生きている実感と喜び、ワクワク、そして、自分の成長が実感できる「幸せなキャリア」を目指したいと思いませんか?
あなたの「キャリアデザイン」にきっと役立つ情報・ヒントを毎週お届けします。
※この記事は2007年4月26日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
小学生の長男と一緒に、公園など広いスペースのあるところに遊びに行くと、だいたいいつも「パパ、鬼ごっこしよう!」と言ってきます。
子供のペースで遊びに付き合うとこちらは本当にヘトヘトになるんですけど、私と喜んで遊んでくれる時期はいつまでも続きはしないだろうなあ・・・。中学に上がれば口もきいてくれなくなるかもしれない・・・。そう考えると、子供の方から誘ってくれるうちが花ですね。(笑)
さて、鬼ごっこは、片方が逃げ、もう一方が追いかけるという実に単純な遊びですが、通常、まず最初に「逃げられる範囲」を決めますよね。「芝生が生えているところだけ」だとか、「大きな遊具から降りてはいけない」とか。
この取り決めがないと、どこまでも逃げられるので追いかける鬼は面白くないし、逃げる方だって、実はあまり面白くありません。ある限られたエリアの中での追いかけっこだからこそ、右か左か、どちらに逃げるかの瞬時の判断や、鬼との駆け引きを楽しむことができるわけです。
つまり、一定の「制約」があるから遊びが面白くなる。これは、高度な遊びとも言える「スポーツ」でも同じですね。いわゆる「スポーツ・ルール」は、“XXXしてはいけない”といった「制約条件」を決めたものに他なりません。たとえば、サッカーの「オフサイド」というルール、これは、わざわざ得点が入りにくくするために設けられたもの。でも、だからこそ、手に汗握る緊迫のゲームになるのです。
こうした、「自らの行動を縛る‘制約’があることで、むしろ楽しみが増す」という真実、これは、キャリアにおいても深い示唆を与えてくれます。
そもそも、あなたの持って生まれた身体、頭脳、出自などは、見方を変えれば‘制約’です。ある程度は変えられるけれども、大きくは変えられないものです。
簡単な例で言えば、あなたが「人間」として生まれた以上、鳥のように手をはばたかせて飛ぶことは、どんなに筋肉を鍛えたってできない(それでも「飛びたい」という人の強い思いが、飛ぶ機械、すなわち「飛行機」を発明することにつながるわけですが)。
そしてまた、いま所属している会社・組織での仕事や上司、同僚、部下、取引先なども短期的にみれば、あなたにとっての‘制約’ですよね。しばしば、あなたがやりたいことの障害になることがあります。
もちろん、別の部署に異動させてもらったり、転職すれば、仕事の内容や、関わりあう人々を入れ替えることはできますが、そうホイホイ仕事や会社を変わるわけにもいけない。しかも、新しい場所では別の新たな制約に囲まれる。つまり、私たちは、自分ではどうしようもない制約だらけの中で生きているのです。
ですから、こうした‘制約’を「自分の思いが実現しない言い訳」にして愚痴ってばかりいるのか、それとも、この制約を逆手に取って「うまく自分の思いを遂げようとする」のか、‘制約’との付き合い方の違いによって、将来のキャリアに大きな差が出てきます。
たとえば、「上司が駄目だから、自分の仕事がうまくいかないんだ」などと言う暇があったら、「この駄目な上司をどうやってうまく使ってやろうか」と知恵を働かせる。そうして、上司の存在を「すてきな制約」に変えてしまうのです。
まあ、これは口で言うほど簡単ではないのは確かです。(正直、私だって、今でも自分の思いを阻む「制約たち」にしょっちゅうむかついています・・・)でも、冷静になって考えれば制約はあって当たり前です。どうせならゲームのルールと考えて楽しんじゃおうという考えで仕事をやった方がいいと思いませんか?
なお、「すてきな制約」という言葉は、世界的に有名な建築家、隈研吾氏がおっしゃった言葉です。建築の仕事もまた、ある広さの形状や大きさを持つ敷地や周辺環境、予算など「制約条件」が必ず存在します。でも、建築家としての腕の見せ所は、その制約条件を最大限に活かした設計をするところにあります。
先日、あるインタビューで「予算や敷地の制約がなかったら、どんな建築物を設計しますか?」と聞かれた隈氏は、次のように答えていました。
「それは困りますね。制約がないとかえって設計できない。だから、もし制約がなかったら、自分で探しにいきます。‘すてきな制約’をね」
私も、隈氏くらいの境地まで早くなりたいと思ってます。(笑)
※この記事は2007年4月19日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
今日は、フリーのホテルマン、すなわち「フリーランス・ホテリエ」として活躍されている江澤博己さんの講演会でお聞きした話をご紹介します。
江澤氏の仕事の原点は、「喜ばれたい」という気持ちだそうです。まさに、サービスを天職とすべく生まれてきた方だと言えるでしょうね!
さて、江澤さんは31歳で独立されていますが、独立直前までは新浦安のホテルで働いていました。
江澤さんがベルボーイ時代のある日のこと。
一人で宿泊していた妊婦さんが大阪の自宅に帰るため、チェックアウトしました。(浦安の実家に帰省されていたそうです)彼女の荷物を担当した江澤さん、身重の体で重い荷物を運ぶのは大変だろうと、JR新浦安駅の構内まで荷物を持ったままお供することにしました。さらに、江澤さんは妊婦さんと一緒に京葉線に乗り、なんと東京駅まで同乗、新幹線に荷物を乗せてお見送りしたそうです。(新大阪駅では、だんなさんがお出迎え)
妊婦さんは、期待を超える江澤さんのサービスに大感激され、以来、この妊婦さんとは手紙のやりとりをしているとおっしゃってました。ただし、ホテル側では、江澤さんが妊婦さんを東京駅まで送って戻ってくるまでの約2時間ほどの間、「江澤はどこに行ったんだ?」と大騒ぎだったそうです。(上司に連絡入れてなかったんですね・・・)
ホテルに戻った江澤さんが、果たして上司に叱られたのか、それとも褒められたのか、残念ながら講演会では話してくれませんでしたが、どっちだったんでしょうねぇ・・・?
この江澤さんのサービス、たった一人の妊婦さんのために2時間を費やしたわけです。サービスの生産性(効率性)的に見れば、「やりすぎ」なのかも知れません。
しかし、感激するサービスを受けた妊婦さんは、当然ながら江澤さん、そしてこのホテルの大ファンとなり、「東京に泊まるなら絶対このホテル」と繰り返し利用してくれたに違いありません。また、周囲にも好意的な口コミを広めてくれて、このホテルの評判をアップさせることに貢献したことでしょう。
江澤さんは、上記のようなエピソードを交えながらとても大事なことを教えてくれました。
それは、
お客さんにとって「ちょうどよい水準のサービス」というものがあるとして、それがどの程度であるかを知るには、実際にサービスを提供して、それに対するお客さんの反応を見ながら微調整していくしかない
と言うことでした。
ある時は、「サービスの行き過ぎ」でお客さんに気持ち悪がられた・・・客の立場で考えると、あまり気を回し過ぎたサービスは、「そこまでやらなくても」と感じることがありますよね。
またある時には、「サービスの足りなさ過ぎ」で、お客さんから叱られた・・・江澤さんは、こうした「失敗経験」を繰り返しながら、少しずつ「ちょうどよい水準のサービス」というものを体得していったというわけです。
すでにおわかりだと思いますが、先週書いた「失敗して賢くなる」のひとつの実例が、この江澤さんの話です。
江澤さんは、毎日のホテルマンの業務の中で、失敗を恐れることなく、「喜ばれたい」という真摯な思いを胸に、さまざまなサービスにチャレンジしました。彼の提供するサービスは、時に行き過ぎたり、足りなさ過ぎたりすることがあったけれども、そうした失敗を積み重ねたからこそ、行き過ぎない、足りなさ過ぎない「適切なサービス水準」を発見できたのです。
失敗することでしか見えてこないものがある。
これは、何についても言えることじゃないでしょうか?
※この記事は2007年4月12日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
唐突な質問で恐縮ですが、「コンピュータ」を賢くする方法を知ってますか?
すいません、いきなり変な質問で困らせてしまって・・・
そもそも、この質問に答えようとしたら、“「賢い」というのはどういうことか?”というのが気になると思います。
「賢い」というのは、基本的には、自律的・能動的に学習し、答えを見つけ出せる能力を持っているということだと言えます。
コンピュータは、日本語で「電子計算機」と呼ばれるように、高速で計算を行うことができる機械ですよね。ただ、どんな計算を行うかは、人間が事細かに指示・命令しなければなりません。ですから、コンピュータは、本来的に「受動的な機械」です。
では、受動的な機械に過ぎない「コンピュータ」を能動的に学習し、答えを見つけ出せるような「賢いコンピュータ」に変えるためにはどんな仕組みが必要なのでしょうか。
人工知能研究の第一人者、ロジャー・シャンク教授によれば、まず「目標」を与えることが必要です。次にその「目標」を達成するための「計画」を立てさせる。そして、その「計画」を「実行」させます。
この次が大事なのですが、当初の計画通りにやったからといって、目標が達成できることは少なく、たいていの場合は「失敗」するわけです。そうしたら、計画に戻ってその計画を修正させ、また「実行」です。この繰り返しで、だんだんと目標達成に近づいていく。
すなわち、「失敗」を繰り返すことで目標に近づいていけるような仕組みを組み込むことで、「賢いコンピュータ」が作れるということなのですね。
ロジャー・シャンク教授は、近年、人を相手とする「学習理論」の研究に力を入れています。なぜなら、‘学習する’ということについては、コンピュータも人も同じ手順を踏むからです。だから、研究分野が「人工知能」から「学習理論」に移っても、実際やってる内容は同じなんだそうです。
では、もう一度「賢くなる」、言い換えると「学習する」ために必要な手順を示しましょう。
1 目標を持つ
2 目標達成のための計画を立てる
3 計画を実行する
4 失敗する
5 計画を見直し実行する
6 4に戻る
↓
↓ (だんだんと目標に接近・・・)
↓
7 目標に到達する
ということになります。
さて、私が今回お伝えしたかったことは、皆さんが取り組まれている資格取得や、仕事上の能力開発などの学習行為は、「失敗の繰り返し」だということです。
よく、上司や先輩などに「失敗を恐れるな、どんどん失敗しろ」と精神論的に励まされることがありますが、別に精神論でもなんでもなくて、そもそも学習の本質は「失敗」にある。「失敗すればするほど、あなたは賢くなる」ということなんです。
だから、どんどん失敗しちゃっていいんですよ。ただし、目標を持つこと、そして失敗の原因を探って計画を見直すことは忘れないでくださいね。そうしないと「同じ失敗」を繰り返すことになります。このことは、「学習能力がない」と言いますよね・・・
なお、この「失敗して賢くなる」ということについて、あるホテルマンから聞いた面白い話を知っているんですが、長くなりますので次に回します。
お楽しみに!
※この記事は2007年4月5日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
私は音楽が大好きで、様々なジャンルの曲を聴くんですが、J-POPの中で好きなアーティストのひとりは、韓国生まれの女性歌手「BoA」です。
彼女は12歳の頃スカウトされ、それから中学・高校には行かず厳しいレッスンを続けてきたプロ。アイドル上がりの即席歌手と違い、実力は筋金入りです。
特に、あのファンタジックボイスがたまらない・・・
おっと、いきなり話がわき道にそれました。本題に戻します。
先日あるインタビューで、「BoA」は、
“うまくいってた時も、うまくいかない時もあったけど、だからこそ、自分の何が良かったのか、悪かったのかがわかるようになった・・・”
といったことを言っていました。
さすがですね。苦労人は違う。彼女は、今でこそ確固たる地位を築いているといえますが、ここまでくるまでに、やはり大きな好不調の波があったそうです。
いきなり「うまくいく」人は大変幸運な方です。
乗ってる時って、やることなすこと当たるもの。だからこそ、「なぜ自分がうまくいってるのか」が自分ではわかりません。でも、いつかは不調になる時期がやってきます。この時も、最初のうちは、「なぜうまくいかなくなったのか」、理由があまりよくわからない。
ともあれ、這い上がろうと必死にいろいろやっていると、再び好調の波に乗れる。しばらくして再び落ちる時期がある。また這い上がる。
こうしてうまくいく時、いかない時を繰り返しているうちに、少しずつ、自分がどんな行動をすることが好調を維持するために必要か、あるいは、不調から早期に回復するために何が有効かを判断できるようになっていきます。
つまり、好不調の波をくぐりぬけることによってのみ、私たちはよりよい生き方を学ぶことができるというわけです。
このブログを読んでくれてる方の中には、「いまどん底なんですよ」なんて愚痴りたくなるような人もいらっしゃるでしょう。
でも、人生なんてそもそも「うまくいったり、いかなかったり」するものなんです。どちらの時期でも、あなたは何かを得ている。学んでいるのです。
このことを忘れないようにしましょう。
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