生きている実感と喜び、ワクワク、そして、自分の成長が実感できる「幸せなキャリア」を目指したいと思いませんか?
あなたの「キャリアデザイン」にきっと役立つ情報・ヒントを毎週お届けします。
※この記事は2007年8月30日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
成功者の多くは、成功の秘訣を聞かれて、「運がよかったから、ラッキーだったから」と答えます。これは、半分は謙遜が入っているでしょう。でも半分は本気でそう言っていると、私は思います。
改めて申し上げるまでもなく、私たちの人生は、100%自分の思い通りになることはありませんよね。経験的には、自分の願いどおりになることは全体の2割くらいに過ぎず、残りの8割は、周囲の人の反応や、状況やタイミング次第です。ですから、自分の思い通りになることもありますが、どちらかといえば、自分の思い通りならないことのほうが多い。
この、自分だけでは決まらない部分を「運命」と呼ぶわけです。そして、自分の都合のいい方向に「運命」が転んでくれた時、「運がよかった、ラッキーだった」ということになります。成功者は、文字通り、運がよかったのは確かです。
しかし、だからといって、
「なるほど、結局のところ人生の8割は運次第だとしたら、あまり努力してもしかたないな、運がやってくるのをじっと待つとしよう」
という考えは持たないでくださいね。
成功者は、決して「運」がやってくるのを待っていたわけではないのです。むしろ、「幸運」をがむしゃらにつかみにいっていたのです。もちろん、簡単に「幸運」がつかめるはずもありません。たくさんの「ハズレ(不運)」にがっかりしながらも、あきらめることなく「当たり(幸運)」が出るまで「くじ」を引き続けた人が成功者になった。
要するに、
「成功者とは、成功(当たり)を手にするまで、くじを引き続けた人」であり、
「失敗者とは、成功(当たり)を手にする前に、くじを引くことを断念した人」なのです。
実に単純なことですが、これは人生の黄金法則じゃないかと私は思っています。
さて、ここで「くじを引く」というのはどういうことでしょう?
社会の中では、「当たり」にしろ「ハズレ」にしろ、運のほとんどは「人」が持っています。ですから、「くじを引く」というのは様々な人に出会い、自分の思いを語ることです。そうして、その人が持っている「くじ」(=なんらかの情報や人脈のこと)を引かせてもらうのです。「当たり」か「ハズレ」かは事前にわかりませんが、いずれにせよ、「くじは引かなければ絶対に当たらない」のですから。
※この記事は2007年8月23日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
今回も、前回の「掘り下げ力」、および前々回「仕事の3つの喜び」と関連した話をしたいと思います。
中心テーマは、前回取り上げた「掘り下げ力」を生み出すエネルギーは何か?ということです。
さて、「掘り下げ力」とは、「物事を深く考えてみること」でした。そして、深く考えれば考えるほど、「そうか、わかったぞ!この仕事のポイントはここにあるんだ!」などと、新しく気づくことが増えてきます。まるで、「アルキメデスの原理」を発見して、湯船を裸で飛び出したアルキメデスのように、「発見の喜び」に満たされ、ますます仕事が面白くなってくるわけです。
ただ、前回にも書いたように、物事を深く掘り下げて考えるのはとても大変な作業です。しかも、かなり意識しないと、だんだんと考えなくなってしまうのが私たちの一般的な傾向です。
「人」は、というか、そもそも「動物」は、できるだけ無駄なエネルギーを使わないように毎日を過ごします。犬猫をはじめ、多くの動物が一日の大半を寝て過ごすのはそのため。動けば動くほど早くお腹が空き、またすぐに「えさ」を探しにいかなければならなくなりますから。「人」も同じように、本能的にはできるだけ行動しないことを選択しようとします。したがって、ものぐさ、ぐうたらな人は、ある意味「本能」に忠実に生きているのだといえます(笑)。
考えることも同じです。私たちは、なるべく「節約した思考」(節約思考)をしようとします。たとえば、歩くとき、「まず右足を30センチ先の地面に踏み出し、次に重心移動しながら、左足をさらにその前に出す・・・」などといちいち考えないですよね。また、横断歩道では、信号を見て「渡れ」は青、「止まれ」は赤、と無意識に判断して、その通り行動しています。横断歩道を渡るたびに、“なぜ「渡れ」は青で、「止まれ」は赤なのか?”などという疑問を考えていたら疲れてしまいますよね(笑)。
つまり、私たちの一日の行動のほとんどは「無意識化」されてしまうのです。そのほうが脳のエネルギーを消費しないからです。「先入観」「固定観念」は、こうした「節約思考」の結果ですし、「常識」に囚われてしまうのも、節約思考の結果だと言えます。
しかし同時に、私たちは逆の欲求も持っています。「未知なるもの」や「わけがわからないもの」「変なもの」が何なのかを知りたいという欲求です。すなわち「好奇心」です。「節約思考」が、できるだけ現状を楽に維持することに役立っているとするなら、「好奇心」は、現状を変革することに寄与します。実際、人の持つ「飽くなき好奇心」が、物事の不思議を次々と解明し、社会の発展をもたらしたのです。
さて、ここまで書けば冒頭のテーマの答えはおわかりでしょう。
「掘り下げ力」のエネルギーは、「好奇心」です。
自分のまだ見ぬ世界を探求したいという気持ちが、物事を深く考えるエネルギー=動機づけになります。
では、これまでの話をまとめましょう。「発見の喜び」を得るためには、「掘り下げ力」が不可欠である、そして、「掘り下げ力」を発揮するためには、根底に「好奇心」が必要ということです。
ところで、「好奇心」の強さは個人差が大きいようですね。私の知る限りでは、一流と呼ばれる経営者や専門家、芸術家、アスリートの方々は、皆さん、強烈な「好奇心」をお持ちです。好奇心こそが、新たなアイディア、工夫を生み出す原動力となり、成功につながったのだと思います。マネックス証券(株)の代表取締役社長、松本大氏などは、“経営で一番重要なのは「好奇心」である”と断言されているほどです。
この「Z会ブログsideB キャリアでざいんBOX」をお読みのあなたは、なんらかの学びに取り組まれている方ですよね。「学び」とは端的にいえば「自分にとって未知だったことを知ること、理解すること」です。したがって、あなたは、とても強い好奇心をお持ちの方だと判断することができるでしょう。どうか、その「好奇心」を失うことのないように。そして「掘り下げ力」につなげていきましょう。
※この記事は2007年8月16日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
前回の「仕事の3つの喜び」で、「発見の喜び」「創造の喜び」「上達の喜び」のうち、最も重要なのは「発見の喜び」だと、くら寿司社長、田中邦彦氏がおっしゃっていたことをご紹介しました。
今回は、「発見の喜び」について掘り下げて考えてみたいと思います。
さて、仕事の中で、「なるほど、わかった!こうすればもっと仕事がはかどる!」あるいは、「ここをおさえれば、いい商品ができる!」といった‘気づき’を得るのが「発見の喜び」です。実際、こんな気づきがあると仕事が楽しくなりますよね。
では、仕事の中でこんな気づきを得るために必要なことはなんでしょうか?それは、物事を深く考えることだと思います。私はこれを「掘り下げ力」と読んでいます。
話が飛ぶようですが、あなたは今どんな仕事をやっていますか?特に、一般に「単純作業」と思われている仕事に就いていらっしゃる方にお聞きしたいのですが、「こんな仕事、単純すぎてつまらない、深みがない」とか感じてませんか。
しかし、実は、ほぼすべての仕事の大半は単純な反復作業の繰り返しです。もちろん、イメージ的に華やかに見える仕事と、逆に、地味な仕事があります。しかし、仕事そのものはほとんどが単純作業なのです。でも、優れた仕事をする人に共通しているのは、その単純作業をとことん考え、深く掘り下げていることです。そして、よく考えられ、磨き上げられた単純な動きが、優れたものを生み出すのです。
今はもうどこで知ったのか覚えていないのですが、九州のどこかに「飯炊き名人」と呼ばれるおじいさんがいるそうです。あるオニギリ屋さんなのですが、ご飯を炊くのはずっとそのおじいさんの仕事でした。
「飯炊き」なんて実に単純な仕事ですよね。でも、「飯炊き名人」が作ったごはんは、誰もが認めるおいしさ。他の人には決して同じ味を再現できないのです。オニギリ屋さんは、その名人のおかげで繁盛しているということでした。
「飯炊き」という一見単純な仕事も深く掘り下げてみると、米の銘柄や産地の選定に始まり、使用する水、米の研ぎ方(手を入れる角度とか)、火の調節など、実はとても多様で、複雑な要素で成り立っていることがわかります。そのおじいさんは、これらのすべての要素についてとことん極めつくしているからこそ、最上のごはんが炊けるのです。
また、最近、京都の老舗料亭「吉兆」の総料理長、徳岡邦夫氏からも次のような話を聞きました。
吉兆は、一流と呼ばれる大学から数千人の学生が入社したいと応募するほどの人気企業ですが、そんな難関をくぐりぬけて入社した新入社員は全員、まず「お運び」(接客サービス)の仕事をします。この仕事も一見、調理場から客席へと料理を運ぶだけの単純作業に思えますよね。
しかし、徳岡氏は、A点(調理場)からB点(客席)と運ぶという業務をとことん掘り下げて考えることを社員に要求するのです。たとえば、A点の調理場では、接客している客の人数や食べるスピードなどに応じて料理を出すタイミングなどを的確に料理人に指示できなくてはなりません。また、B点の客席では、お客様に料理を存分に楽しんでもらうために、自分として何ができるのか、やるべきなのかを日々考え、学び続ける必要があるのです。
さらに、もうひとつ「C点」として、徳岡氏は、今の仕事のことだけでなく、視野を広げて、「吉兆」がやれること、やるべきことについて考えることも期待しています。こうすることによって、彼らは、一流料亭にふさわしい「最高品質のサービス」が提供できる人材として成長するのだと、徳岡氏はお考えなのでしょう。
私は思います。本当に「単純な仕事」はありません。
もしあなたが自分の仕事を「単純だ」と考えているとしたら、それはあなたの思考が単純なだけです。どんな仕事にも、深く掘り下げる価値のある複雑な内面を持っています。ですから、仕事の深淵が少しずつ見えてくると、次々と新たな発見がやってきます。
掘り下げるのは大変な作業ですが、その結果として「大きな喜び」が報酬として与えられるのです。
※この記事は2007年8月9日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
「なにわのエジソン」
との異名をとる人がいます。誰だかわかりますか?
それは、大阪に本社のある大手回転すしチェーン「くら寿司」の代表取締役社長、田中邦彦氏です。先日、テレビ東京の「カンブリア宮殿」にゲストとして登場されてました。
「くら寿司」には、他の回転すしにはない様々な独自の仕組みがあります。その多くが特許によって守られているから、簡単に真似できないのです。ただし、特許料に、毎月何十万円も払っているそうですが。
独自の仕組みとは、たとえば次のようなものです。
・注文がすべてタッチパネルでできること
(職人さんに声をかけなくてもよく、注文が簡単にできます)
・30分間回り続けて、手がつけられなかったすし皿は自動的に廃棄されること
(鮮度維持のため)
・食べた皿は、テーブルの所定の穴に投入すると自動的に代金が精算されること
(精算の手間や間違いがありません)
・モニターカメラの映像を通じて、各店舗のお客の入り具合や接客の様子、寿司の状態などを本部でチェックしていること
(店舗に何か問題があれば、すぐに電話をかけて指摘することができます)
これらの発案者が田中氏。だから、「なにわのエジソン」と呼ばれるんですね。
さて、カンブリア宮殿での田中氏の話の中で、強く心に残った言葉がありました。それは、仕事には、次の3つの喜びがあるということです。
発見の喜び
創造の喜び
上達の喜び
田中氏はそれぞれについて詳しい説明はされませんでしたので、私なりに解説を加えたいと思います。
【発見の喜び】
今まで知らなかったことを知ること、また、以前から知っていたことでも、、別の見方をすると新鮮な気づきがありますよね。田中氏は3つの喜びの中でも、この「発見の喜び」が最も重要だと言っていました。確かに、「なるほど、そういうことだったのか」という腑に落ちる発見体験があってこそ、新たなものを創造するきっかけができますし、上達のためのヒントもつかめるからです。
【創造の喜び】
創造とは、まったく何もないところから新しいものを作り出すことではありません。様々な知識や情報を新しく組み合わせるところから生まれてきます。一見、まるで関係なさそうなもの同士を組み合わせることで、新しい「何か」を生み出すというのは、一種ゲームに似た楽しさと喜びがあります。
【上達の喜び】
今までできなかったことが、ある日できるようになる。この喜びは、あなたも小さいころからいろいろな場面で経験されてきていると思います。自分の能力の可能性を試し、拡げていく中で、「上達」の実感が得られることは、「ようし、もっとがんばろう」というやる気につながりますよね。
あなたは、今の仕事でこれら3つの喜びを感じていますか?
もし、残念ながらあまり感じていないとしても、そのことををすべて会社や仕事のせいにしないでくださいね。発見、創造、上達のどれも、まずあなた自身の主体的な取り組みが必要なんですよ。
※この記事は2007年8月2日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
日本では、これまで「精神論」がずいぶん幅を利かせてきましたよね。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」
なんて言葉を運動部の鬼コーチなどから繰り返し聞かされた人も多いでしょう。
「人間気合だ、情熱を傾けよ。つべこべいわずに努力しろ!」という精神論を私は否定するつもりはありません。というのも、この社会の中で、拙いながらも様々な経験を積めば積むほどに私が痛感するのは、キャリアを磨き、自分を成長させるために最も大切なのは、「気合」「情熱」「努力」といったクサい言葉だということです。
なぜなら、「キャリア」にも、また「人生」そのものにも近道はなく、日々の泥臭い積み重ねの結果が長い時間をかけて実を結ぶ、これが真実です。したがって、地道な行動を持続する精神的な強さが必要だからです。
たまに、幸運にも、まさに運が良かったおかげで、たいした努力もせずに短期的な成功をつかむ人もいますね。しかし、彼らは没落するのも速い!成功するまでの期間が短ければ、没落するまでの期間も短い。逆に、成功するまでの期間が長ければ、成功も長く持続する。これが、成功の基本法則です。
ただ、やはり「技術」(テクニック)も同じように重要。仕事をする技術、学習する技術、コミュニケーション技術など、せっかくの努力も気合も情熱も、こうした技術が欠けていたら空回りします。無駄が多くなります。ですから、あなたが、今目指しているキャリアに対してあふれる情熱を持っているのなら、決して「技術」を軽視せず、貪欲に、様々な技術を身につけることをお勧めします。
ここで、以前、「カリスマ体育教師」として有名な原田隆史先生のセミナーで聞いた話をご紹介しましょう。
原田先生は、現在独立され、社会人や教師の指導に当たられていますが、それまでは、中学校の体育教師として、荒れる学校を建て直し「生徒指導の神様」と呼ばれ、また陸上部の生徒を鍛えて、数多くの陸上日本一選手を育て上げた人です。
さて、原田先生も若い頃は、「精神論」重視の強烈なスパルタ教育を実践していました。生徒からは、「ヒットラー」と影で呼ばれたほど。ところが、ある時、このスパルタ教育の問題点に気づきました。厳しい自分が目を光らせている時には、素直に言うことを聞く生徒も、原田先生が出張でいなかったりすると、とたんに手を抜き、さぼりまくるのです。「鬼のいぬまのなんとやら・・・」です。つまり、原田先生は、「精神論で強制的に生徒を動かすことには限界がある」ということに気づいたわけです。
そこで、原田先生は、精神論偏重を止め、生徒が立てた目標達成のために、自発的に行動を継続できるようになるための様々な「技術」を編み出していきました。その結果が、陸上日本一を生み出す成果につながったのです。
原田先生は、次のようにはっきりと言われました。
「何かを達成するためには、情熱だけではだめ、技術も必要です。」
キャリアを磨くためにも、同様に、「情熱」と「技術」の両輪を回しましょう。
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