キャリア・アドバイザーの松尾順です。
最近、テレビではクイズ番組が流行っているようですが、1970年代後半から80年代にかけて人気を博したクイズ番組の1つが
「クイズダービー」
です。
番組全盛期に10代だった私は毎週欠かさず見ていました。20代以下の若い方にとっては、あまりなじみがないかも知れません。
とはいえ、90年代前半まで続いた長寿番組ですので、小さい頃に見た覚えがあるという方もいらっしゃるでしょう。
クイズダービーは、大橋巨泉さんの軽妙な司会と、タイトルの「ダービー」の名の通り、競馬に見立てて、出題に対する各解答者の正解予想を「オッズ」として表示。
出演者が、オッズを考慮して正解してくれそうな解答者に一定の持ち点を賭ける、という仕組みがとても面白かったことを懐かしく思い出します。
さて、レギュラー解答者の中で、大学教授でありながら、しばしばトンチンカンな答えで周囲を脱力させていたのが、篠沢秀夫氏(学習院大学教授)でした。
番組では、愛着を持って「教授」と呼ばれていましたね。
先日、篠沢氏の話がネットのインタビュー記事として掲載されていて興味深く読みました。
>> 第3回 職人のように仕事を愛する──篠沢秀夫氏に聞く
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以下、簡単に記事のポイントをご紹介します。
篠沢教授は仏文学の研究者です。(ご存知でしたか?)
昭和30年代にはフランスに留学されていたこともあり、フランスの政治、経済、社会については当然お詳しい。
篠沢氏によれば、フランスと言えば、
「自由・平等・博愛」
という言葉が有名だけれども、現実は大変な「階級社会」なのだそうです。
現代は多少は変わってきているかもしれませんが、篠沢教授が留学されていた頃は、階級によって食事をするレストランが違っていたそうです。
また、企業社会でも、いい大学を出ればエリートとして最初から高い地位が約束されていますが、いわゆる「労働者階級」と呼ばれる人々は一生同じ仕事を続けるしかありません。
日本の場合、やはり階級社会的側面があるものの、本人の努力次第(運も含め)で社長にまでのぼりつめる可能性も残されていますよね。
したがって、フランスやその他の西欧諸国と比較すると、日本はかなり平等な社会だと言えるのだそうです。
一方、フランスと日本で共通している世界があります。
それは、「職人」なのだそうです。
ドイツで職人のことを「マイスター」と呼ばれているのをご存知の方が多いと思いますが、フランスでは「アルチザン」と呼ばれます。
優れた技を代々伝えてきたフランスの職人は、仕事に対する誇りを持っており、仕事のクオリティを高めようという意識も高いのです。
また、労働を「苦痛」と考える現場の労働者と異なり、フランスの管理職はすごく働くのだそうです。
職人にしろ、管理職にしろ、やりたい仕事ができている人にとっては、労働は苦痛ではなく「楽しみ」や「喜び」になるということでしょう。
これは、日本や米国でも同じですよね。
(ただし、篠沢氏の言う「管理職」というのは、役員クラスの地位に就いていて、かなりの裁量権のある人のことだと思いますが。)
さて、篠沢氏は若い人へのアドバイスとして、
「職人のように仕事を愛し、職人のように働くこと」
を勧めています。
これは、逆に言えば、
「自分が愛せるような仕事を選ぶべき」
という考え方につながるのかもしれません。
でも、私としては、特に若いうちは、今自分が就いている仕事を愛そうとする気持ちが必要だと思います。
つまり、どんな仕事であれ、なんらかの対価が得られる限り、それは決して無意味・無価値な仕事ではないことを認識し、「誇り」を持って「技」を磨くことにまい進すべきです。
一見単調でつまらない仕事に思える「コピー取り」や「電話番」などでも、「技」を磨く余地はおおいにあります。
大事なことは「どんな仕事をするか」ということではなく、「その仕事に対して自分がどのような態度で臨むか」ということです。
職人のように仕事を愛し、職人のように働くことは、現状に満足せず、仕事をよりよいものにしていこうとして、工夫改善を続けることだと言えます。
こうした働き方が身についていれば、どんな仕事であれ楽しいと感じられ、毎日活き活きと働けるでしょう。
そして、周囲もそんなあなたをちゃんと見ています。きっと、大きなチャンスが与えられる日がやってくるでしょう。
なんたって、篠沢教授が言うように、日本は他国に比べれば、はるかに平等なのですから。