2008.11.07 10:49

 アメリカに史上初の黒人大統領が誕生しました。

 この選挙戦で僕が印象に残ったニュースは、下記のとおりです。
(ロサンゼルス 4日 ロイター記事からの引用)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 自身の暮らしを「ホームレスではないがそれに近い」と形容する元海兵隊員のフレデリック・ウィリアムズさん(43)。

 失業手当で何とか生活しているというウィリアムズさんは、所持品を詰めた小さな旅行かばんを手に人生初の投票を行った。

 ホームレス支援団体ロサンゼルス・ミッションの投票所からほど近い簡易宿泊所で生活するウィリアムズさんは、米国初の黒人大統領を目指す民主党オバマ候補に投じたという。

 「これは歴史的なことだ。自分もその一部になりたい」と語った。

 同投票所の周辺は米国で最もホームレスの人口密度が高い地域とされており、今回の大統領選で初めて投票するという人も少なくない。

 同地域では推定1万2000人の路上生活者がおり、その多くが精神的な問題を抱えているか、薬物などの乱用に苦しんでいる。

 地域の別のホームレス支援団体ミッドナイト・ミッションのスポークスマン、オーランド・ワード氏によると、4日の投票には前例がないほど多くの人が訪れたという。

 「しばしば忘れられ、米国民として持つ最も基本的な権利の1つを奪われてきた人々を(投票所で)見るのは非常にエキサイティングだ」と述べた。

 ミッドナイト・ミッションの投票所では、午前中に300人以上が投票に訪れた。

 投票者の多くはホームレスだが、前回の大統領選で1日に訪れた投票者のすでに10倍だという。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 現在43歳になる僕の世代だと、なんだか本宮ひろ志さん(作品に『サラリーマン金太郎』など)の初期の代表作『男一匹ガキ大将』を地で行く展開のように見えました。

 トップダウンで世界を変える強権型のリーダーではなく、草の根の市民たちのニーズを最底辺からくみ取ってボトムアップで世界を変える調整型のリーダーが、多くの人に望まれて誕生したということでしょう。

 マンガ『男一匹ガキ大将』は今でもネットカフェで読めますが、勉強のできない子が同じように勉強のできない子たちをまとめて社会にとって良いことをしようとします。

 喧嘩ひとつできない、勉強のできる子たちを無視する集団と闘い、喧嘩が弱くて受験秀才になるような子たちも守ってやることで、日本の子どもたちをまとめてしまうという壮大なストーリーなんですが、このように、自分とは違う境遇の人間に十分な配慮ができるのか、ということが、多くの人を味方につけるうえで必要不可欠なんですね。

 だから、オバマさんは演説で言いました。

「白人のアメリカとか、黒人のアメリカというものがあるんじゃないんだ。
 保守的なアメリカとか、革新的なアメリカがあるってことじゃないんだ。
 ゲイのアメリカ、ヘテロセクシュアルのアメリカがあるわけじゃないんだ。
 アメリカはアメリカさ。
 アメリカは合衆国なんだ」

 彼は誰が大統領になるかということよりも、いまアメリカにとって必要なのは、アメリカが一つになって緊急課題である景気対策に取り組むことだという「大義」を主張しました。

 誰もがそうだと指示できる文脈を強調すること。

 このシンプルな訴えに、アメリカの国民はオバマさんが黒人かどうかということをあまり問題にすることなく、本当に自分の国にとって必要な政策を実行できる人材としてオバマさんを選んだのでしょう。

 Yes.We Can!
(私たちはできるんだ!)

 オバマさんが繰り返したこの短くてシンプルな呼びかけは、今日の食事にも困っているようなひどい貧困にあえぐホームレスの心に、「俺たちだってこの生活を変えられる!」という希望の光を宿したように思うのです。

 オバマさんが強権で変えるのではなく、「みんな一緒にやろうよ!」「この国を一緒に変えようぜ!」と国民と共に歩む大統領の姿を明確にイメージさせ、中東に兵士を送りつけるブッシュ政権をはっきりと否定したわけです。

 ロイター記事の中で、「元海兵隊員」がホームレスに近い生活を送っていると紹介されていましたね。

 その彼は僕と同い年なんですが、同世代の実感でいえば、兵士として飯を食って国から勲章を受け取るような名誉なんか、何よりも自分自身に対して誇れる働き方ではないし、誰かに誇れるような生き方でもないんですね。

 自分一人が幸せなら、自分とは境遇の違うホームレスのことなんて興味すら持たないという従来型のリーダーを大統領にしてる場合じゃないっていう時代が訪れたってことなんでしょうね。

 日本でも、早晩、選挙が行われます。
 どの党の誰なら、貧しい人たちに関心を持った働きぶりを見せてくれるのか。
 そこを注意しながら、党首たちの発言を見ていこうじゃありませんか。

 オバマと仲良くなれる総理は、そういう人材のはずですから。
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