なんのために?[2008年07月24日(木) ]

キャリア・アドバイザーの松尾順です。


三重県・伊勢市で大人気のブライダルレストランを経営している中村文昭さんはご存知ですか?

実は、中村さんは、経営者としてよりも、講演者として知られています。

若い頃の波乱万丈のエピソードを関西人らしい巧みな話術で語る講演は、笑いあり涙ありで本当に楽しく、また感動的です。

このためあちこちから話を聴きたいとひっぱりだことなり、現在も全国を飛び回って、年間300本を超える講演を行っています。


私も以前から中村さんの大ファンです。

これまで合計10回くらい彼の話を聴きましたが、いつも単に面白いだけでなく、講演後、「ようし自分もがんばろう!」と元気をもらえるんですよね。

とはいえ、実はこの2年ほどなかなか話を聴く機会がなく残念に思っていたのですが、先日、中村さんの講演会に久しぶりに出席することができました。

中村さんによれば、現在「40泊41日」という、家に帰る暇のないロングラン全国講演ツアーの真っ最中ということでした。



今回の内容は、高校を卒業してから上京したばかりの頃、ブレーキの利かない自転車で図らずも防衛庁の敷地内に侵入して捕えられた話(もちろん、無罪放免されましたが)や、中村さんの人生を変える恩師との出会い、そして、恩師の下で八百屋の行商を始めてから飲食業の商売で成功を収めるまでの苦労話が中心でした。

私にとっては初めて聴いた話ではありませんが、何度聴いてもやはり最高に面白いですし、また新たな発見がありました。


さて今回、改めて私の心に最も響いたのは、中村さんが恩師から繰り返し問われた、

「なんのために?」

という言葉です。

「なんのために、その仕事をやっているのか?」
「なんのために、金を儲けたいのか?」
「なんのために、偉くなりたいのか?」


このように、自分が現在やっていることや、やりたいこと、目指していることの理由を中村さんは師匠からしつこく聞かれたのだそうです。


師匠が「なんのために?」という問いを通じて中村さんに伝えようとしたことは、目先の目標の先にあるもっと深い「思い」や「志」を持っておけ、ということでした。

例えば、金を儲けるのはいいけれども、お金自体は手段に過ぎません。

その儲けたお金を使って何をしたいのかが大事なのです。


師匠はいつも中村さんに次のように言っていたそうです。

“金は入り口よりも出口が大事だ。つまり、どれだけ儲けるか(入り口)よりも、そのお金をどう使うか(出口)でその人の人間性がわかるんだよ”

何事にしろ、その根っこに強い「思い」や「志」があれば迷いがありませんし、粘り強くそれをやり遂げることができるものです。

あなたも、漠然と何かに取り組むのではなく、常に「何のために?」という問いに対してすぐに答えられるようにしておきましょう。



ちなみに、中村さんのブライダルレストランにやってきたカップルには、

「なんのために結婚するの?」

と聞くそうです。

大抵、

「えっ、そんなこと考えたこともなかった」

とカップルは戸惑いますが、結婚する理由、すなわち、結婚についての2人の「思い」や「志」をとことん考えてもらうのだそうです。

そのおかげか、当レストランで結婚式を挙げたカップルの離婚率は極めて低いそうです。


また、中村さんの人生を変えた師匠は、田端俊久さんという方です。

田端氏の講演も以前一度聴いたことがありますが、さすが中村さんの師匠です。

スケールが大きく、また人間味あふれる内容に心が震えたことを覚えています。

田端氏もまた波乱万丈の人生を送られてきています。

今回、中村氏から改めて聴いた田端氏のエピソードを来週、ご紹介したいと思います。


>> 中村文昭さんWebサイト