生きている実感と喜び、ワクワク、そして、自分の成長が実感できる「幸せなキャリア」を目指したいと思いませんか?
あなたの「キャリアデザイン」にきっと役立つ情報・ヒントを毎週お届けします。
※この記事は2007年7月26日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
今日は、ちょっと説教モードです。あらかじめお断りしておきます(笑)
私は20-30代のころ、異業種交流会に盛んに参加していました。実は、私は決して社交的なほうではなく、どちらかといえば一人でいるのが好きです。基本的に内気な性格ですから、見知らぬ人と会うのは正直苦手です。でもそれじゃダメだと思い、荒療法のつもりで異業種交流会に参加していたのでした。
さて、そうやって参加していた会のうち、メンバーに積極的な参加を明確に求める会がひとつありました。入会に際し、その会のリーダーは、「この会は、何かを与えてもらうことだけを求めている受身の人ではなく、積極的に参加し、会に貢献する意思がある人だけに参加してもらっています。」と率直に言ってきました。私としては、そのやや高圧的な物言いにちょっとむっとしたものの、よく考えれば、そうした会はきっと有意義だろうと感じて早速入会を決めたのです。
実際、会の内容や運営はかなりしっかりしたもので、魅力的なメンバーが集まっていたと思います。ただ、しばらく参加して気づいたことがあります。積極的に参加することを入会時に約束しながら、結局のところ、自分が関心のあるテーマの時にしか顔を出さない人が多かったのです。その結果、参加者が2-3人だけの時もありました。
参加しない理由は多くの場合「忙しいから」ということでしたが、それは言い訳に過ぎないと私は内心感じていました。おそらく、真実は、忙しいんじゃなくて、「他にやりたいことよりも優先順位が低いから」ということじゃないかと思っています。もちろん、実際に仕事が猛烈に忙しかった人もいたと思います。しかし、会は週末の土曜か日曜に開かれていましたし、入会時にそのこともわかってたことですから、本当に顔を出せないことはなかったはずなんですよね。
私は、この会の経験を通じて、「忙しい」という言葉を自分では使わないことに決めました。「何かをやらない、あるいはできないのは、自分が、その優先順位を他のことより低く置いているから」という真実を直視することにしたのです。そうしないと、何事にも、「忙しい」ということを、何かをやらないことの言い訳として安易に使ってしまうからです。
あなたは、「忙しい」という言葉を言い訳に使ってませんよね。
単なる挨拶がわりとして使ったり、付き合いたくない人からの誘いに対して、「忙しいので・・・」と、相手を傷つけないように断る言葉として使うのなら問題ありません(こんなうそを「ホワイトライ」というんでした)。でも、たとえば、
「スキルアップのために英語力を高めたいと思ってるんですけど、忙しくてやってる時間がないんです。」
という言い方は、自分をごまかしている言い方です。こんな言い方をしているかぎり、あなたは自分を成長させることができません。そこで、上記の文章は、次のように言い換えることをお勧めします。
「スキルアップ[]のために英語力を高めたいと思ってるんですけど、他のことよりも優先順位が低くてできないんです。」
これ、ちょっと矛盾した表現に聞こえますよね。実際、矛盾しています。やりたいと思っているのに、優先順位が低いというのはどういうことなのか?優先順位が低いというのは、逆に言えばやらなくてもいいと思ってるんじゃないのか?
要するに、何かを行動に移せないのは、自分自身がその優先順位を落としているからなのです。
この点に気づくことはとても重要です。本当に何かをやりたいのなら、あるいは、やるべきだと思っているのなら、優先順位を上げて、それをやる時間を作り出すことができるはず。だって、どんなに忙しくたって、大切な恋人のためにはなんとか時間を作って会おうとしますよね?それは、恋人と会うことの優先順位を上げているということなんですよ。もし、「忙しい」という理由で会う時間を作らないとしたら、それは、「他のことよりも優先順位が低い」という判断を自分が下している真実を認める必要があります。
すなわち、「なにかをやれないのは優先順位を自分で下げている」という真実を認めることができた時に初めて、「ではどうしたら優先順位を上げ、行動に移すことができるようになるのか」(あるいは、そもそも、それを自分はやりたいのか?)ということをしっかり考えることが可能になります。すると、本当にやりたいこと、やるべきことをちゃんと行動に移せるようになります。「忙しい」という言い訳は不要になるのです。
※この記事は2007年7月19日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
私がいろいろと大きな影響を受けてきた東京大学教授、妹尾堅一郎先生は、キャリアについて語る時、よく次のようなことをおっしゃいます。
「若いうちに早々と人生のゴールを決めていいのは、メジャーリーグに行った松坂投手と、歌手の宇多田ヒカルだけだよ」
もちろん、松坂以外にも、先日のメジャーリーグオールスター戦でMVPを獲得したイチローもそうですし、歌手であれば、音楽に専念するため高校を中退したものの、あっという間にメジャーデビューを果たし、最新アルバム「Can't Buy My Love」も大ヒット中の「YUI」なども含まれるでしょう。
こうした人たちは生まれながらにしてスポーツや音楽の才能があり、若いうちからその将来性がはっきりしていた人々です。ですから、イチローのように、小学生の頃にプロ野球選手になることを決め、それ以外の道を考えなかったとしてもおかしくありません。
ただ、これらの、いわゆる「天才」と呼ばれる人たちはほんの一握りです。残りの大多数の人たちは、将来何をやりたいのか、何が向いているのかよくわかりませんし、確信も持てません。私自身も30歳過ぎまで、自分のやりたいことがよくわからないまま歳を重ねていました。
でも、それでいいのです。あなたが、小さいころからはっきりとわかる特殊な才能を持っていないのなら、自分が何をやりたいのかを焦って決める必要はありません。自分が何をやりたいのか、何が向いているのかは、ある程度試行錯誤をし、経験を積まないと見えてこないものだからです。
キャリアデザインでは、基本的にまず「自分のやりたいこと」(例えば、10年後の目標や理想像)を明確化するところから始めます。確かに、将来の目標は明確な方がいいです。しかし、どうしても明確化できないのなら、無理に決める必要はありません。むしろ、無理に決めるのは良くないと思います。
なぜなら、例えば私は「○○になりたい」と決めた瞬間に、他の仕事・職業の選択肢を切り捨ててしまうことになるわけです。心からその職業に就きたいと願い、適性もあると確信が持てるのならOKですが、もし、その職業に対する適性がないことが途中でわかったり、何らかの事情で願いが叶わなかったらどうしますか。もはや他の選択肢が考えられず、途方にくれてしまうことでしょう。
ですから、「優柔不断のススメ」です。
やりたいことがはっきりしないうちは、将来の進路を無理に一本化しない。「これしかない」と思い込みすぎない。いろんな可能性を考えて積極的に迷い、悩んでみる。もし、将来の目標を置くにしても「仮決め」でOKです。ただし、何をやりたいかわからないからといって、今の仕事に手を抜いたり、家に引きこもるのではダメです。目の前の仕事にベストを尽くす。そして、アンテナを高く張り、自分の関心の持てることにともかくも実際トライしてみる。前述したように、自分が何をやりたいのか、何が向いているのかは、自分で体験してみなければわからないからです。
実は、世の中で成功者と呼ばれる人たちの歩んできた道を聞くと、将来やりたいことが明確だった人はそれほど多くありません。自分が何をやりたいのかはよくわからないけれども、とりあえずその時々に自分の関心を引いたことにあれこれ手を出し、しばしば失敗しながら、少しずつ自分のやりたいことが見えてきたと語る人が多いのです。ただ、彼らに共通しているのは、その時々の仕事を通じて自分の能力を高め、可能性を広げてきたこと、また、様々な人との出会いを大切にしてきていることを忘れてはいけません。
実は、「優柔不断のススメ」は、2年ほど前、世界的に知られたキャリア研究の権威、米スタンフォード大学教授、ジョン・クランボルツ先生の講演で聞いた言葉です。私は、キャリアデザインにおいて、「優柔不断であること」を勧めるというのはすごいなと驚いたものです。
もちろん、これは日本語訳であって、原語は「OPENMIND」でした。日本語の「優柔不断」にはやや否定的なニュアンスがありますから「OPENMIND」という原語の方が、今回の拙文の主旨にはより適切かもしれません。
「OPENMIND」の意味を私なりに解釈すると、「世界に自分を開き、さまざまな可能性を探る生き方」のことだと考えているからです。
※この記事は2007年7月12日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
いきなりですいませんが、質問を投げかけさせていただきます。
“あなたは、なんのために働いているのですか?”
“あなたはその仕事(職業)をなぜ選んだのですか?”
なかなか即答しにくい難問ですよね。
しかし、人は「働くこと」について、「生きること」に関連した深い意義や意味を見出せないと、仕事をやる楽しみや喜びを見出すことができません。(このことは、若いうちはあまりピンとこないかも知れませんが)最初のうちは「お金」や「地位」などを手に入れるためといった、わかりやすい目的で頑張れても、いつかそれだけでは仕事に虚しさを感じるようになるものです。実際、仕事で大成功を収め、金も名誉も手に入れてしまったがゆえに、これから「何のために生きるべきか」に頭を抱える人は決して少なくありません。
ただ、不思議なことに、自分の心(私はあえて「魂」と呼んでいますが)の叫び(求め)に素直に従って行動し、歩んできたキャリアが順調だったにせよ、紆余曲折を経てきたにせよ、これが「天職」だと思える仕事に到達した人にとって、仕事の意味や意義を問う必要性は低くなるようです。おそらく、仕事が、自分の人生と不可分な存在に感じられるようになり、改めて「なぜ、自分はこの仕事を選んだのか、やっているのか?」を問い直す必要がないのです。
たとえば、コンテンポラリーダンスの世界で最近注目を浴びているダンサーの森山開次さん。
森山さんのダンスは、ダンスのことはよく知らない私が見ても、思わず引き込まれてしまう魅力を持っています。先日、森山さんの日常を追ったドキュメンタリー番組が放送されましたが、ご覧になった方はいらっしゃいますか。この番組の最後に流れた、森山さんの言葉もダンス同様に印象的でした。森山さんは、「なぜ、踊るのですか」という質問に対して、しばらく無言で考えた後、次のように答えたのです。
“踊りたいから踊るんです。はい。”
これは、森山さんにとって、「踊ることが自分の人生そのもの」であることがうかがえる言葉ですよね。つまり、踊る「意味や意義」を問い直す必要がないのです。なんともうらやましいことだと思います。
また、「ロック歌手」として超有名な矢沢永吉さんも、同じようなことをあるフリーペーパーのインタビュー記事で答えていました。
(ロックシンガーを目指した目的について聞かれて)
“最初はせいぜい、女にモテたい、これやってメルセデス転がせりゃ最高くらいのことよ。ただ、続けていく中で、違った何かに目覚めるから面白いわけ。で、長く続けていると、ロックシンガーが仕事であり、職業になる。曲を書く、コンサートを制作する、プロデュースできるのは手に職をつけるみたいなものだから。”
“だけど、好きじゃないと続かないし、辞められなくなるんだよ。金・女・車以外の何かに目覚めたら。それこそやみつき。それはコンサートの裏方さんたちも同じことを言いますよ。彼らは彼らで裏方病。他の仕事には就けない”
この矢沢さんの本質を突いた言葉で私は思いました。
仕事や職業を選ぶきっかけは、とりあえず何でもいいじゃないか。大事なのはとことんやってみることだろう。とことんやる過程で、その仕事の中に深い意義や意味を発見することができるようになる。そして好きになる。辞められなくなる。その仕事が「天職」と思えるようになる。その時、もはや仕事の目的は「仕事」そのものになっているのだろう。
実は、今の私の仕事も「天職」と自認できます。仕事の目的は、明らかに、金・女・車ではありません。(笑)仕事を通じて自分が磨かれ、昨日よりも今日、今日よりも明日と、着実に自分が成長している実感が得られることに大きな喜びを感じる毎日です。
今、誰かに「なぜ、あなたはその仕事をやっているですか?」と聞かれたら、森山さんと同じ答えになります。
“やりたいからやってるんです。はい。”
あなたも、自分の魂の叫びに従い毎日を完全燃焼して生きれば、きっと同じような心境になれる仕事に到達することができますよ。
※この記事は2007年7月5日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
私が、仕事についてよく使う比喩(たとえ)があります。それは次のようなものです。
「会社(職場)は、『舞台』である。その舞台の上では、『仕事』という劇が繰り広げられる。そして、あなたは、劇の上では『あなた自身』という主役を演じる役者である。」
つまり、仕事を「演劇」に見立てているのですが、このたとえからは、さまざまな「気づき」や「示唆」を取り出すことができます。
まず、役者のあなたにとっての「舞台」とは何なんでしょうか。
ひとことで言えば、「仕事」という劇を行うための「場」ですが、この舞台の形は様々です。大きかったり小さかったり、丸かったり三角だったり、波打っていたり・・・実にいろいろなタイプの舞台があります。
そこで、役者のあなたとしては舞台との相性が大事になってきますよね。私は大きいほうがいい、逆に小さいほうがいい、平らがいい、デコボコがいい、いろいろ好みが分かれるところでしょう。やりやすい舞台を選ぶことが必要になってきます。
また、今はこの舞台がいいと感じていても、自分の仕事の演じ方のスタイルが変わると、だんだんしっくりこなくなることもある。その時は、新しい舞台を探す時かもしれません。これは、「転職」を意味するわけですが。
ただし、どんな舞台が自分に合っているかは、駆け出しの役者(新人さん)には判断能力がありません。しばらくは、どんな形であれ、舞台に自分を合わせて演技力(仕事力)を高めることに注力すべきでしょう。自分の演技の下手なことを、「舞台が悪いから」などと舞台のせいにしないように。
そして、舞台で演じられる「仕事」という劇。
劇には「台本」がつきものですよね。しかし、本当の演劇と違って劇作家が「台本」を書いてくれるわけではありません。主役を演じるあなた自身が、自分のための台本を書かなければなりません。だって、自分の人生、自分のキャリアですよ。他人(親も含め)が書いた台本通りに、演じたくはないですよね?
でも、うっかり台本を書くのを忘れていると、他人の思い通りに演じざるを得なくなるような台本を書かれてしまいます。この「台本」こそが「キャリアデザイン」に該当します。自分のキャリアの設計は自分できちんと書く。他人に書かせてはいけません。
GE(General Electric)の元CEO、ジャック・ウェルチ氏が言った、次の言葉を胸に刻んでおきましょう。
“Control your own destiny, or others will.”
- あなた自身の運命は自分でコントロールしなさい、さもなければ他人にコントロールされるよ -
さて、台本について留意しておきたいのが、本当の演劇と違って、細部まで書き込んだ台本は作れないという点です。「仕事」という劇の台本においては、せいぜい各章のタイトルや場面展開といった大まかな流れしか書けません。ですから、あとは、成り行きまかせ、他の役者さんたちと即興劇を行わざるを得ないのです。
なぜそうなのでしょうか?
それは、第一に、会社(職場)という舞台は外に開かれているからです。いわば野外劇のようなもの。雨が降ったり、灼熱の太陽に照らされたりと、環境がどんどん変化していくので、その変化に合わせて演技を柔軟に変える必要があります。固定された台本はかえって役に立ちません。
第二に、主役のあなたと絡む他の役者さんたちは、あなたから見れば「脇役」ですが、他の役者さんもそれぞれ、自分の人生、仕事の「主役」という意識で関わってきます。つまり、各役者は、自分が「主役」となっている台本を持ちつつ、舞台(会社)では共演するのが、「仕事」という劇の複雑なところです。時に人気の役柄(社長とか)を巡って争そうことも起きる。ですから、劇がどう展開していくかは、あなたの動きやせりふと、それに対する共演者の反応次第でどんどん変わっていくのです。
「仕事」という劇においては、大きな流れを自分で押さえつつ、即興での立ち回りの良し悪しが問われていくということがいえます。
さあ・・・
あなたはどんな舞台に立ちたいですか?
どんな劇の台本を書きたいですか?
その劇で、あなたはどんな役柄を演じたいですか?
その劇で、あなたなどんな役者と共演したいですか?
仕事という演劇のたとえで、キャリアを考えてみるのは結構楽しい作業ですよ。
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