生きている実感と喜び、ワクワク、そして、自分の成長が実感できる「幸せなキャリア」を目指したいと思いませんか?
あなたの「キャリアデザイン」にきっと役立つ情報・ヒントを毎週お届けします。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
2年間にわたって「キャリア」に関する記事を投稿してきましたが、実は、今回が最後となります。
そこで今回は、最近私がますます重要になってきたと考えている、今後のキャリアデザインにおける「基本的な方向性」についてお伝えしたいと思います。
この「基本的な方向性」をキャッチコピー的に言うと、タイトルにも掲げた
「トランスパーソナル・キャリア」
になります。
「トランスパーソナル」は文字通り、
「個(パーソナル)を超える(トランス)」
という意味。
「トランスパーソナルキャリア」では、「自分探し」からスタートしません。
すなわち、
「自分が何がやりたいのか」
「自分は何ができるのか」
といった自分を起点とする発想をやめます。
むしろ、自分という個を超えた外側にある、自分をとりまく世界を起点に以下のような問いを自分に投げかけるのです。
「周囲の人々、さらに視野を広げ、地域社会、あるいは日本、世界、また地球は、私にどんな役割を果たすことを求めているのか?」
つまり、
「自分が何をやるべきか」
ではなく、
「自分をとりまく世界が、あなたにどんな人生を生きることを望んでいるのか」
を考えてみるのです。
私たちは、「個」では存在しえません。
仲間と助け合いながら生きています。
仲間とはもちろん、自分が良く知る家族、知人、隣人だけではありませんよね。
間接的ですが、世界の見知らぬ人々とも様々な形で結びついているのです。
また、生物としての私たち人間が生きていられるのはまさに自然の恵みのおかげ。
他の動物や植物たちと共に、「地球」という生態系に組み込まれた形で生かされているのです。
人間の高度な知性が生み出した人間社会・文明によって、地球の生態系が過度に破壊されつつあるのが残念ですが・・・。
さて、こうした大きな仕組みの中で、私たち1人ひとりはとてもちっぽけな存在にすぎません。
しかし、いったんこの世に生まれてきたからには、すべての人になんらかの役割や使命があります。
あなたは、それが何かを見つけなければならない。
ただし、私たちがこの世で果たすべき役割や使命は、自分の内側には見つかりません。
外に目を向けましょう!
私たちが生かされているこのかけがえのない地球、世界、日本、人々、生物たちなどのため、自分はどんな貢献ができそうかを考えるのです、探してみるのです。
おそらく、自分が役に立てそうなことはいくらでもあるはず。
その中で、自分が能力的にできること、やってみたいと興味を感じたことに飛び込んでみる。
たとえ能力的には無理と思ったことでも、「やってみたい」という思いがあればトライしてみましょう。
やりながら必要な能力を身につけることが可能な場合も多いからです。
以前も別の形でお伝えしましたが、結局のところ、生きる喜び、働く喜びは、他の誰かが幸せになることの一助になっている、また自分が誰かに必要とされていると感じられた時、初めて得ることができます。
自分の可能性を最大限に活用するという「自己実現」どまりでは、キャリアは完成しない。
自分を超越し、社会や日本、世界、地球のために、自分が何らかの使命を果たしていると実感できる状態に達するのが、キャリアの理想形だと私は思うのです。
これが「トランスパーソナル・キャリア」です。
前回もご紹介した心理学者、ヴィクトール・フランクルは、
「人生の意味を問い求める必要はない、人生があなたに問いかけている。あなたはその問いに答える責任がある。」
と言っています。
「人生があなたに問いかけている」
というのはちょっと哲学的でわかりにくいですが、私なりに読み砕いた説明がこれまで述べてきたことです。
前回の繰り返しになりますが、人生にはどんな時であれ、
「なすべきこと」「実現すべき意味」
がなくなることはありません。
そして、フランクルは続けます。
「つねに、あなたのことを“必要としている誰か”、あなたによって“実現されるべき何か”が必ずあって、あなたによって発見されるのを“待って”いる。」
そして、
「これは、1人残らずあらゆる人に当てはまる人生の真実である」
と。
あなたの幸せな人生、幸せなキャリアの実現を心よりお祈りしています。
長い間、私の記事をお読みくださって、どうもありがとうございました。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
この記事をお読みの方の中には、このところの世界的な景気後退の影響を受け、勤め先の倒産やリストラ、あるいは派遣打ち切りなどによって厳しい状況に突然追い込まれてしまった方がいらっしゃるのではないでしょうか?
「すぐ目の前が不透明な状況なのに、キャリアデザインなんて言ってる場合じゃないよ」
とお感じかもしれません。
確かにそうですね・・・。
まずは現時点で相応の生活ができる状況でなければ、将来のことをじっくり考える余裕はなかなか持てないものでしょう。
ただ、こうした時期こそ、実は長期的な視点で自分のキャリアを考えるいい機会にもなるのですよ。
自らの意思でなく、外部のどうしようもない状況によって強制的に足止めされ、足踏みさせられている。
前にはなかなか進めない。
こんな立場に置かれていたら焦りを感じるのは仕方がありません。
しかし、これまで日々の忙しさに追われて考える時間のなかったこれからの人生計画を練り直す時間ができたのです。
せっかくの機会をぜひ活かしてください。
とはいえ、私が心配なのは、厳しい状況に置かれてやる気や自信が低下しただけでなく、
「自分はなんのために働いているんだろう?」
「自分はなんのために生きているんだろう?」
といった
「働くこと、生きることそのものの意味」
がわからなくなってしまった方も多いのではないか、ということです。
今回は、そんな人たちに向けてのメッセージです。
人生には「3つの生きる価値 = 意味」があります。
具体的には以下の通りです。
1 創造価値
2 体験価値
3 態度価値
1 創造価値
────────────
創造価値とは、あなたが地球や世界、日本、周囲の人たちを幸せにすることに貢献する何かを創りだすこと、あるいは行うことによって生まれる価値です。
すなわち、「創造価値」は、あなたが外部に対して与える価値です。
創造価値は、多くの場合、仕事を通じて実現されます。
だからこそ、仕事を失うことがつらいのですね。
しかし、創造価値は仕事以外でも生み出すことが可能です。
仕事という形態は取らなくても、誰かの役に立てること、あなたができることがあるはずです。
当初は明確な収入に結びつかないとしても、あなたを必要としてくれる人たちを探し出し、その人たちのために誠意を尽くせば必ず新たな希望の道が拓けます。
2 体験価値
────────────
通勤の途中、ふと見上げた先に広がる透き通るような青空。
あるいは、足下に咲く、華奢だけれど可憐な花を見つけて、心が洗われる思いをしたことはありませんか?
あるいは、素晴らしい音楽や映画、演劇に触れて心が震えるほどの感動を覚えたことがありませんか?
また、愛する人と見つめあい、えもしれぬ甘美さと心地よさで心が満たされた経験は?
私たちを取り巻く素晴らしい自然や動物たち、「真善美」を感じさせる優れた芸術作品、またあなたが出会う様々な人々との触れ合いは、しばしば「生きてて良かった!」という心からの喜びを与えてくれます。
「体験価値」は、あなたが自分の人生を生きる中で外部から与えられる価値です。
「生きているだけでもうけもの」という言葉がありますが、たとえどんな状況に置かれていたとしても、あなたは体験価値をいつでも受け取ることができます。
3 態度価値
────────────
私たちは誰もが、生まれながらの「宿命」を背負っています。
生まれ育った場所、親、時代など、自分では変えることのできない所与の環境です。
そして、生きていく中でも、自分ではどうしようもない状況にしばしば巻き込まれます。
あなたの「運命」というものがあります。
人生の大部分は、生まれながらの「宿命」と、その後の「運命」にほとんど支配されています。
それでも、そうした状況に対して「あなたがどのような態度を取るか」ということはあなた自身の意志で決めることができます。
自分自身の宿命、運命を素直に受け入れ、自分の人生を幸せなものにするためにやるべきことを考え、行動に移す自由は残されています。
こうして実現される価値が「態度価値」です。
上記3つの価値を提唱したのは、心理学者のヴィクトール・フランクルでした。
フランクル氏は、第二次世界大戦中、ユダヤ人であったためアウシュビッツの強制収容所に送られ、いつガス室で殺されるかわからないという極限状況に置かれました。
彼は奇跡的に生還を果たすのですが、アウシュビッツでの悲惨な毎日を乗り越えた経験を通じて、どのような状況であれ、それを自分がどう受け止めるか、解釈するかという「態度」によってその人の人生の価値が生まれてくるということを身をもって理解したのです。
フランクル氏は言います。
“どんな時も人生には意味がある”
もし、あなたが今厳しい状況にいるなら、どうかこの3つの価値についてじっくりと考えてみてください。
あなたにはどんな価値を与えられますか、あるいは与えられそうですか?
きっとトンネルの出口を示す明るい光がどこかに見えてきますよ。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
そもそも「人はどうやって(HOW)学ぶのか」を考えたことはありますか?
大きくは2種類あります。
ひとつには、自ら体験することでの学び、すなわち「実体験型学び」です。
自転車の乗り方などは、典型的な「実体験型学び」だと言えます。
実際にやってみて、うまくいったりいかなかったり。
痛い目にあうこともありますが、失敗するほうが学びは大きい。
というのも、なぜうまくいっているかの理由はわかりにくいけれど、失敗した理由はわかりやすいからです。
次にチャレンジする際に、失敗した理由を繰り返さないように気をつけることで、だんだんと成功確率が上がっていくのです。
さて、もうひとつの学びは「疑似体験型学び」です。
これは、上司・先輩、著名人などの話を直接聴いたり、あるいは過去の偉人たちを含む様々な人が書き残した文献や書物を読むことを通じての学び。
もちろん、話を聴いたり、本を読むだけでは学びとは言えません。
そうした外部から得た情報や知識を体に染み込ませ、自分の行動に反映できるようになってこそ価値があります。
たとえ、コツコツと努力を重ねたおかげで成功を収めた人の話を聴いて、「地道な努力」の必要性を痛感してたとしても、あいかわらず現実の自分は楽な道しか選んでいないようであれば話を聴くだけ無駄ですよね。
でも、実際のところ、人の話を理解し、納得することと、それを自分の行動に反映できることの間には大きなギャップがあります。
ですから、「実体験型学び」の方が本当に身につく学びだと言えるでしょう。
自らの行動を通じて学ぶわけですから。
ただし、「実体験型学び」は、事前にわかっていれば避けられた失敗をわざわざ繰り返して痛い思いをする可能性が高いことを忘れないでください。
例えば、成功者があっという間に没落してしまう場合の最大の原因は、
「私は天才だ」
「私にできないことはない」
などと勝手に思い込み、傲慢な人格に変わってしまうからです。
傲慢さが原因で没落した人の話や本は古今東西に山ほどあります。
それなのに、今でも新しい成功者が次々と同じ傲慢さに陥って失敗しています。
もし、先人の失敗話を熱心に聴いたり、本を読んだりすることを通じて、「傲慢さ」が成功の敵であることを事前にわかっていれば、いざ成功を収めた時に、自分をうまく戒めることができるかもしれません。
(それでもやはり、難しいようですけどね・・・)
この意味で、「疑似体験型学び」は、なかなか自分自身の行動に結び付けにくいとはいえ、実際の体験よりも、はるかに少ない時間と手間で、かつ大変な思いをせずに有効な学びに換えることも可能という点で、いい意味で「楽な学び方」だと言えます。
人の話は聴かない、本は読まない、自分でやってみたことしか信じないという方もいらっしゃいます。
それもいいでしょう。
ただ、優れた人格者として尊敬できる方、成功を持続できている方の共通点として、人の話を素直に聴ける、また、大量に本を読んでいるという点が挙げられることをぜひ覚えておいてください。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
あけましておめでとうございます。
いいお正月を過ごされましたか?
さて、「週刊キャリアデザイン」は、主に20代の若手ビジネスパーソンを対象にして書いていますが、新年早々ちょっと説教モードの内容です。
覚悟してください!(笑)
私は私のブログやメルマガを読んだ方などから時々、
「ちょっと相談に乗ってほしいので会っていただけますか?」
という連絡をもらうことがあります。
また、友人から
「○○さんという人に会ってもらえませんか?」
と依頼されることもあります。
私は、独立したマーケティング・コンサルタント&キャリア・アドバイザーとして、自分の持つ知識やノウハウを「アドバイス」や「提案」という形で顧客に提供することで生計を立てています。
端的に言えば、コンサルティング時間の「切り売り」です。
ですから、
「お会いして相談に乗ってくれませんか?(無料で・・・)」
という無邪気なミーティング依頼への対応には、常日頃頭を悩ませています。
私を頼ってきてくれたのはうれしいけれど、こうやって無料で対応していたら家族が路頭に迷ってしまうし・・・などとあれこれ考えて、とても苦しい思いをします。
とはいえ、立派な企業の方がこうした態度で来られるのは、明らかに「ただ乗り行為」ですから、基本的に断っています。
一方、若い方で起業したばかりだとか、人生の節目にあって、これからどうしたらいいか悩んでいる方の場合には、たとえボランティアであってもできるだけ会うようにしています。
私としては、目先の自分の金儲けだけでなく、これからの世の中を動かしていく次世代の若者たちを可能な限り育てたいし、また支援したいからです。
ただ、残念なことがあります。
それは、お会いするまではいいのですが、その後、お礼のeメール1本すらないことが最近多いことです。
つまり会った後、「なしのつぶて」。
「せっかく会ってあげたのに・・・」
などと偉そうには言いたくはありません。
しかし、ミーティング後になにも連絡がないと、
「私の話が役に立たなかったのかな、お互い会うだけ無駄だったのかな・・・」
などと考えてしまい、今後はこんな形の依頼は最初から断ってしまおうかなとついつい考えてしまいます。
ですから、自分よりも知識や経験が豊富な方にわざわざ時間を割いてもらって会う場合には、ぜひともお礼のeメールを欠かさないようにしてくださいね。
もちろん、封書やハガキを送った方がより丁寧ですが、シニアの方でなければeメールで十分です。
内容は「ありがとうございました」の短い一言でもいいのです。
こうして礼を尽くせば、その後も何かと支援してくれることでしょう。
逆に、礼を失すれば、その後の支援が受けられなくなる可能性が高いだけでなく、他の若者がその方に会うチャンスをつぶしてしまっているかもしれません。
(私の場合、厳しいようですが、お礼のメール1本すらなかった人とは二度とお会いしません)
若いうちは、若いというだけで、結構、大会社の社長さんなど、偉い人が気軽に会ってくれることがあります。
それは、やはり若者を育てたい、支援したいという気持ちがあるからでしょう。
しかし、だからこそ、お礼は素早く、確実に。
以前から同様のことを繰り返し書いていますが、あなたの運命を切り開く鍵は他の人が持っていることが多いのです。
1つひとつの出会いを大切にしましょう。
キャリアデザインにおいて一番大切なことは、
「出会いを大切にする」
ということではないかと私は最近つくづく思います。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
クリスマスウィークの今週は、人生やキャリアについて考えるヒントにもなる名作映画をご紹介したいと思います。
それは、1946年制作の米国映画、タイトルは、
『素晴らしき哉、人生!』
(It's a Wonderful Life)
です。
ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
でも、不朽の名作と言われているわりには、日本ではあまり知られていません。
同映画のクライマックスは、クリスマス当日に起きた大金紛失事件にまつわる不思議な出来事です。
米国ではこの時期、毎年テレビで放映されるため、家族みんなで見るのがお決まりになっている米国家庭が多いそうです。
さて、主人公のジョージ・ベイリーは、小さい頃から世界を旅するのが夢でした。
ところが、その夢をようやくかなえようとする直前、父親が急死したため、ジョージは父親のビジネスを継がざるを得なくなります。
大学にも結局行けませんでした。
ジョージが継いだビジネスは、地元の庶民たちが家を建てるために必要な資金を融通する小さな住宅金融会社です。
彼は生来、実直で優しく、思いやりにあふれた人です。
自分の事業運営においてもいたずらに利益を追求することなく、将来のマイホームのため、なけなしの金を預ける地元のお客さんを大切に扱っていました。
おかげでいつもぎりぎりの経営状態だったのです。
幸い、プライベートの面では、美しい妻と4人の子供たちに囲まれ、幸せな家庭生活を送っていました。
ただ、前述したように厳しい経営状態のため、自分自身の生活には余裕がなく、廃屋を改造した粗末な家にずっと住み続けていたのでした。
ある年のクリスマス、彼のビジネスを揺るがす大事件が起きます。
一緒に事業をやっていたビリーおじさんが、顧客から預かった大金をなくしてしまうのです。
お金は見つからず、このままでは会社が倒産し、お客さんに迷惑をかけてしまうという状況に追い込まれたジョージは絶望し、紛失したお金を保険金で補填するため、雪の降る中、橋の上から飛び降り自殺しようとするのでした。
ところが、先に中年の男性が川に飛び込んでしまい、ジョージは彼を助けざるを得なくなります。
中年男性の名はクラレンス。
実は、クラレンスは、彼を助けるために天国から地上に遣わされた守護天使でした。
ただし、天使としてはできの悪い2級天使、背中の翼はまだありません。
でも、もしジョージを絶望から助けることができたら、立派な天使として認めてもらえ、翼をもらえることになっていました。
さえない風貌をしたクラレンスはとても天使には見えませんが、いちおうは天使、不思議な力を使えました。
クラレンスは、ジョージがもしこの世に初めから存在していなかったらどうなっていたかを体験させることにしたのです。
ジョージが存在しない世界はひどいものでした。
墓場では、小さい頃、溺れかけたところを救ったはずの弟のハリーの墓石を発見します。
助ける人がいなかったため、ハリーは幼くして溺れ死んでしまっていたのです。
町は強欲な資産家、ポッター氏が支配していました。
多くの庶民は自分の家を持つことができず、ポッター氏の貸家に住んで高い家賃を払い続けていたのです。
町全体が荒んでいました。
そして、愛する我が妻はいまだ独身のまま。
ジョージのことはもちろん知りません。
もちろん自分の子供たちもいません。
母親でさえ、ジョージを他人扱いです。
ジョージは自分がいなかった世界のひどさにあきれ、元の世界に戻してもらうように頼みます。
自分の痕跡のない世界は死んでいるも同然です。
彼は「もう一度生きたい」と心から願うのです。
クラレンスから元の世界に戻してもらったジョージは、どんなにつらい状況にあったとしても、
ただ「生きていること」の素晴らしさ
に喜びを爆発させます。
そして、自宅に戻ったジョージのところへ町の人々が押し寄せます。
ジョージの危機を救うため、それぞれが懸命に貯めたお金を喜んで寄付しにきたのでした。
感動の結末はご自身でご覧になってくださいね。
運命に翻弄され続けたのがジョージの人生でした。
幸福な家庭を築けたことは例外として、仕事やキャリアの面では、予期せぬ出来事のために自分の思い通りにならないことが多かったジョージ。
でも、どんなときでも彼は目の前の事態を冷静に受けいれ、周囲の人々にとって善となる行動を常に選択しました。
その意味で、彼の人生の大半は自分のためではなく、人のために生きたようなもの。
しかし、人生最大の危機に直面した時、たくさんの「友」というかけがえのない財産を築いていたことに彼は気づくのです。
私たちは何のために働くのでしょうね?
自分の人生の中で大切なことは何でしょうね?
この映画を観ながら考えてみてはいかがでしょうか。
エンディングで、ジョージはクラレンスから『トムソーヤの冒険』をクリスマスプレゼントとしてもらいます。
この本にはクラレンスの次のようなメッセージが残されていました。
“友がある者は敗残者ではない。翼をありがとう”
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
北京オリンピックで銀メダルを獲得したフェンシング選手、太田雄貴さんの活躍のおかげで、マイナー競技として扱われてきたフェンシングにずいぶん関心が集まるようになりましたね。
滋賀県で生まれた太田さんはフェンシング選手だったお父さんのすすめで、小学校3年生からフェンシングを始めるとたちまち上達。すぐに頭角を現します。
ただ、当時の滋賀県内で、小学生のうちからフェンシングをやっていたのは太田さん1人。
ですから、同等クラスの選手と対戦したり、優れた先輩に指導してもらうためには他県に遠征しなければなりませんでした。
例えば、フェンシングの五輪代表にもなった市ヶ谷廣輝さんの指導を受けるため、太田さんは市ヶ谷さんの住む香川県までわざわざ出向いたそうです。
こうして小さい頃からフェンシングに打ち込んだ太田さんは平安高校に進学。
高校時代は史上初のインターハイ3連覇。
高校2年生の時には全日本選手権において、史上最年少の17歳で優勝を果たしています。
ちなみに、この決勝戦で対決することとなり、序盤の劣勢を跳ね返して劇的な逆転で破ったのが前述した市ヶ谷氏でした。
先生に勝ってしまったというわけですね。
さて、太田さんはこれまで順調な競技生活を送ってきたかと思いきや、実は18歳でアテネ五輪(2004年)に出場した後、長いスランプに陥った時期があったそうです。
ベストを尽くしているのに、どの大会でも早々と負けてしまうことが続き、このままではフェンシングは続けられないとまで太田さんは考えました。
その頃、日本のフェンシング競技強化のため、ウクライナ人コーチのオレグ氏が招聘され、フェンシング選手たちの指導をしていました。
しかし、太田さんは感覚的に合わないと感じ、オレグ氏に教えを請うことはなかったのです。
オレグ氏の指導を受けた他の選手たちが確実に強くなっていくのはわかっていました。
でも、オレグ氏に指導を受けるのは太田さんのプライドが許さなかったのです。
しかし、みじめな負けが続き、
「もはや引退するしかないか・・・」
と追い詰められて、ようやく、太田さんはオレグ氏に頭を下げます。
それまで反発してきたオレグ氏に、
「私を指導して欲しい」
と頼んだのです。
太田さんが自分を受け入れていないことをわかっていたオレグ氏は、内心複雑な感情を抱きながらも太田さんの指導を始めます。
オレグ氏の教えを素直に聞き、貪欲に吸収した太田さんは、次の大会で上位入賞を果たし見事復活しました。
そして、今年の北京オリンピックでの銀メダル獲得へとつながっていくのです。
私たちは、太田さんと同様、しばしば「つまらないプライド」が邪魔して、他人のアドバイスや意見をすんなり受け入れられないことがありますよね。
今、「つまらないプライド」と書きましたが、自分に対する「自信」の源ともなるのが「プライド」ですから、当人にとってはとても大切なもの。
そう簡単に捨てられるものではありません。
しかし、更なる成長のために、太田さんのようにこれまで築いてきたプライドをいったん捨て、素直な心で他者の声を聞くべき時もあるのです。
プライドは本来大事にすべきものではありますが、あなたの人間的成長を阻害する場合もあるということを心に留めておきましょう。
余談ですが、フライドプライド(Fried Pride)という男女2名の音楽ユニットがあります。
天才ギタリスト、横田明紀男さんの超絶技巧、そして天才ボーカリスト、Shihoさんの圧倒的な歌唱力が私は好きでライブにも行きます。
>> FRIED PRIDEのフラリプラリ | ブログ・ヤプログ!
以前、ユニット名の「フライドプライド」ってどういう意味なんだろう・・・?と独り言のつもりでブログに書いたら、Shihoさんが直接コメントで回答してくれました。
「つまらぬプライドなんか、油で揚げてフライにしちまいな!」
という意味だそうです。
今回の太田さんの話は、NHKトップランナーにゲストで登場された先日の放送(2008年12月8日)の内容をまとめたものですが、番組を見ながら、私は「フライドプライド」の意味を思い出していたのでした。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
あなたは今、人生の転機に直面していますか?
今回は、転職、独立、結婚など、これまでの環境がガラっと変わってしまうような大きな決断をしなければいけない状況にいるけれど、踏み切れず悩んでいる方へのアドバイスです。
転機に際して、あなたがなかなか踏み切れない、決断ができない理由にはいろいろあると思いますが、特に大きなものはおそらく2つじゃないかと思います。
1つは、将来に対する不安です。
すなわち、決断後の新しい生活がどう展開するか読めなくて心配だということです。
これは前回の「オプション思考」で書いたように、将来のありうる可能性を考え、自分ができる準備をしていれば不安が軽減されたはずです。
もちろん、準備をしていても不安がゼロになることはありませんから、最終的には勇気を持って踏み出すしかありません。
さて、もうひとつの踏み切れない理由は、新しい環境に移るに当たって
「失うもの」
がいろいろとあるからではないでしょうか?
例えば、現在の会社で築いてきたポジション、社内の人脈、高い報酬、手厚い福利厚生など、新しい環境では失われてしまうために
「手放すのが惜しいなぁ・・・」
とついつい悩んでしまっているのでは?
実は、私が20代後半に迎えた転機、具体的には「転職」でしたが、やはりいろいろと失うものがあり、ずいぶん悩みました。
例えば、私が転職によって失うものの中で最大のものは「収入」でした。
私が、自分の可能性を拡げるための仕事ができると期待していた転職先では、前職よりも200万円以上、収入が下がることがわかっていたのです。
当時、私は結婚したばかりでしたし、自分だけの問題では済まない状況でした。
しかし、最終的に転職を決断しました。
目先の収入よりも、自分のキャリアの可能性を拡げておくことがやはり重要だと考えました。
長期的なメリットを優先したというわけですね。
妻もこの考えを受け入れてくれました。
(改めて妻に感謝しなければ・・・!)
今振り返ると、この決断は大正解でした。
でも、当時はどうなるかわからないけれど、とにかくやってみるしかない。
最後は「えいやっ!」と叫んで新しい環境に飛び込んだという感じです。
『ハーバード流キャリアチェンジ術』
(ハーミニア・イバーラ著、翔泳社)
という面白い本(転機の方にオススメ)の中に、次のようなたとえ話があります。
手に石を持ったまま湖を泳いで渡ろうとする女性がいました。
ところが、湖の中央あたりまで来ると、女性は石の重みで沈み始めるのです。
岸で見ていた人たちは、この女性に石を手放すように熱心にすすめます。
しかし、女性は彼らの話を聞かず、そのまま泳ぎ続けてさらに沈んでいくのです。
彼女は沈まない方法は明白です。
誰もが「石を放せ!」と叫びますが無駄でした。
彼女は
「手放すなんてできない。これは私のものだ」
と言って水の中に消えていったのです。
今自分が持っているものが惜しいという気持ちはわかります。
でも、それをあきらめなければ、新しいものが手に入らないという状況が人生やキャリアにはしばしばあります。
中でも、もっともつらいのは、サヨナラしなければならない人間関係がある時でしょう。
しかし、サヨナラしないと新たな出会いが得られないとしたら、踏み切るしかありません。
逆に言えば、これまでの何かを失うこと、サヨナラすることで始まることがたくさんあるのです。
ここまで読んできて、まだ悩んでしまう方は、先日解散したファンクバンド「Super Butter Dog」の名曲、
『サヨナラColor』
をぜひ聴いてみてください。
決断する勇気をもらえるでしょう。
“サヨナラから始まることがたくさんあるんだよ”
というのはこの曲の一節です。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
あなたは、
「将来はどうなるかわからない・・・」
とついつい考えてしまい、不安でたまらなくなることが多いですか?
たとえば、雇用や収入が不安定になりがちなフリーター生活をされている方なら、そう感じることがあるのもやむを得ないと思います。
でも、正社員として働いていて比較的安定した暮らしをされている方なら、普段はほとんど不安を感じないまま毎日を送ってらっしゃる方が多いでしょう。
というのも、どうなるかわからない将来のことであれこれ思い悩むのは、「脳」にとってとても不愉快なことですから、とりあえず目先に問題がなければ、将来のことをなるべく考えないで済まそうとする傾向が私たちにはあるからです。
つまり、端的に言えば、私たちは基本的に「楽観主義」なのです。
言い換えると、他の動物たちと同じく、私たち人間もまた、
「今を生きる」
ことが常態なのでしょう。
実は、「今を生きる」という言葉は私が大好きな言葉のひとつです。
今一瞬を楽しく、また充実したものにすることがとても大切だと思っています。
人生とは、生まれてから死ぬまでの有限の「時間」だと私は考えています。
将来に対する不安のために不愉快な気持ちで過ごす時間を持つのは、かけがえのない人生の損失ではないでしょうか。
とはいえ、将来に対する備えを全くしないで、単に、
「お気楽に生きる」
ことをお勧めしているわけではありません。
勤め先の突然の倒産で転職を余儀なくされたものの、今の自分の能力や経験では雇ってくれるところがなくて、途方にくれてしまうような人たちの仲間入りをさせたくはないからです。
そこで、私がお勧めしたいのが「オプション思考」です。
これは、
現在の自分の置かれた環境を客観的に分析してみて、将来どのような変化が起きる可能性があるだろうかという「選択肢 = オプション」を考えてみること
です。
世界経済の動向といったマクロな環境はともかく、自分の身近な環境については、おおよそどんな変化が起こりえるか、容易に予想できるはずです。
たとえば、勤め先の会社で言えば、
・成長する
・現状を維持する
といったオプションに加えて、
・倒産
という可能性のオプションを漏らしてはいけません。
どんなに大きかろうが、絶対につぶれない会社はありません。
このことは近年も相次ぐ大企業の倒産の歴史が証明していますよね。
あるいは、あなたが目指しているかもしれない各種の資格について言えば、将来の起こりうる変化は、
・資格の価値が高まる
・変わらない
・資格の価値が低下する
という3つのオプションがあるでしょう。
今後人気が高まると期待される資格がある一方、今は収入増にプラスになるからと大人気。
しかし、3年後には必要性が低下し、役に立たない資格になるものもあるかもしれませんよね。
問題は、上記のような様々なオプションのうち、どれになるのかという「発生確率」と、いつそうなるかという「発生時間」を推測するのが難しい点です。
でも、とりあえず将来の変化についてのオプションがわかれば、あなたが今から準備できること、準備しておくべきことが明確になります。
特に、「倒産」のような不愉快なオプションについては、あまり考えたくない気持ちを抑えて、もしこのオプションが実際に起った場合に、無事に乗り越えるために、自分が今から何をしておけばいいのかをしっかり考えて、できることから実行に移しましょう。
例えば、倒産に対するひとつの備えは、「貯蓄」でしょう。
また、独立できる資格の取得という備えもいいですね。
いざとなったら助けを求められるような人脈を社外に作っておくのも、とても有効です。
私の場合、20代の頃から、自分でもなぜだかわかりませんが、今の会社が倒産するかもしれない、上司から意に沿わない命令を受けるかもしれないといったネガティブなオプションが頭の片隅にありました。
そこで、上記のような好ましくないオプションが発生した場合の備えとして、各種資格の取得と外部人脈の形成に励むことにしたのです。
こうした備えをしておくと、将来に対する不安が軽くなります。
面白いことに、当時獲得した資格や人脈が当時の仕事でも役立ったので、楽しく働けましたし、自分にとって納得のできる転職にも成功しました。
あなたもぜひ、あなたの将来の「オプション」をしっかり考え、それに対する備えをしておきましょう。
何事にしろ、「備えあれば憂いなし」です。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
「ミュージカル」と言えば、あなたはどの作品を挙げますか?
おそらく、「オペラ座の怪人」か「Cats」のどちらかを答えた方が多いでしょう。
Wikipediaで調べると、ブロードウェイでのロングラン公演記録は、「オペラ座の怪人」が1位で、「Cats」が2位となっていました。
では、「Cats」に抜かれるまで最長ロングラン記録を持っていた
『コーラスライン』(A Chorus Line)
はご存知でしょうか。
初演1975年、終演は1990年。
当時としては異例の15年も続いた人気ミュージカルでした。
このミュージカルは、ブロードウェイの劇場を舞台に、役名のつかない脇役ダンサーたち(「コーラスライン」と呼びます)を選考するオーディション風景を描いたものです。
1985年には、映画化もされていますね。
ダンサーを厳しく指導し、ややいじわるな印象を与える振付師のザック役をマイケル・ダグラスが演じていました。
私も若かりし頃、この映画をテレビで何度か見た覚えがあります。
さて、コーラスラインは、2006年に16年ぶりとなるブロードウェイでの再演が決まり、その出演者をオーディションで選ぶことになりました。
当オーディションには誰でも応募可能だったそうですが、総応募者数はなんと3,000人。
しかし、実際に舞台に立てるのはわずか19人です。
このオーディションの現場にカメラが入り、ドキュメンタリーとして映画化したのが
『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』
です。
11月現在、都内の一部映画館のみで上映中です。
当映画は、ミュージカルの舞台に立てるほんの一握りの配役を巡る、厳しいオーディションの過程を撮影した真実の物語。
私はぜひ観たいと思って、先日時間を作って映画館に足を運びました。
『コーラスライン』再演のために行われたオーディションは、1次、2次、最終選考の3段階で応募者を絞り込んでいきます。
1次から2次の間には4ヶ月のレッスン期間、2次から最終までの間にも同じく4ヶ月のレッスン期間を設ける大がかりなものです。
応募者は、入れ替わり立ち替わり、選考者たちの前でコーラスラインの中のダンスや歌を披露し、また、劇中のセリフを演じます。
面白いことに、技能の優劣を的確に判断する能力のない私のような素人でも、直感的に素晴らしいと感じる人は着実に次の段階に進んでいきます。
一方、何かが足りない、もう一歩だなあと感じた応募者はやはり落とされていくのです。
そうして最終選考まで進んだ応募者たちは、皆5歳、6歳といった小さい頃からダンス一筋、ダンスが大好き、ダンスが人生そのものといった人たちばかり。
技術的にはほとんど優劣はつけがたい人たちです。
それでも、配役のイメージと違う、あるいは年齢的に若すぎるといった技能以外の理由で落とされる人、4ヶ月前の2次選考の時は良かったけれど、最終選考は演技の仕方が前と違っていて良くないと言われて不合格になる人など、観ているこちらも切ない気持ちになる場面がたくさんありました。
そんな中、ある応募者の男性の言葉が心に響きました。
“たとえ不合格になっても人生は続く。中身が大事だよ”
彼は、1人当たり10分ほどのオーディションで自分の力を出し切れたことをまず喜んでいたのです。
合格・不合格といった結果ではなく、ブロードウェイの舞台を夢見て日々努力している自分の人生を肯定的に受け入れているのです。
この彼はかなりの実力を持っていたものの、残念ながら最終選考で落とされてしまいました。
しかし、おそらく今でも、あきらめずにダンサーの道を貫いているのではないかと思います。
私たち普通の社会人の世界は、ブロードウェイのダンサーほど熾烈なものには一見感じられませんよね。
でも、あまり表には出ないものの、営業現場では厳しい受注競争、社内では出世やよりよいポジションを巡る競争が繰り広げられているのが現実です。
また、資格取得を目指している方はご存知の通り、難易度の高い公的資格ともなると、受験者のうち合格できるのは数%に過ぎません。
大半の人が振り落とされてしまう厳しさです。
どんな場面にせよ勝ち続けられる人はいません。
しばしば負けることもある。
不合格になることもあります。
それでも、先の男性の言葉を借りますが、
“たとえ不合格でも人生は続く。中身が大事”
なのです。
結果がどうであれ、自分のベストを出し切ることができれば後悔しないのではないでしょうか。
毎日の努力はつらいものですが、打ち込める何かがあるというのは幸せなことです。
私は、『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』を観ながら、米国の黒人女優、ウーピー・ゴールドバーグの言葉を思い出していました。
(彼女は、『天使にラブ・ソングを・・・』で有名ですね)
うろ覚えなのですが、おおよそ次のような内容です。
ウーピー・ゴールドバーグが、俳優の卵たちに質問を受けました。
私たちは、俳優になることを夢見て日々厳しいトレーニングを行っています。こうした私たちの努力は報われるのでしょうか?
すると、彼女は次のように答えたのです。
あなたたちは、仲間とお互いに励ましあい、助け合いながらその夢を追い求め、目を輝かせて生きているのでしょう。であるなら、あなたたちの努力は既に報われているのです。
キャリア・アドバイザーの松尾順です。
石倉洋子氏(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)に憧れている人がビジネスの最前線でがんばってる女性には多いですね。
私の顧問先の会社の女社長も石倉氏をとても尊敬しているそうです。
石倉氏は、上智大学卒業後、7年ほどフリーの通訳をやった後、バージニア大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。
さらに、日本人女性では始めて、ハーバード大学大学院の経営学博士(DBA)を取得されています。
そして、帰国後はコンサルティング会社、マッキンゼーでのコンサルタント経験を経て、大学教授に転身したという華麗な経歴をお持ちです。
私は一度、石倉氏の講演を聞いたことがありますが、洗練された身のこなしと、ロジカルかつ明快な語り口に圧倒されました。
キャリア志向の女性が石倉氏を尊敬し、憧れるのも当然だなと感じたものです。
さて、石倉氏は数年前、働く女性を対象とした講演で、世界に通じるキャリア、すなわち「世界級キャリア」を身に付けるために必要な5つの力についてお話されています。
そこで今回は、当時の日経新聞に掲載されていた上記講演内容についての私のメモをベースにして、
「世界級キャリアを身に付けるための5つの力」
について簡単にご紹介したいと思います。
もちろん、女性だけでなく男性にも通用する話ですよ。
石倉氏が考える5つの力は次の通りです。
1.現場力
2.表現力
3.時感力
4.当事者力
5.直観力
1.現場力
自分の目で現実を知る力。
現代は情報が豊富なため、情報を見聞きしただけで物事のすべてを理解した気になってしまう傾向があります。
しかし、聞いたことと現実が大きく異なる場合もよくあること。
ですから、実際に物事が起きている場所に足を運び、自分の目で確かめることが必要です。
この能力を育成するコツは、興味を持った人や物事があったら、即座に行動して会いに行ったり、その場所などに行くことだそうです。
2.表現力
自分の意見を簡潔、的確に相手に伝える力。
どんなに良い意見、アイディアを持っていても、それらを伝える力を持っていなければ宝の持ち腐れになります。
この能力を伸ばすためには、子供にも理解できるくらいわかりやすく話すように心がけることと、常に自分の考えを言葉に表すクセをつけることです。
セミナーや講演会に参加したら、質問する気持ちで聞き、疑問点があったら質問してみるのもいい、と石倉氏はおっしゃっています。
日記やブログを書くのもいいトレーニングになるでしょうね。
3.時感力
時間を有効に使う力。
石倉氏の造語。
限られた時間をいかに効率よく使うかを考えて行動する人とそうでない人では、仕事の量と質に大きな差がつく、と石倉氏は指摘しています。
この力を伸ばすには、物事の優先順位を考えて行動する、複数の作業を並行して勧めるなどの工夫が必要だそうです。
また、1日の中で、自分の能力が最も発揮できる時間帯を知り、その時間に集中して仕事をすることも有効です。
4.当事者力
自分だったらどうするか、を常に考える力。
これも石倉氏の造語。
何事も主体的に考えるようにすれば、自分の力で物事を進めていくことができるようになります。
また、他者の考えや意見にただ反対するのではなく、自分ならこうするといった代替案を出せるのも当事者力があればこそ。
この能力を高めるには、できるだけ多くの経験をして、当事者しかわかりえない気持ちを理解しようと努めること、またニュースなどを聞いたときに、自分だったらどうするか、を考えるクセをつけることが役立ちます。
5.直観力
物事の全体を見渡して、物事の核心となる部分を見抜く力。
変化が著しい現代では、これまでの経験や前例だけでは予測できないことが起こります。
したがって、自分の直感を頼りに物事を判断することが求められるというわけです。
直観力を磨くには、既成概念に捉われず、これまでの考え方をリセットして物事を眺めるようにすることが必要だそうです。
なお石倉氏は、上記の力を支える「土台」として、以下の2点を挙げています。
●基礎体力
定期的に運動し、適度に休養して健康を維持する。
●人生への基本姿勢
常にプラス志向。
昔は良かったと振り返るのではなく、この先はもっと良くなると考えて行動する。
以上、お読みになってどうですか?
5つの力は、どれもやや抽象的にお感じになるかもしれません。
しかし、逆に言えば、どんな仕事をやるにせよ必須の能力だと言えるのです。
これらの力を磨くことを意識して仕事に打ち込めば、グローバルで通用するビジネスパーソンにきっとなれますよ!
*上記“5つの力”の詳細は、下記の石倉氏の著作にも書かれているようですね。
興味のある方は読んでみてください(私は未読です)。
『世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派”プロフェッショナルのすすめ』
黒川清、石倉洋子著、東洋経済新報社
*石倉洋子氏のブログ
Yoko Ishikura Blog