しみ。
 
とり・みきとヤマザキマリが力を合わせ、協力しあってこの作品は成り立っているのだけれど、二人とも個性や主張が強い人達なので、最後までうまくやっていけるかなあ。どうかひとつ、ケンカ別れなど内容に、しっかり話し合って仲良く突き進んでいただきたい。先が楽しみだ。
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2017.10.13 10:27

103銃・病原菌・鉄(下)

「銃・病原菌・鉄 下 一万三〇〇〇年に渡る人類史の謎

ジャレド・ダイアモンド  草思社文庫

 
上巻を読み終えて以来、半月。ようやく読み終えた。いやはや、なかなか大変であった。読み進める過程で、身近に様々なアクシデントが起きてそれに対応せねばならず、長々とひたすら待つだけの時間はあったのだが、そういう時にこのような本を読もうとしても全く頭に入らないものであると実感した。文字面を追うだけで、理解していない部分も多々あるかと思うが、兎にも角にも読み終えて、疑問は解決したかと言えば、さらに深まった部分もある。
 
下巻では、文字や様々な発明、集権的な社会の成立の歴史を追った後に、地域別にオーストラリアとニューギニア、中国、太平洋、旧世界と新世界の遭遇、アフリカについて歴史や、文化人類学や、遺伝学などを駆使し、科学としての人類史に挑んでいる。知らなかったことがたくさん書いてあるが、一つ一つをあげられない。ぜひ読んでちょうだいと願うばかりである。
 
あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人は自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜか?」というヤリの問いかけに、作者はこう答える。
 
人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである
 
食料生産が十分に行えるための技術や、知識や知恵を伝える文字や、銃などの武器、有用な発明などがユーラシア大陸に伝播しやすかったのは、大陸が東西に長く、気候的な差異が少なく、食物生産の技術がそのまま伝わりやすく、地形的に移動しやすく人の流通が可能であり、また、その結果、伝染病なども早期に伝わりあって免疫力も同じように保持していたからである。南北に長い大陸では、気候が違いすぎて食料生産技術はそのまま受け継がれなかったし、家畜化しやすい動物がいないために大きな力を必要とする技術が発達せず、かつ、家畜から人間も伝染する病原菌への耐性も生まれなかった。地形的にも人は流動しにくかった。そうした条件下では社会も小さなグループに分かれざるをえなかったので、強大な集権国家が誕生しにくくもあった。
 
というような検証、分析を、あらゆる地域で、あらゆる観点から追い求めていったのが本書であるが、どんなに丁寧に論及しても、一万三〇〇〇年を網羅することは不可能である。という意味で、今後さらに研究を深めていきたい、と最後には締めくくられている。
 
子どもの頃、ナチスのホロコーストを知ってその極悪非道さに震え上がり、そんな悪人がこの世には存在するのだ、とヒトラーの顔写真を見るだけで震え上がったものだった。が、実は新大陸でヨーロッパ人は現地部族を次々と銃で虐殺し、幾つもの部族を滅亡させていた。人間は、歴史的に何度でも自分たちより劣ると信じた人種や部族を虐殺してきたのだ、と改めて思い知った。
 
狩猟経済の中で、ものを貯蓄することを覚えなければ、人は幸福に穏やかに暮らしていけたのだとしたら。小さな地域集団の中で暮らしている限りにおいて、殺し合いや争いは大きなものにならずに済んでいたのだとしたら。人により貧富の差が現代ほどまでに大きなものになり得なかったのだとしたら。文明とは、進歩とは、一体何だろう、幸福とは何だろう、という根源的な問いに、読みながら何度も立ち戻ってしまった。
 
人類の歴史を振り返ることは、これからを生きる私たちの大いなる教訓となる。より良き未来を得るための大事な勉強である。見たくないものは見ずに、誇りを持てる部分だけを覚えていこうなどというみみっちい考えではなく、あらゆるものをあらゆる角度から見据えることで、やっとわかりかけるものがある。だとしても、まだわからないことだらけだというのに。とつくづく思う私である。
 
       (引用は「銃・病原菌・鉄」ジャレド・ダイアモンド より)
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2017.10.03 13:51

102きのう何食べた?13

「きのう何食べた?13」よしながふみ 講談社

 

たしかに12巻を読んだはずなのに、検索しても記録が残っていない。しかも、本棚を探しても見つからない。おかしいなあ・・・・。スーツ姿でビシっと決めた二人の姿が記憶にあるのに。娘がもっていったのかなあ。
 
立ちん坊をやっている女の子の弁護をするシロさん。こういう現実ってあるんだよな。この子、今後の展開に絡んでくるのかしら。
 
長年の友人が亡くなったり、事務所の大先生が引退の準備を始めたり。シロさんとケンジも年々歳を取りますなあ。これって、作者の実感がこもっているとしか思えない。きっと私とそう変わらない年代だと思うから、だとすると、わかるわ~、としか言いようがない。
 
今回のメニューはそれほどやってみたい!!と思えるものは少なかったかも。坦々うどんはうまそうだが、炭水化物に注意せねばならない体調の私としては、ちょっと。
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2017.10.02 16:16

101ガン入院オロオロ日記

「ガン入院オロオロ日記」東海林さだお 文藝春秋

 

東海林さだお氏は、総武線のホームでお見かけしたことがある。肌寒い季節だったのに、素足にサンダルを履いて、正体不明のおっさんであった。おお、この人はショージくんではないか、とつくづく見てしまって、あ、失礼なことちゃった、とあとから気がついた。もう十年くらい昔のことだと思う。
 
東海林さだおの雑誌連載は、意味もなく、つい読んでしまう。いやほんと、意味もなく、なのよ。読んで得るところはほぼなにもないのだけれど、ふふっと笑ってしまう。それで十分なのだ。
 
先日、書店で書棚をぼんやりと眺めていたら、この本の題名が目に入った。え?東海林さだおがガンで入院??と驚いた。いつまででもヘラヘラと存在し続けそうなこの人の漫画やエッセイが読めなくなるのだとしたら、それは問題だ、と心配になった。だけど、買わずに図書館に予約を入れた。ごめんよ。長らく待たされて、やっと手に入った。
 
意に反して、「ガン入院」話はあっさりと一章だけであった。肝細胞癌だったらしいが、レバ刺し一人前強を切り取るだけで、転移もなく、無事に手術は成功した。あとは、点滴の瓶や尿の袋をぶら下げているガラガラ通して歩く器具を「イルリくん」と呼んで彼との関係性について考察したり、尿の色が濃いと恥ずかしいのはなぜか、あれこれ分析したり、いつもの東海林さだおであった。
 
まだまだお元気で頑張れるらしい。よかった。
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2017.09.30 09:30

銃・病原菌・鉄100

「銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 上

ジャレド・ダイアモンド 草思社文庫

 

 

夫に勧められた本。実は、まだ上巻しか読んでいない。下巻も手元にはあるが、図書館の期限が来てしまったので、返さねばならない。予約を入れ直しても、いつ手に入るかわからないので、とりあえず、上巻だけで感想をまとめておきたい。
 
この本は、世界に広がる地域格差を生み出したものは何か、という人類史の謎を解き明かそうとした本である。進化生物学、生物地理学、文化人類学、言語学など様々な学問の深い知見からのアプローチが実にダイナミックで面白い。ただし、翻訳が固すぎて読みにくいのが難点である。
 
この本を書くきっかけとなったのは、1972年7月、ニューギニアの「ヤリ」という男性と作者との会話である。ヤリは、ニューギニアから一歩もでたことがなく学校も、高校までしか行っていなかったが、優れた政治家で、賢い人であった。彼は、作者にこう尋ねた。
 
「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」
 
ニ世紀前まで、ニューギニア人は石器に似た道具を使い、集権的政治組織を持たない集落社会で暮らしていた。そこへ白人がやってきて、集権的政治組織を押し付け、鉄の斧、マッチ、医薬品、衣服、飲料、傘など様々な物資を持ち込んだ。白人はニューギニア人を「原始的」だとあからさまに見下した。
 
だが過去三十三年間、ニューギニア人たちと野外研究活動をしてきた作者は、彼らが西洋人よりも知的であり、周囲の物事や人々に対する関心も、それを表現する能力も上であると感じていた。人種による優劣という幻想を否定し、ヤリの質問に対する正しい答えを導き出すために、本書は書かれている。
 
地域格差は、直接的には銃や病原菌、鉄を始めとする技術、政治力や経済力の向上をもたらす技術を、ある民族は他の民族より先に発達させ、ある民族は全く発達させられなかったことによって起きている。だが、例えば青銅器は、ユーラシア大陸ではごく早い時期に誕生したのに、新世界では、かなりの時代を経てから、ごく一部の地域でしか登場せず、持たない人々もいた。それは、なぜなのか。
 
人類社会の差異に対し、生物学的差異に根拠を求める人種差別的説明を人々が信じ続けないために、詳細かつ説得力があり、納得出来る説明が必要である、と作者は考えた。それがこの本の動機である。
 
この本を読んでいる最中に、私はたまたまNHkのEテレ「100分で名著」でハンナ・アーレント「全体主義の起源」を見ていた。人種には優劣があり、劣った人種を絶滅すべきであるという恐ろしい思想が大量虐殺に繋がった経緯を改めて見た。それをなしたのが、平凡な、法的遵守を信じている陳腐な人間であることに、自分を含めた人間の本質というものへの恐怖を感じた。ジャレド・ダイアモンドが解き明かそうとしていることは、こういった恐ろしい間違いを二度と起こさないためである、と深く思い至った。
 
上巻は、古代史から始まり、平和的な民と戦う民との違い、スペイン人がインカ帝国を滅ぼした経緯、食料生産にまつわる謎、伝染病についてなどが書かれている。あらゆる学問体系に及ぶ解説は新鮮で躍動的とも言えるほど、興味をかきたてられるものである。
 
早く下巻が読みたい。と思いながら、今日、図書館に返却に行く私である。予約し直さなくっちゃ。
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2017.09.29 10:00

99名前探しの放課後

名前探しの放課後 上・下」辻村深月 講談社文庫

 

この本も「ぼくのメジャースプーン」と同じ、娘の置いていった本。前作が面白かったのでこれにも手を出した。で、思ったのは、この順番で読んだのは、正解である。
 
時空の歪みみたいな現象から物語は始まる。誰かが自殺することはわかっているのだけれどそれが誰かを限られた期限の中で探さねばならない。
 
幾つもの章に物語は分かれているのだけれど、章ごとに児童文学の題名が付けられている。例えば「秘密の花園」「裸の王様」「エーミールと探偵たち」「星の王子さま」など。またその章の内容が、ちゃんと物語とリンクしていて、絶妙である。この人、いっぱい本を読んできたのだろうなあ。
 
読んでいて、ちゃんとびっくりさせたり、ひっくり返したり、楽しませる要素はたくさんある。それぞれの人物がどうしてそんな行動をするかがちゃんと分かるし納得できる。なんだか嫌な部分も、どうしてなのかわかっちゃう。そういう点が誠実だと思う。
 
で、最終的に、なんだ、そうだったのか、と思って、この人たちの過去とこれからを知りたくなったりもする。うまいなあ。
 
うまいんだけど、大感動、というわけでもないよな。それはなぜなんだろう、と自分でも不思議である。何が足りないのかなあ。
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サワキ
転勤族なので、全国を転々として、今は夫婦二人の東京ぐらし。息子は北海道の大学院へ、娘は関西の大学へ旅立っていきました。読書とお笑いが好き。読んだ本の紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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