キャリア・アドバイザーの松尾順です。
石倉洋子氏(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)に憧れている人がビジネスの最前線でがんばってる女性には多いですね。
私の顧問先の会社の女社長も石倉氏をとても尊敬しているそうです。
石倉氏は、上智大学卒業後、7年ほどフリーの通訳をやった後、バージニア大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。
さらに、日本人女性では始めて、ハーバード大学大学院の経営学博士(DBA)を取得されています。
そして、帰国後はコンサルティング会社、マッキンゼーでのコンサルタント経験を経て、大学教授に転身したという華麗な経歴をお持ちです。
私は一度、石倉氏の講演を聞いたことがありますが、洗練された身のこなしと、ロジカルかつ明快な語り口に圧倒されました。
キャリア志向の女性が石倉氏を尊敬し、憧れるのも当然だなと感じたものです。
さて、石倉氏は数年前、働く女性を対象とした講演で、世界に通じるキャリア、すなわち「世界級キャリア」を身に付けるために必要な5つの力についてお話されています。
そこで今回は、当時の日経新聞に掲載されていた上記講演内容についての私のメモをベースにして、
「世界級キャリアを身に付けるための5つの力」
について簡単にご紹介したいと思います。
もちろん、女性だけでなく男性にも通用する話ですよ。
石倉氏が考える5つの力は次の通りです。
1.現場力
2.表現力
3.時感力
4.当事者力
5.直観力
1.現場力
自分の目で現実を知る力。
現代は情報が豊富なため、情報を見聞きしただけで物事のすべてを理解した気になってしまう傾向があります。
しかし、聞いたことと現実が大きく異なる場合もよくあること。
ですから、実際に物事が起きている場所に足を運び、自分の目で確かめることが必要です。
この能力を育成するコツは、興味を持った人や物事があったら、即座に行動して会いに行ったり、その場所などに行くことだそうです。
2.表現力
自分の意見を簡潔、的確に相手に伝える力。
どんなに良い意見、アイディアを持っていても、それらを伝える力を持っていなければ宝の持ち腐れになります。
この能力を伸ばすためには、子供にも理解できるくらいわかりやすく話すように心がけることと、常に自分の考えを言葉に表すクセをつけることです。
セミナーや講演会に参加したら、質問する気持ちで聞き、疑問点があったら質問してみるのもいい、と石倉氏はおっしゃっています。
日記やブログを書くのもいいトレーニングになるでしょうね。
3.時感力
時間を有効に使う力。
石倉氏の造語。
限られた時間をいかに効率よく使うかを考えて行動する人とそうでない人では、仕事の量と質に大きな差がつく、と石倉氏は指摘しています。
この力を伸ばすには、物事の優先順位を考えて行動する、複数の作業を並行して勧めるなどの工夫が必要だそうです。
また、1日の中で、自分の能力が最も発揮できる時間帯を知り、その時間に集中して仕事をすることも有効です。
4.当事者力
自分だったらどうするか、を常に考える力。
これも石倉氏の造語。
何事も主体的に考えるようにすれば、自分の力で物事を進めていくことができるようになります。
また、他者の考えや意見にただ反対するのではなく、自分ならこうするといった代替案を出せるのも当事者力があればこそ。
この能力を高めるには、できるだけ多くの経験をして、当事者しかわかりえない気持ちを理解しようと努めること、またニュースなどを聞いたときに、自分だったらどうするか、を考えるクセをつけることが役立ちます。
5.直観力
物事の全体を見渡して、物事の核心となる部分を見抜く力。
変化が著しい現代では、これまでの経験や前例だけでは予測できないことが起こります。
したがって、自分の直感を頼りに物事を判断することが求められるというわけです。
直観力を磨くには、既成概念に捉われず、これまでの考え方をリセットして物事を眺めるようにすることが必要だそうです。
なお石倉氏は、上記の力を支える「土台」として、以下の2点を挙げています。
●基礎体力
定期的に運動し、適度に休養して健康を維持する。
●人生への基本姿勢
常にプラス志向。
昔は良かったと振り返るのではなく、この先はもっと良くなると考えて行動する。
以上、お読みになってどうですか?
5つの力は、どれもやや抽象的にお感じになるかもしれません。
しかし、逆に言えば、どんな仕事をやるにせよ必須の能力だと言えるのです。
これらの力を磨くことを意識して仕事に打ち込めば、グローバルで通用するビジネスパーソンにきっとなれますよ!
*上記“5つの力”の詳細は、下記の石倉氏の著作にも書かれているようですね。
興味のある方は読んでみてください(私は未読です)。
『世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派”プロフェッショナルのすすめ』
黒川清、石倉洋子著、東洋経済新報社
*石倉洋子氏のブログ
Yoko Ishikura Blog