生きている実感と喜び、ワクワク、そして、自分の成長が実感できる「幸せなキャリア」を目指したいと思いませんか?
あなたの「キャリアデザイン」にきっと役立つ情報・ヒントを毎週お届けします。
※この記事は2007年3月29日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
「朝まで生テレビ」でご存知の政治学者と言えば、東大教授、姜尚中(カン・サンジュン)氏ですね。姜さんの長身痩躯のダンディなルックスとクールな語り口は、男の私が見ても「かっこいいなあ・・・」と思います。
さて、姜さんは、先日の『R25』のインタビューの中で、
「仕事とは偶然の産物だ」
と断言し、次のようにコメントしています。
「自分に合っていて、なければ3度の飯ものどを通らないような仕事に最初から出会えることはまずない。だから、つまずいたってしょうがない。仕事との出会いには偶然が作用するものなんです。そこに疑問を持って折り合いをつけていく。能力でも運命でもない。たえず、偶然が働くんだという意識を頭のどこかにおいておいた方がいい」
実は、キャリア形成において「偶然」が占める割合が大きいということは、キャリア研究で今、最も注目されているテーマでもあります。(このことについては、また別の機会にお話しますね)
姜さんも、自分自身のキャリアを振り返ってみると、「偶然」の出来事や人との出会いが、今の仕事へとつながってきていることを実感としてわかってらっしゃるわけです。
そもそも、キャリアを100%、完全に計画(デザイン)することはできません。なぜなら、まず本当に自分がやりたいこと(ゴール)がよく見えていないから。
あなたもそうじゃありませんか?
もし、あなたのやりたいこと(ゴール)が明確であったとしても、どうやったらそこに行けるのか、きちんとした道筋がうまく描けないという問題にぶち当たります。キャリアや人生には、不確定要素があまりにも多すぎるんですよね。
ですから、行動に移す前に完璧なキャリア計画を立てようと考えなくていいんです。おおざっぱな計画でいいから、ともかくも行動することを優先する。そして、日々の偶然の出来事や出会いを大切に、それらを積極的に受け入れていく。
私は、「自分が何をやりたいかわからない」という時ほど、偶然の出会いの機会を自分でどんどん作りだしていくことが必要だと思っています。「何がやりたいかわからないから」と、何もやらないでいると、いつまでたっても「やりたいこと」が見えてこないからです。
何がやりたいかは、実際やってみないとわからない。だから、あまり深く考えず、どんどん外に出ていろんなところに首を突っ込んでみる。そして、あえて、その状況に巻き込まれてみるんです。
こうして、偶然に現れたことに無我夢中で取り組んでいると、そのうち、
「そうか、これが私の進みたい方向なんだ、やりたかったことなんだ」
という気づきが少しずつ生まれてきます。
私は、このような偶然の行動からキャリアの気づきを深めていくことを
「犬も歩けば棒に当たるキャリア」
と呼んできました。
例によって、私の「なんちゃってキャリア論」です。ただ、やはり、私自身の体験に基づいた自論ではあります。
私の20代は、面白そうと思ったイベントや集まりにはどんどん顔を出すようにしてきました。また読書についても、あえて無節操にあらゆるジャンルの本を手当たり次第に読むようなことをやっていました。資格の勉強なども、ちょっと興味を持ったらとにかくやってみることにしました。今でもこの軽率な行動はあまり変わりません・・・(笑)
もちろん、期待外れだったり、挫折したりと、徒労に終わることも多かったのですが、今につながる貴重な出会いがあったり、自分のキャリアの方向性を決める大きなヒントを拾うきっかけは、一見無目的で無駄に思える「犬も歩けば棒に当たる」的行動の中にありました。
毎日の自宅と会社を往復するだけの決まりきった行動の中には、なかなか偶然の出会いはありません。
ぜひ、たまにはふらふらと無目的に様々な場所に行き、いろんなことに首を突っ込み、あえて異質な人との出会いを求めてみませんか?
※この記事は2007年3月22日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
人の三大本能は、なんだかご存知ですか?
食欲
性欲
集団欲
上記3つなんです。「食欲」、「性欲」は説明不要だと思います・・・
最後の「集団欲」とは何なのかを端的に言い換えると、
「人は、一人では生きていけない」
ということです。
そして、この「集団欲」が満たされないこと、つまり「孤独を感じること」が、とりわけつらいことだと思います。孤独感が強いと、食事さえのどを通らくなるほどですから。
さて、この「孤独感」ですが、単に社会から隔絶して一人きりで生活している場合にだけ感じることではありません。
確かに、たった一人だけの毎日もつらい・・・
数年前に制作された映画、トム・ハンクス主演の「キャスト・アウェイ」では、フェデックスの社員として乗り込んだ輸送機が事故で墜落、彼だけが無人島に流れ着き、その後3年ほど一人きりの生活を送る姿が描かれていました。
ご覧になった方は覚えてらっしゃるとおもうのですが、彼はあまりの人恋しさに、一緒に浜に打ち上げられていたバスケットボール(米メーカーのウィルソン製)に自分の血で顔を描き、「ウィルソン」と名づけて手元に置きいつも話しかけていました。
しかし、私たちもまた、たくさんの人に囲まれて生きているにも関わらず、しばしば孤独感を味わいますよね。
それは、自分が認められない時や、無視された時です。
愛されることの反対は、「嫌われること」ではなくて「無視されること」だと言われますが、周りの誰からも相手にされず、まるで自分が「透明人間」になったような感覚ほどつらいものはないと思います。
だから、私たちは孤独を恐れるあまり、ついつい親兄弟や友人の考えや意見をそのまま受け入れてしまうことがあります。
本当は、自分の考えは違っていたにもかかわらず・・・
こうして、自分のやりたいことを断念してしまった人がいらっしゃるんじゃないでしょうか。
他人は、それぞれ勝手なことを無責任に言うものです。
ですから、たとえ、周囲から反対され、相手にされなくなるかも知れないと感じたとしても、あなたの夢をそうそう簡単にあきらめてはいけません。
幸せなキャリア、後悔しない人生を生きたいなら「孤独」を恐れてはいけないのです。
あなたのやりたいことが、本当にあなたらしく、また意味のあることなら、最後には皆も認めてくれることでしょう。
ですから、「孤独」を肯定的に受け入れる覚悟が必要なのです。
え、それってとても難しい?
そうですよね。
では、明治大学教授、臨床心理士の諸富祥彦先生のアドバイスに耳を傾けてみますか。
諸富先生は
「肯定的な孤独」
であるために必要な条件として、次の8つを挙げてらっしゃいます。
1 「分かり合えない人とは、わかり合えないままでいい」と認める勇気を持て
2 人間関係についての「歪んだ思い込みやこだわり」に気づけ
3 自分の人生で「ほんとうに大切な何か」を見つけよ
4 「自分は間もなく死ぬ」という厳然たる事実を見つめよ
5 「たった一つの人生という作品」をどうつくるか、絶えず構想しながら生きよ
6 ソーシャルスキルを身につけよ。他人の話を聞き、他人を認めよ
7 「この人だけは私を見捨てない。どこかで見守ってくれている」そう思える人を見つけよ
8 自分だけは自分の味方であれ。「自分を見守るまなざし」を自分の中に育め
これらは、よく読み返してみるとキャリアについてのアドバイスと言ってもいいくらいです。
幸せなキャリアづくりは、孤独を恐れず肯定することにあるのです。
なお、諸富先生のアドバイスについて詳しく知りたい方は次の本を読んでみてください。
すばらしい本です。
『孤独であるためのレッスン』
(諸富祥彦著、日本放送出版協会)
※この記事は2007年3月15日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
最近は、「競争はよくないこと」と考える人たちがいますよね。
差別やいじめにつながるということなんでしょうか。
確かに、将棋や囲碁、野球やサッカーなどのスポーツなどでは競争すると、勝者と敗者がでます。しかし、本来、勝ち負けと、差別やいじめは別の次元の話ですよね。
相手が誰であれ、また、どんな状況に置かれていようが、差別やいじめは良くないこと。それは、人間としての振る舞い方の問題です。勝負とは関係ありません。
さて、敗者になれば、誰だって口惜しい。
でも、「このままじゃいやだ」という気持ちが自分を成長させてくれます。
逆に勝者になってしまうと、ついつい慢心してしまいがち。
成長が止まってしまいます。
アテネ五輪の水泳で金メダルを獲得し、世界の頂点に立った北島康介さんも、その後2年ほど不振にあえぎましたが、やはり勝者になって気が緩んだことが原因だったようですね。
誰かに勝ちたい、負けたくないという気持ちは、キャリアアップのための大きな原動力になります。ですから、競争心を燃やすのは大いに結構。どんどん競争しましょう。
ただし、競争自体を目的にしてしまわないこと。
競争は、やる気を出すための単なる手段です。私たちは、競争を通じてそれぞれ自分自身を成長させているのです。
競争は人生を面白くしてくれるゲーム。勝ったり負けたり、波乱万丈だから人生は楽しい。起伏がある人生だから、自分らしさが磨かれるのです。
私は、キャリアデザインの講義で学生や社会人の方に、次のようなたとえ話します。
私たちは、別の自分だけの山に登っている。
一見、同じ山の頂を目指して、誰が一番になるか競争しているように感じるかもしれないけれど、実はそうじゃない。
それぞれ自分の山の頂を目指して競争している。
競争相手を見ると、彼・彼女は、自分の山じゃなくて、向こうにある彼・彼女の山を登っているのです。
そして、時々立ち止まり、「がんばってるかー」と手を振り合い、また自分の山を登りはじめる。
つまり、私たちはお互いに切磋琢磨し、時に励ましあいながら、それぞれ自分だけしか到達できない山頂に向けて登っているのです。
山頂についたら、自分の通ってきたルートを振り返ってみる。
そのルートこそ、あなただけのキャリア、人生です。
競争しながらたどり着いた先には、実は勝者も敗者もないのです。
※この記事は2007年3月8日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
ご存知だと思いますが、「飛行機」は滑走路を走って十分な加速をつけないと、離陸することができません。
まあ、そもそもジャンボジェットのような数百人もの乗客を乗せた「大きな鉄のかたまり」がよく空を飛べるものだと不思議でなりませんが、ともあれ、最初に地面を離れて浮かび上がるのが飛行機にとって一番大変なんですね。
だから、飛行機は離陸する時に最も大きなエネルギー、すなわち燃料を消費します。
しかし、いったん空に上ってしまえば、より少ない燃料でスイスイと飛行することができます。
このことは、何かを学ぶ時も同じです。
英語など、語学の勉強に取り組むにしろ、あるいは何か資格の取得を目指すにしろ、勉強を始めたばかり時期に最も多くの燃料を注ぎ込む必要があります。そうしないと「離陸」が難しいんです。
つまり、その勉強の面白さがわかってきて続けるのが苦にならなくなる時期がいつまでもやってこなくて、結局途中であきらめてしまうことになりがちなんですよね。
では、最初の時期にあなたが注ぎ込むべき「燃料」はなんだと思いますか?
それは2種類あります。
ひとつは、あなたの「時間」という燃料。
もうひとつは、あなたの「結果を焦らない気持ち」という燃料です。
まず時間という燃料の使いかたですが、何か新しいことを学び始める時は、最初に十分な時間を割いて、集中して取り組む方ことをお勧めします。
これは私自身の経験から言えることなのですが、勉強を始めたばかりの頃は、専門用語や独特の概念、言い回しに慣れないので、中身がさっぱり理解できず途方にくれるものです。
問題は、この最初に出会う壁、「そもそも何が書いてあるか理解できない」という状態が長く続くとやる気がどんどんさがってしまうことです。ですから、やる気が下がってしまう前に集中して学んで、学ぶ対象がおおよそどんなものかを漠然とでいいからつかむ。
これは、新しい土地に引っ越した時に、まず周辺をぐるぐる歩き回ってみてだいたいの土地勘をつかんでしまうようなものだと言えるでしょう。
こうして、学習対象の全体像がある程度見えてくると、何が書いてあるのかが分かり始めて、少しずつ面白くなってくるというわけです。
さて、もうひとつの燃料「結果を焦らないという気持ち」ですが、学び始めのころは、前述したように、専門用語や特有の概念に慣れることで精一杯で、なかなか実力がついているという実感を得ることができません。
そうすると、「やってもあまり伸びない」「やるだけ無駄だ」「自分には向いてないのかな」などと、どうしても悲観的な気持ちになって、やはりやる気が下がってきます。
そんな時、「離陸理論」を思い出して欲しいのです。これは、私自身の経験に基づく「なんちゃって理論」ですが、「飛行機は離陸に最もエネルギーを使う、でもいったん空に舞い上がって巡航高度に達すれば、はるかに少ないエネルギーで快適に航行できる」ということです。
同様に、なかなか学習の成果が見えてこない時には、「何事も最初は大変なのだ。ここを乗り切れば楽になる」と自分を鼓舞してあげましょう。
※この記事は2007年3月1日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。
こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
自分が取り巻く環境の変化に鈍感のままでいると、いつしか取り残されてしまう。こんな厳しい現実に立ち向かうためには、積極的に外の情報を入れましょうということを前回書きました。
ただ、日々のニュースとか出来事の表層だけを追っているだけでは、友達との雑談のネタにしかなりません。(それはそれで意味があることですけどね)
むしろ、集めてきた多種多様な情報のそれぞれの関連性や因果関係を考えて、社会や経済の大きな方向性を見極めることが必要になってきます。
「社会全体としてどんなところに私たちは向かおうとしているのか」
というマクロトレンドが見えてこそ、そのなかで自分がどのような働き方、生き方をするのが「自分にとっての幸福」につながるのかが、わかるというわけです。
そこで、今日は、「私たちは、どんな時代を体験してきたのか」について、わかりやすい喩えでご説明しましょう。
最初の時代は「足腰の時代」です。
足を使い獲物を狩をし、腰をつかって鍬を振るい畑を耕す。
人はまず、足腰を使って生計を立てていた。
教科書的にいえば、第1次産業、農林水産業が主流の時代。
次にやってきたのは「手先の時代」。
手先を使って様々な道具が作られ、ついには陸を高速で走る自動車や空を飛ぶ飛行機さえ人は製造できるようになりました。ものづくりの出発点は、人だけが持つ手先の器用さ。
第2次産業、すなわち製造業が発生。「工業化」進みました。
その次は、「口先の時代」。
サービス業の時代です。工業化の進展で人が金銭労働者化し、従来は家庭内でまかなっていた様々なこと、飲食をはじめとして様々なサービス業が主流となってきました。
サービス業は基本的に人を相手にしますから、接客技術、つまり口が達者でないと駄目ですよね。
第3次産業。
そして、今の私たちがいる時代は「頭脳の時代」です。
IT化の進展ともあいまって、知識や情報が富を生み出すようになりました。
情報産業の会社や経営コンサルティング会社は、頭脳を駆使することで報酬を得ていますよね。
今、脳トレとか、頭脳に対する興味関心もずいぶん高まっていますが、まさに「頭脳の時代」だからでしょう。
第4次産業と呼ばれることがあります。
このようにして、社会・経済の主役は移り変わってきたわけです。もちろん、いまでも1次、2次、3次産業も社会の中で不可欠な役割を果たしています。ただ、すっかり成熟した産業だけになかなか新規参入が難しいし、面白い仕事の空きがないことが多い。(常識のスキをつくことで新たなビジネスを立ち上げることは可能ですよ)
やはり、大きな参入余地があり、変化に富むのは新しい産業ですから、どんな産業分野が今後伸びるそうなのかということについてぜひウオッチしておくことをお勧めします。
さて上記の「足腰の時代」から「頭脳の時代」までの話は、弁護士として著名な高井伸夫先生からお聞きしたものですが、私は、これにもうひとつ、これからやってくる時代を追加しています。
次にくる時代、すでにその萌芽は見えていますが、なんだかわかりますか?
それは「心の時代」です。
特に先進国にあてはまることですが、モノよりも精神的な豊かさや癒しがこれからますます必要とされてくる。高齢化社会も進みますし、関心は外側ではなく、自分自身、すなわち体や心の健康やよりよい幸福に向かうのです。具体的な産業分野や職業としては、介護・医療関連、心理カウンセリングなど、さらに言えば、芸術やエンタテイメントもそうです。
さて、あなたは、こうした時代の変化の大きなトレンドの中でどこに向かいますか、向かいたいですか?
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