バーチャルな情報とリアルな情報[2007年02月22日(木) ]

※この記事は2007年2月22日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


前回、「学び続けること」が、キャリアづくりにおいてとても重要だということをお伝えしました。


「学び続けること」の目的を簡単に振り返ると、それは、現在、また将来において「他の人の役に立つ能力やスキル」を提供できるためです。別の言い方をすれば、「他の人が必要とする能力やスキル」を提供できるためには、「学び続けること」が必要だということです。


自分を取り巻く環境はどんどん変化していますよね。そうすると、他の人が必要としている能力やスキルもどんどん変わっていく。そんな中で、自分も同じように変わっていくことができなければ取り残されてしまう。


厳しいようですが、これが現実です。


さて、自分が変わるためには、新しい情報を自分に入れることが必要になってきます。(学問のような「学習」は、「体系的な情報」を自分に入れることですね)外部からやってくる新たな情報を遮断し、毎日同じことを繰り返しているだけでは自らを変化させることはできません・・・


新しい情報は、いわゆる「学習」はもちろんのこと、本・雑誌を読んだり、インターネットを見たり、あるいは人の話を聞いたり、また自分で実際に体験することなど、さまざまな方法で仕入れることができますよね。


ただ、最近は、インターネットであまりに多種多様な情報が簡単に入手できるので、ネットに過剰に頼りすぎてしまっている人が増えているようです。これは問題ですよ。


なぜなら、ネットだけでなく本・雑誌も同じですが、こうした情報源は効率的に情報が収集できるものの、あくまで他人がもたらす「間接的な情報」に過ぎないからです。ですから、ネットや本・雑誌で読んだだけでわかった気になってしまうのは危険。それは、他人のフィルターで選別された情報をただ丸ごと受け入れていることになるからです。


やはり、一番貴重で価値があるのは、自分の5感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、肌感覚)を通じて仕入れた実体験です。自分自身のフィルターを通じた直接的な情報こそ最も信頼できる情報であり、自分をよりよい方向に変える大きな力になってくれます。


もちろん、ありとあらゆることを自分で体験するわけにはいきませんから、ネットや本の活用は多いにやりましょう。しかし、同時に、自ら体験する直接的な情報収集も貪欲に行うことをおすすめします。


卑近な例で言えば、ネットで料理がおいしそうなレストランを見つけたら、足を運び、自分の舌で味わってみるのです。他のことでも同じように、できるだけ実際にやってみる機会を増やす。実体験は、薄っぺらな情報に厚みを出すことを可能にします。


そういえば、むかし、寺山修司という詩人が「書を捨てよ、町へ出よう」というタイトルの本を書きました。このタイトルは有名ですので、ご存知の方も多いと思います。私はこの本を読んだわけではないのですが、どうやら、「読書をするな」いうことではなくて、「本も読め」、そして町にも出て、「自らの目でも世の中を見ろ」ということらしいです。


自分の体験することはリアルですが、それ以外はすべてバーチャルと言うことができますよね。
そう考えると、ネットも本も、他人の話も、自分にとってはバーチャルな情報。こうしたバーチャルな情報が氾濫する今こそ、リアルな情報をもっと集める必要があるんじゃないでしょうかね。


「キャリアデザイン」のヒントも、ネットだけじゃなく町の中にもゴロゴロ転がっていますよ。特に人との出会いの中に!


ちょっと自己否定するような内容になりましたが、今後とも私のブログをごひいきに。(笑)

学び続けること[2007年02月15日(木) ]

※この記事は2007年2月15日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。


先週末の3連休は、仕事の出張を兼ねて、熊本大学大学院(修士課程)の年に1度の合宿に参加してきました。

大学院(社会文化科学研究科 教授システム学専攻)には昨年(2006年)4月に入学しました。まもなく1年が過ぎようとしています。当大学院の講義はすべてネット上で開講されています。つまり、eラーニングで学べるわけです。それでも、働きながらの勉強は大変で、ひいひい言いながら課題に取り組んでいます。


eラーニングの場合、要するに通信教育ですから、先生方や同期の学生たちと顔を合わせることはほとんどありません。でも、ネット上でグループ学習をするなど、完全な独学ではないのです。そこで、強制参加ではありませんが、年に一度だけ、熊大キャンパスの演習室に集まって、各自の研究テーマなどの発表を行う場を設けてあるのです。


普段は、メール・掲示板でやりとりしているだけの先生方や同期の人たちと直接会い、また「ナイトセッション」と称する飲み会で酒を酌み交わすのは、やはりいいですね。デジタルに変換することのできない「人肌」を感じながらの交流も、たまにはないと寂しいものだとつくづく実感しました。


ちなみに、先生方も、また同期の学生のほとんどが中年男性です・・・(笑)



さて、私が40歳過ぎで大学院に入学した詳しい理由は別の機会にお話しするとして、その根底には、社会人になっても、また何歳になっても「学び続けること」が、キャリアづくりにおいてとても重要だということを私自身自覚していることがあります。


なぜ、「学び続けること」が重要なんでしょうか?
私は次のように考えています。


そもそものお話になってしまいますが、「仕事の本質」はなんだかわかりますか。それは、「仕事を通じて社会に貢献すること」だと思います。社会に貢献というのは理想論的な言い方に聞こえるかもしれません。しかし、そうじゃないんです。


「仕事を通じた社会貢献」をもっと噛み砕いて言うと、仕事を通じて、他人が「必要としている何か」を提供してあげることです。たとえば、人は生きるために、食べ物を必要としていますよね。ですから、米や野菜などを作っている農家の人や、魚を釣っている漁師はもちろんのこと、いわゆる「加工食品」を製造している食品メーカーも、食品を提供するという仕事を通じて社会に貢献しているということになります。


こう考えると、「仕事を通じた社会貢献」というのは、理想論でも、きれいごとを言っているわけではないことがおわかりいただけると思います。ただ、若いうちは、とにかく金儲けしたい、自分の好きなことがやりたいという気持ちばかりが強く、仕事を通じて社会に貢献するという感覚は薄いものです。これはまあ仕方がないことでしょう。私も若いころはあまりピンときませんでした。でも、ある程度キャリアを積んでくると、金を稼ぐこと以上に、「社会貢献」が大切だと考えるようになってきます。


この「仕事を通じた社会貢献」ができているかどうかを、よりわかりやすい質問に言い換えると

 「自分の仕事は、社会にとって役に立っているのだろうか?」
 「自分の仕事は、社会にとって価値や意味があるのだろうか?」

となります。
そして、こうした質問にイエスと答えられるかどうかが、仕事のやりがいや生きがいにも大きく関わってくるのです。


さて社会貢献、すなわち仕事を通じて、他人が「必要としている何か」を提供することが大切だとするなら、あなたには、「必要としている何か」を提供できるだけの能力・スキルを習得し、経験を積むことが必要ですよね。


学校とはその準備段階にあたります。学校で学んださまざまな学問は、他人が「必要としている何か」を提供するための基礎作りに役立ちますが、やはり実際に社会人として働く中で、本当の意味での能力やスキルを学んでいかなければならないのです。本当の意味というのは、能力やスキルは、他人にとって「役にたつ何か」を生み出すことにつながらってこそ価値を持つということです。


しかし、忘れてはいけないことがあります。それは、他人が「必要としている何か」は、時間がたつにつれて変化していくということです。昔は必要とされていたけれど、今は必要とされなくなったモノ、いわゆる時代遅れになったモノは思い出すだけでもたくさんありますよね。


同様に、あなたが今持っている能力、スキルもいつか時代遅れになるかもしれません。能力・スキルの種類によっては、あまり古くならないで長持ちするものもありますが、多くの場合、「その能力やスキルは今は必要とされていません」と言われてしまう日がくる可能性の方が高いのです。


だからこそ、将来に通用する能力・スキルを身につけるために、常に「学び続けること」が大事になってくるのです。


キャリアデザインの実現を支えるもの、それは、「学び続けること」だと私は確信しています。

「自分の人生」を生きよう[2007年02月08日(木) ]

※この記事は2007年2月8日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。


こんにちは。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。

テレビや雑誌などで紹介される「セレブ」な人たちの贅沢な生活。あこがれますよね!

 えー、年収○十億円だって!
 外資系企業の社長ってかっこいいなあ。社長室も広々してるし!
 プール付のこんな豪華な邸宅に住んでみたい!


そして、おそらく心の中でこんな思いがわきあがってくる人もいるでしょう。

 「あの人のように偉くなりたい!」
 「あの人のように有名になりたい!」
 「あの人のような金持ちになりたい!」


こんな気持ちを持つことは、決して悪いことじゃないですよ。
いわゆる「上昇志向」が、ハードな仕事にも打ち込める原動力になる場合もありますから。


私だって若いころは、そこそこの「上昇志向」がありました。
偉くなりたい、有名になりたい、とはあまり思いませんでしたが、「金持ち」には、やはりなりたかったです。
いまだってまだあきらめたわけじゃないし・・・(笑)


でも、「偉くなること」や「有名になること」「金持ちになること」は、自分自身が本当に求めていることかどうかについて、転職などの「キャリアの節目」にはじっくり考えたほうがいいですね。


これ、別の表現に変えるなら、
「偉くなったり有名になったり、金持ちになれたら自分は幸せか?」
という聞き方でもOKです。


もし、この質問に躊躇なく「YES」と答えることができるなら、迷わずセレブの道を目指しましょう!
応援します。
でも、そう聞かれると、実は「よくわからないなあ」という答えになるのなら、
「自分は、どんな人生であれば幸せを感じることができるのだろうか?」
についてしっかり考えたほうがいいです。
もちろん、これはとても難しい質問ですから、すぐに答えがでなくてもかまいません。


ただ、注意してほしいのは、周囲の偉い人、有名な人、金持ちな人にあこがれるだけじゃなく、その人の生き方をそっくり真似しようとしないことです。
人生の目標としての「ロールモデル」(目指したい人物像)を持つことはいいのですが、あなたはあなたです。
目標とする人そのものには絶対になれません。


ロールモデルそっくりになろうと努力する人、こんな人は「他人の人生、キャリアを生きている人」です。
自分の人生、キャリアを生きていない。
あなたには、あなた自身の、あなたらしい生き方、キャリアの積み方が別にあるはずなのに。


最初のうちはともかく、どこかのタイミングであなたのロールモデルを捨て、「自分らしい生き方はどんなものだろうか」、つまり「自分が幸せでいられる生き方、キャリアとはなんだろうか」ということをしっかり自分で考え、行動することが大事です。


自分の人生を生きましょうよ。他人の人生を生きないで!

ご挨拶と自己紹介[2007年02月01日(木) ]

※この記事は2007年2月1日に「キャリアでざいんBOX」で掲載されたものです。


「キャリアでざいんBOX」をお読みになっている皆さん、初めまして。
キャリア・アドバイザーの松尾順と申します。


今年(07年)2月より私が担当させていただく「キャリアデザインのはなし」では、皆さんのキャリアづくりのヒントになるようなことをいろいろと書いていきます。


今日は初回でもありますので簡単に自己紹介します。

出身は、福岡県の「八女」というところです。「やめ」と呼びます。「八女茶」の産地として知られています。まだ全国区のブランドにはなっていませんが、地元の人間に言わせれば、静岡のお茶より「八女茶」の方がおいしいぞ、などと勝手にライバル意識を燃やしていたりします。(笑)


現在、年は40歳ちょっとです。5年ほど前に、シンクタンク、広告代理店、ネットベンチャーなどを経て独立しました。事務所は、東大本郷キャンパス近くにあります。実質的には個人で仕事をしていますが、いちおう法人化しています。会社名は、「シャープマインド」です。


主な仕事内容は、大きくは2つあります。ひとつはアンケート調査や広告・販売促進の企画など、企業のマーケティング支援。もうひとつが、キャリアデザイン系のお仕事。今回のブログ執筆もその一環となりますね。


キャリアデザイン系の仕事としては、これまで、大手企業の社員さん対象の社内研修で、キャリアデザインの講師を勤めさせていただいたり、非常勤講師として大学生を相手にキャリアデザインの講義を担当してきました。また、弁護士さんに法律の相談をするのと同じイメージですが、社会人個人の方のキャリアデザインの相談に乗っています。(一般に「キャリア・カウンセリング」と呼ばれているものです)


次に、なぜ私がキャリアデザイン系の仕事に取り組んでいるかをお話したいと思います。一言で申し上げると、「私自身、自分のキャリアデザインに悩み、苦しんできたから」です。


私が新社会人となった20年ほど前、1980年代でしたが、まだ「フリーター」という言葉は誕生しておらず、転職は今ほど当たり前ではありませんでした。そんな時代に、多くの人と同様、私もまた「自分が何をやりたいかよくわからない」まま無我夢中で働き、会社を何社も渡り歩きながら、手探りでキャリアづくりをしてきました。


幸い、今の私は、これまでのキャリアを踏まえて、「今後どのようなキャリアにしていきたいか」について明確な夢と目標、そこにたどり着くまでの地図を持っています。でも、正直に告白するとここにくるまでにずいぶん時間がかかりましたよ。正直に告白すると、若いころからずーっと悩みっぱなしでした。「答え」が見つかったのはつい最近のことです。


これからおいおいお話していきますが、キャリアに正解はありません。「本人が納得できるキャリアであるかどうか」が重要です。したがって、誰か他人から「答え」を教えてもらうことはできず、自ら考え、悩み、じっくりと「自分なりの答え」を見つけていくしかないのです。


ただ、「自分なりの答え」を見つけるにあたって、役に立つさまざまな公式、つまり枠組みや考え方があります。あるいは、幾何学の問題のように、図形に「補助線」を引いたら突然答えが見えてくる、そんなありがたいヒントが世の中にはたくさん存在しています。私はそうした公式や補助線のほとんどを、時に手痛い失敗、時に成功した実体験を通じて学んできましたが、できれば、あまり痛い目には会わないほうがいいわけです。(笑)


そこで、私自身の体験に加えて、さまざまなキャリア関連の理論や実例を徹底的に学んで、今キャリアデザインに悩んでいる人たちに、キャリアづくりに役立つ公式や補助線の引き方をお伝えしたいと考えました。これが、キャリアデザイン系の仕事に取り組んでいる根本の動機です。ですから、こうしてZ会のブログでキャリアデザインについてのお話ができる機会をいただいてとてもうれしく、またワクワクしています。


私の目指すキャリアの理想は「幸せなキャリア」です。


必ずしも楽ではないし、大変な試練を乗り越えなければならない時もあるかも知れません。でも、生きている実感と喜び、ワクワク、そして、自分の成長が実感できるキャリア、そんなキャリアがあなたに幸せをもたらしてくれるんじゃないかと思います。


どうでしょうか。あなたも「幸せなキャリア」を目指したいと思いますか?


このブログでは、「幸せなキャリア」を目指したい方に役に立つ情報をお伝えするつもりですので、ぜひ、ブログの内容についての感想やご意見、質問などをお寄せくださいね。


よろしくお願います。