キャリア・アドバイザーの松尾順です。
今でこそトップセールスとして鳴らす人でも、営業の仕事を始めた当時は泣かず飛ばず。半年、1年の間、1件も契約が取れなかったという話をよく聞きます。
当初全く売れなかった理由は様々でしょうけど、おおむね、
セールスパーソンとしてまだ未熟であり、営業活動の「ツボ」を掴めていなかった
ことに加えて、
お客さんの「購入したいタイミング」と、セールスパーソンの「売り込みタイミング」がずれていた
ということが大きいようです。
どんな製品・サービス分野にしろ、すでに何かしらの商品を利用している人が多い今、強烈なセールストークでプッシュすれば売れるということはまずありません。
「セールス力」だけでガンガン売れた時代は既に終わっています。
今は、いつかは買ってくれそうな見込み客と継続的にコンタクトを取りながら、こちらから強引に購入を勧めるのではなく、見込み客の購入したい時期(車で言えば、「車検」のような買い替えをしたくなるタイミング)がやってくるのを辛抱強く待つことがトップセールスの条件なのです。
これは、要するに「売り手」ではなく、「買い手」の都合を優先したセールスですよね。
すぐに成果(販売実績)につながらないため、セールスパーソン側には焦りや不安が生じてきます。
このため、どうしても我慢できない人は、強引な売り込みを展開してしまい、逆に見込み客から嫌われてしまいます。
また、売り手都合の発想にこだわり、すぐに購入してくれそうな新しいカモを常に探し続けているため、以前断られた見込み客が今になって「買いたい」と思い始めたのに、既に接触を断ってしまっているため、別のセールスパーソンに契約を持っていかれてしまうのです。
某生命保険のセールスパーソンは、買い手都合を優先し、見込み客の購入タイミングを待つ時期のことを
「肝試し期」
と呼んでいるそうです。
売れない時期の不安や焦りに打ち勝ち、営業活動が軌道に乗るまでの間、粘り強い営業活動を続けるためには、まさに
「肝が据わっていないとだめ」
なのです。
この「肝試し期」は、営業活動だけでなく、人生のあらゆる場面でやってくるものでしょう。
たとえば、語学や資格試験の勉強もそうですね。
勉強を始めたばかりの半年〜1年は、基礎を固める時期なのでなかなか成果が実感できないもの。
基礎的な事項だけに学習自体が退屈ですし、まだ全体像が見えないため、難しさばかりが先に立ちとてもつらい時期です。
このため、多くの人が3日坊主、3ヶ月坊主で終わってしまいます。
しかし、何事にせよ成功を収めたかったら、肝を据えるしかありません。
何事も最初はガマンです。
精神論を説くつもりはありませんよ。
うまく歯車が回り始め、楽しくなってくるまでの時期は、以前「離陸理論」の記事で書いたように、飛行機で言えば
「離陸のための滑走」
であり、最大の時間エネルギーの投下と、結果を焦らない気持ちを必要とするのです。
あなたが今、なんらかの状況で人生の肝試し期にいるのなら、毎日、丹念にやるべきことを続けましょう。
必ずあなたのガマンが報われる日がやってきます。
*「肝試し期」については以下の記事を参考にしました。
>> 起-動線 『人生の肝試し期』