人脈を広げるための3つのポイント[2008年04月24日(木) ]

キャリア・アドバイザーの松尾順です。


「チャンス」はどこからやってくるのでしょうか?


おそらくほとんどの方は、この問いに対する答えがわかると思います。

そう、「人」(他人)です。


学生にしろ、社会人にしろ、毎日の生活は基本的に、人との関わりの中で営まれるものですよね。

ですから、チャンス(危機も)のほとんどは人がもたらしてくれるものです。

ですから、目の前の仕事をきっちり仕上げる能力だけでなく、様々な形で出会う人たちとの関係性を大切にすること、

そしていわゆる

「人脈」を広げること

が、キャリアデザインにおいて最も重要なことの1つだと私は考えています。



先日、若くしてある業界の有名人となり、自著の出版も果たした友人に自らのキャリアについての話を聞いたのですが、彼はこんなことを言ってました。


「人は、自分では偉くなれない。人が自分を偉くしてくれるんですよ。」


なお、ここで「偉くなる」というのは、社内的に昇進するという意味だけでなく、社外(世間)で

「多くの人に認められる(結果的に有名人になることもある)」

ということも含まれます。



さて、どうやって人脈を広げたらいいのでしょうか?

私自身も、自慢できるほどではないものの、そこそこ人脈は広いほうだとは思いますので、私の拙い経験も踏まえて、人脈を広げるための3つのポイントをお伝えしましょう。



1. 自分から会いに行く!
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じっと待っていても向こうから会いに来てくれるのは、有名人だけです。無名の若いうちは機会を見つけてどんどん自分から会いに行く。人脈を広げる第1のポイントは自分から動く、これしかありません。

ただ、最初は誰にどうやって会いに行ったらいいかわからないでしょうから、あちこちで開催されている「異業種交流会」をネットなどで探して興味を持った交流会にどんどん参加してみましょう。

最近は「mixi」や「gree」などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、たいてい交流会ごとのコミュニティが設置されていますし、ブログやホームページを開設しているところも多いので、どんな会なのか事前に調べることができます。


私は、20代前半、つまり20年ほど前から、いろいろと異業種交流会に顔を出してきましたが、当時は事前情報がほとんどありません。

そこで、人づてなどで会の名称や概要をざっくり聞いてみて、直感的に面白いと思ったら、とにかく試しに参加してみるということをやっていました。

それに比べると今は情報が豊富にあるので、面白い交流会を見つけるのがずいぶん楽になってます。


さて、交流会に初めて参加する時、主宰者の方に連絡を取ったり、初めて会場に行くのは結構勇気がいることです。私も小心者なので最初に連絡するときはとても緊張したものです。

でも、そもそも交流会は、人脈を広げることを目的に集まってきている人がほとんどです。ですから、新しい人の参加は大歓迎されるんですよ。

だから、そう思ってあまり考えすぎず、気楽に笑顔で交流会に
参加してくださいね。



2. 交流は、1度に数人以内と深く!
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講演会・セミナーの後、参加者同士の懇親会が開催されることがたまにあります。

これもまた人脈拡大を広げる絶好の機会です。

ただし、留意してほしいのは、名刺をたくさん集めることを目的にしてはいけないということです。

参加者の中で、たまたま近くにいた人でもOKですし、あるいは、自分と話が合いそうな雰囲気を持っている人にこちらから近づいていくのがベターですが、できるだけ少数の人と長く深く話しましょう

もちろん、話が合いそうだと思って声をかけたものの、あまり話が弾まなかったら、そこそこで挨拶して切り上げ、別の方にアプローチします。


私もつい先日、30人以上のビジネスパーソンが出席した某講演会とその後の懇親会に参加しましたが、懇親会では、キャリア関連の新しい取り組みをされている方とじっくり話しました。このため、初対面の人がほとんどであったにも関わらず、名刺交換したのは3人だけでした。

こうした懇親会は「名刺交換会」と銘打って行われることが多いのですが、この言葉に惑わされてはいけません。

そもそも名刺を集めるのが目的ではないはずです。人脈というのはただ会ったことがある、話したことがある程度では意味がありません。たまに食事でもしながら情報交換ができるとか、メールでたまにやりとりする位じゃないと本当の意味での「人脈」とは言えないのです。


私自身の経験からも言えるのですが、懇親会で会った人と一言二言会話を交わして名刺を交換するだけでは、なかなか上記のような段階まで進むことはないのが現実です。

翌日にはもはや顔も思い出せないような名刺をいくら持っていても自己満足に過ぎません。実は私も若い頃こんな過ちを犯していました。

しかし、ある時割り切ったのです。

ひとつの懇親会(パーティ)では、1人だけでも話があう人、連絡したいと思える人が見つかれば十分だと。

一度に短期間でたくさんの人脈は作れないのです。1人ずつじっくり育てるつもりであせらず取り組みましょう。



3. 自分の価値を高める!
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人脈をひろげる大前提となるのが、自分の価値を高めることです。

気の置けない幼馴染の友人とのつきあいはさておき、ビジネスシーンで出会う人々との付き合いは、双方にとってなんらかの実りがあることが必要です。

端的に言えば「GIVE & TAKE」でなければならない

こちらが教えてもらうばかり、与えてもらうばかりで、自分は相手に対してなんらの貢献ができない。逆の立場の場合もありますが、こんな一方的な関係は長続きしません。

みな忙しい中、限られた貴重な時間を取って人に会っているのです。

お互いに会えて、話せてよかったねという関係を維持するためには、まずあなた自身がそれだけの価値ある人間、言い換えると、

「魅力ある人間」(「外見」というよりむしろ「内面」的魅力が大事)

として認められるべく、日々研鑽を重ねる必要があります。


ある大手コンサルティング会社のトップコンサルタントは、

「人になるべく会わない」

という原則を持っているそうです。

これは別に人嫌いということではなく、人との付き合いにおいて自分が相手に何か提供できるものがなければ、相手から得られるものも少ない。

したがって、自分の経験の浅さを自覚し、まず勉強し、考えることを優先し、人と会う時間があまり多くならないようにしているとういうことなのです。

まぁ、ここまで自分に厳しく考えてしまうと、ほんとに人に会えなくなってしまいますので、もう少しゆるく構えていいと思います。


でも、人に会うとき、

「自分は相手に対してどんなお役立ちができるのか」

という意識は常に頭の片隅に置いておくべきでしょう。




以上、3つのポイントを踏まえて「人脈づくり」に取り組めば、お互い尊敬しあえるすばらしい人たちとの「質の高いつながり」ができることを保証します!

「開き直り力」を強化しよう![2008年04月17日(木) ]

キャリア・アドバイザーの松尾順です。


あなたは、これまでの仕事の中で、

「絶体絶命のピンチ」

に立たされたことがありますか?



数年前のことですが、ある量販店の販売予測システム開発担当者の方から次のような失敗談を聞いたことがあります。


この販売予測システムは、各店舗で販売している商品アイテムの販売数量を予測した上で、必要仕入数を自動的に発注する仕組みでした。

当システム開発導入初期の、まだ予測精度が粗く運用が不安定な頃、ある店舗の店長からこの担当者に怒りの電話がかかってきました。


店長によれば、1日1個も売れないような商品がトラック満杯で届いたということでした。

「こんなにたくさん仕入れちゃって倉庫にも入りきらないよ。どうしてくれるんだ!」

従来どおり人が判断していれば、せいぜい数十個の発注しかしない商品にも関わらず、予測システムに任せたために、数千個の仕入れを誤ってしてしまったのです(当初は、自動発注数をチェックする仕組みがまだ確立していなかったのです)。


このトラック数台分の在庫を結局どう処分したのか、詳しくは聞けませんでしたが、担当者の方は相当叱られたようです。

幸い、販売予測システムの開発は社長命令で行っており、こうした失敗を乗り越えなければ良いシステムができないことをトップが理解してくれていたおかげで、この担当者が責任を取らされることはありませんでした。

このシステムは、今では高い評価を受けています。



また先日は、学生ベンチャー時代に受注した案件で納期遅れを起こし、その後の対応にも失敗して関係がこじれてしまい、

「お金は払わない。損害賠償を求めて訴訟する」

とまで言われたことがあったという話を、代表者の方から聞きました。当時、まだ20歳そこそこの学生だったその方は、

「数百万の損害賠償を払うことになったらどうしよう・・・」

と相当落ち込み、悩んだそうです。

この事件も最終的には訴訟沙汰には至らず、現在は事業を急拡大させることに成功しています。



さて冒頭に「絶体絶命のピンチ」と書きましたけど、工事現場の仕事のように身体的な危険がある職場はともかく、デスクワーク中心の仕事で「命」を失うような危険というのはまずないですよね。

ですから、「絶対絶命のピンチ」というのは大げさな表現です。


さて、仕事上でなにかトラブルがあって、大変に困った事態になった時、やってはいけないことは、

「くよくよ悩んだり落ち込む」

ことです


いくら悩み落ち込んだところで事態はなにも変わらないからです。


悩んでいる暇があったら、事態解決のためにできることを考え、とにもかくにも動く。周囲の人にも積極的に相談すべきです。

ただ、そうはいっても、目の前の問題の深刻さがあなたを金縛りにしてしまい、どうにも動けないということもあると思います。

そんな時に効くのが、

「開き直り」

です。


具体的には、次のようにつぶやくのです。

「なにがどうなろうと、命までは奪われることはないさ!」

こう考えると、気持ちがすっと楽になります。

命さえ残っていれば、生きていさえすれば、たとえどん底に落ちてもやり直せないことはない。

行動する勇気が湧いてくるでしょう。



仕事上の失敗やトラブルで追い込まれた時、

「命まで奪われることはない」

と考える方法は、GMOインターネット代表の熊谷正寿氏がおっしゃっていることでもあります。

また、現宮崎県知事の東国原英夫氏は、

「失敗は自分を磨いてくれる、失敗してもいいじゃないか」

と開き直ることの重要性を指摘しています。



失敗を恐れずチャレンジ。

そして、さまざまな失敗やトラブルを乗り越える経験は、最もあなたを成長させてくれます。

大変な事態にいる時、

「命まで奪われることはない」

と冷静につぶやける力、すなわち

「開き直る力」

を強化しましょう。

「断り力」を強化しよう![2008年04月10日(木) ]

キャリア・アドバイザーの松尾順です。


過去のブログ記事の中で私は、

「学び続けること」

の重要性を手を変え品を変えてお伝えしてきました。

例えば以下の記事などそうです。


>> 『学び続けること』 (2007年2月15日)

>> 『キャリアの賞味期限の延ばし方』 (2007年6月21日)

>> 『英語学習は生涯プロジェクト』 (2008年3月13日)



なぜ学び続けるべきなのかの理由を改めてご説明はしません。


この記事をお読みになってるあなたは、「Z会キャリア開発コースBLOG」を訪問されているくらいですから、「学び」の重要性を多かれ少なかれ感じていますよね。


今の仕事をちゃんとこなすだけでなく、将来のキャリア&ライフプランを踏まえて、きちんと学びの時間を設け、焦らずじっくり学び続ける。

そうすれば、目先の変化に右往左往することことなく、幸せな仕事人生を手に入れることができます。


ただ、忙しい毎日、学びの時間を作り出すのは至難の業ですよね。特に困るのが、上司・同僚、友人・知人からの遊びのお誘いではないでしょうか?

時間が決まっている講座やセミナーがある日なら、

「用事がありますので・・・」

と言って比較的簡単にお誘いを断れます。

ところが、通信教育やeラーニングを受講している場合だと、時間の融通が利くだけに、

「まあ今晩はいいか」

とつい楽しく、楽なほうに流されてしまいがちです。


私自身、20代のころから通信教育講座をいろいろと受講してきましたので、自分の学習を優先し、遊びのお誘いを断る難しさを身を持って痛感しています。

とはいえ、流されてばっかりで勉強が進まないのは困ったものですよね。



そこで、私の経験を通じて編み出した、というのは大げさですが、「誘いをうまく断るための方法」をいくつかお教えしましょう。


1.自分で自分にアポイントを入れる


紙の手帳にしろ電子手帳にしろ、自分のスケジュールに書き込むのは、ミーティングなど、他人と会う時間だけの人が結構多いと思います。

でも、そうするとそれ以外の「空白の時間」は特にやることがないように見えてしまいますよね。

そのため、急な誘いが入った時など、

「まぁ、いいか」

となってしまうわけです。

そこで、例えば、夜9−11時のところに線を引き、

「学習タイム」

と書き込んでおきます。

これは、自分で自分にアポイントを入れることです。

こうして予定をあらかじめ明記しておけば、それを破ってまでお誘いに乗ることはなかなかできないはずです。

この「自分で自分にアポイントを入れる方法」、企画書作成など業務時間内で一人で集中して仕事したい時にも活用するといいですよ。

会社によっては、社員のスケジュールが全員共有できる仕組みを導入していますよね。そのため、自分一人でやるべき作業についてもきっちり時間取りをしてスケジュールに記入しておかないと、他人が勝手に入れたミーティングなどでどんどん業務時間が埋まってしまうことがあります。

そして結局、夜しか空き時間がなくなってしまい残業続き。勉強どころではなくなってしまいます。



2.罪のないウソ(ホワイトライ)をつく


資格試験が目前に近づいてきた。

今週はぜひとも集中して勉強したいというとき、もちろんそのことを正直に伝えて誘いを断れればいいのですが、あまり受験のことをおおっぴらにしたくないことがありますよね。

そんな時は、「罪のないウソ」をつきましょう。

例えば、

「今週は田舎から両親が来てまして、仕事が終わったらつきあわなければいけないんですよ」

など、誘った人が「それじゃあ仕方ないね」と簡単にあきらめてくれるようなウソです。

罪のないウソというのは、それで相手を傷つけたりしない、万が一バレても笑って許してもらえるようなウソで、以前もお教えしましたが、英語で「ホワイトライ」と言うのでした


ただし、ホワイトライは頻繁に使うとつじつまを合わせるのが大変になります。したがって、ここぞと言う時だけにやむを得ず使うというつもりでいてください。



3.断り力を強化する


仕事の納期やトラブルなどの理由でどうしても残業しなければならないといった場合を除き、そもそも終業後や休日はあなたの自由な時間です。

ですから、あなたがやりたいことを優先し、誘いを断るのはなんの問題もないはず。

ですから、本来は特に言い訳することなく、

「今日はすいません。またの機会にお願いします!」

と爽やかに言って失礼すればいいですよね。


ところが、相手との関係を気にしてなかなか断れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな人は、要するに「お人よし」な人です。

若いころの私もそうでしたので非難してるわけじゃないですよ。

むしろ、「お人よし」であることは、ある意味善良で愛される人柄ですから決して悪いことではないのですが、気弱さに乗じてあれこれ用事を押し付けたり、自分の楽しみのために振り回してくる人たちがいます。

そんな人たちに自分の貴重な時間を本当は奪われたくないですよね。

ですから、自分は気弱でなかなか誘いが断れないという人は、断りたい時には毅然と断る力を強化すべきだと思います。

他の方はあまり言いませんが、私は、

「断り力」

という能力もまた、社会人には必要だと思っているのです。


実は、断り力を強化するトレーニング方法があります。

これはある心理カウンセラーの方から聞いた

「気弱で人に振り回されてばかりで悩んでいる人」

にアドバイスするひとつの方法です。


最寄りのデパートのファッション売り場や洋服の専門店に行きましょう。服を見ていると店員さんが

「試着いかがですか?」

と聞いてきますよね。そうしたら、遠慮せず試します。それから、2時間ほどあれやこれや店員さんと一緒に試した後、

「今日はとりあえずいいです」

と丁重に、しかし毅然と言って店を出ます。決して買ってはいけません。

さんざん試着した上で、買わないで出てくるのがこのトレーニングの目的なのです。

この方法を何度か続けると、人の依頼や誘いを断るのが楽になるそうです。

もちろん、この方法もあまり頻繁にやると、店の迷惑になりますからほどほどにしなければなりませんが、気弱で人のお誘いや頼みが断れなくて困っている方はぜひやってみてください。

ABC理論で感情をうまくセルフコントロールしよう![2008年04月03日(木) ]

キャリア・アドバイザーの松尾順です。


この拙文を書いている今、外は雨です。

桜が咲くこの時期、結構雨が降りますよね。おかげで、満開の花びらが雨で無情にも散ってしまう。残念です。



さて、あなたは、「雨」が降ると憂鬱になるほうですか?


雨の日は身体が濡れるし寒いし、傘をさすのも面倒だから、雨を歓迎する人は少ないでしょうね。

でも、農業に従事する人にとって「雨」はまさに恵みの雨です。雨が降ってくれるおかげで農作物がすくすく育つわけですから、彼らに取って雨は喜ぶべき存在です。

改めて考えてみると「雨」が降ること自体は、私たちとは関係なく起きている自然現象ですよね。

ところが、雨で憂鬱になる人もいるし、大喜びする人もいる。つまり、個々人が、雨を「どう受け取るか」によって雨が引き起こす感情が異なってくるということです。



人によって異なる「物事の受け取り方」は、雨などのような自然現象の場合は「仕方がない」で済みます。しかし、人間関係についてはトラブルの原因になることがあります。


事実を元にした架空の話をご紹介しましょう。


某社に勤める鈴木さんが朝出社した時、別部署で働く同期入社の山田さんと廊下ですれ違ったので

「おはよう」

と挨拶したら全く無視されてしまったそうなんです。

鈴木さんは、

「あれ、自分は山田さんに何か嫌われることしたかな・・・」

と考えてしまい、

その日はちょっと落ち込んでしまいました。

ところが、後日、鈴木さんが山田さんとランチの際に会う機会があり、先日のことを話したら、山田さんはたまたまその日は体調が悪くて頭がぼっーとしていたため、鈴木さんの挨拶に気づかなかっただけだったのです。

つまり、

「山田さんに何か嫌われることをしたかも・・・」

というのは鈴木さんの単なる思い込みだったわけです。


上記のケースは、あとで誤解が解けたから良かったのですが、鈴木さんが山田さんに無視されたことに腹を立て、別の機会に山田さんに無視したとしたら、今度は山田さんが鈴木さんに腹を立て・・・となって、いつの間にか2人の関係が険悪なものに発展していたかも知れません。


私たちは、しばしば身の回りで起こる様々な出来事を自分の勝手な思い込みで判断しがちです。

しかも、物事を良い方に解釈するのならまだしも、どちらかと言えば悪い方に解釈しがちですよね。


 目の前を黒猫が横切った。
 なにか不吉なことが自分に起きるかもしれない。


こんな迷信の多くは、私たちの「間違った思い込み」が生んだものだと言えます。



心理カウンセリングに「ABC理論」というものがあります。


「ABC」は以下の意味です。

 A = Affairs(Activating events) ・・・ 出来事
 B = Belief ・・・ 思い込み
 C = Consequence ・・・ 結果として起きる感情や行動


鈴木さんと山田さんの話でいえば、

Aの出来事は、「山田さんが鈴木さんの挨拶を無視したこと」

Bの思い込みは、鈴木さんの「山田さんに何か嫌われることをしたかも」ということ

Cの結果は、鈴木さんにもたらされた「落ち込む」というネガティブな感情です。


この「ABC理論」が教えてくれること。

それは、前述したように、人に悩みや問題をもたらすのは、出来事自体ではなく、人が「それをどう受け取るか」であるということです。

ABC理論の専門的な説明は割愛します。

要するに、さまざまな出来事に対する自分の受け取り方次第で自分の感情が変わるのなら、それを逆手にとって、自分の感情のセルフコントロールに活用しましょう。


冒頭の「雨」(A:物事)で言えば、

どんなに雨が嫌でも、どうしようもないわけです。雨を止めることはできない。

だとしたら、

「雨のおかげでおいしい野菜が育つんだよなあ!」(B)

とポジティブな思い込みを持てば、

「まあ、雨の日もそう悪くない」(C)

と気分が滅入るのを避けることができますよね。


また、鈴木さんと山田さんの話のように、社会生活の中では、日々いろんな出来事(トラブルの種)が起きますよね。

明らかなトラブルはともかく、たいしたことのない物事のおかげで気分が落ち込んでしまった時は、ちょっと立ち止まってみて、

自分はひょっとしたら「間違った思い込み」で相手の態度や行動をネガティブに受け取っているだけかもしれない

と考えるのです。

そうすればずいぶん気が楽になります。

そして、どうしても気になるのなら相手に直接確認すればいいのです。案外、なんでもないことだったりすることが多いでしょう。



いわゆる「ポジティブ・シンキング」は、まさに、Bの「思い込み」をネガティブなものから、ポジティブなものに変えることに他なりません。


例えば、「仕事上で失敗した」という出来事に対しては、普通は落ち込むものですが、いつまでも落ち込んでいるのは無駄です。

しばらくしたら、つらい思いをしたけど、

「いい勉強をさせてもらった」

と考えを切り替える。

そうすれば、「次がんばろう」とまた仕事に立ち向かう元気を取り戻すことができますよね。


自分の感情をうまくセルフコントロールできるよう、ABC理論の考え方をぜひ覚えておいてください。